以下は前回の続き。自分の2007夏アルバニーでの戦況報告の後半
=初日午後から2日目最後まで。
副題:「敵の魚雷群+機関砲の集中砲火を耐えて生き残れ!戦艦大和と
その乗組員達!!」
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初日午後(エッセイ2問、MPT1問 13:45~16:45)開始:
・エッセイの第四問はDomestic Relations(ドム・レル)系。ちょっと予想外で
一瞬凍りつく。午前にWillsが出て、マイナー科目のCommercial Paperが出たのに
ここでドム・レルまで出すか?NY州はビジネス・ロイヤーを求めてはいないらしい・・・。
ただ、設問自体は比較的ストレートだったと思う。
(いくつか被弾したとは思うが、大きな損傷報告なし)
・エッセイの第五問はContractsとCorporationsの複合系。前述のとおり、マイナー+
家族法系を連発で出してしまったので、ビジネス法系を最後に複合系で出して帳尻を
合わそうという魂胆が見え見えだ。ただし、魂胆が見え見えでも、論点は残念ながら
見え見えというわけにはいかなかった。それでも、Closed CorporationのDissolution
の際の20%超少数株主の権利等、Barbriの演習問題で見たことのある論点が
あったりして、なんとか体裁は整えられたと思う。Barbriに初めて感謝。
(いくつか被弾したとは思うが、大きな損傷報告なし)
・いよいよMPTに突入。時間はこの時点で残り80分。理想は90分だったが、
悪くはない。しかし、題材をみて、また凍りつく。「インディアン自治区の裁判管轄権と
連邦裁判管轄権の関係」がどうやら主なお題らしい。インディアン?連邦裁判管轄権?
両方ともなじみのない外国人にはいやらしいお題だぞ、これ。
そして、小問の1番はなんとか把握できたが、2番は自分に何をしてほしいのかが
全くよくわからなかった。(左舷に魚雷命中。通信系統が完全に大破。以降の損傷
確認が不可能に)小問1番はインディアン自治区の裁判管轄権がどこまで連邦に及ぶ
のか、2番は及ぶとして、そのインディアン側の判決がその後どう連邦側に影響して
いくのか、という話だと強引に解して読み進める。資料の中から大事そうな文言だけ
抜き出して強引に入れ込む。文章形式に指定があったようだが、遵守できているか
どうかももうわからない。そしてなんとか時間内に終了。
(通信系統が復旧していないので損傷度合が確認できないが、乗組員の懸命な努力
で敵魚雷群の攻撃を乗り切ったと信じる)
2日目午前(MBE100問 9:00~12:00)開始:
・PMBRの直前模試で全米上位25%にはいっているという判定だけを心の拠り所に、
1問ずつクリアしていくしかない。4問飛ばしたが、比較的順調で時間内に100問終了。
もちろん、難しかったが、そこまで捻じ曲がった問題はないように感じた。
(確実に敵の機関砲を被弾しているのだろうが、通信系統がまだ復旧していないので
損傷度合が確認できない。対機関砲の装甲は厚めのはずだから大丈夫と信じる)
2日目午後(MBE100問 13:30~16:30)開始:
・あとは泣いても笑ってもこの100問、3時間で終わり。ところが疲れからか、
早く終わって欲しいとの焦りからか、午前中に比べて集中力が高まらない。
(敵の攻撃もさることながら、疲労等からくる乗組員の能力低下が著しい)
・何かがおかしい。PMBRの演習問題とも、Barbriの演習問題とも、ニュアンスの
違う問題が散見しはじめる。訴訟における各段階での審査基準とか、裁判官の
裁量の範囲だとか、明らかに一度も確認してない論点が問われだしてる。
直感で一番まともと思われる回答を選ぶしかない。(敵の新型機関砲が出現。
厚いはずの装甲がまるで役に立たない。例によって通信系統がまだ復旧して
いないので損傷度合は確認できないが、極めて危険な状況を認識)
・6問飛ばして、なんとか時間内に終了。午前午後で飛ばした問題数10問は
想定の範囲内。あとは・・・これまでの自分の行いを信じるしかない。
(敵の機関砲集中砲火も突破し、お互いの健闘を祝福しあう乗組員たち。
さて、ここで問題。この乗組員達は果たして生還したのでしょうか?それとも
すでにゾンビと化していたのでしょうか?答えは11月に!)
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今後、NY州司法資格を目指そうか迷っている方がもしこれみてくれたなら、
ぜひもう一度よく考えることをお奨めする。
多くの日本人の場合、この試験を受験して失うものというのは金銭的なもの
と名誉に関わるもの以外にはないかもしれないが、試験前や当日の努力の
対価として得られるものに個人差が激しいと思う。
自分は、読んでもらえばわかるとおり、受験したこと自体にも満足してる。
ただし、もちろん結果が伴ってないと意味無いと思うし、もう一度受けたい
とはとても思えない。なんとか、最低ラインにでもひっかかってもらいたいと切に
思うが、もうそろそろ精神衛生上よろしくないので、記憶から消去することにする。
はい、消えた。