プーケット津波情報総合 (スマトラ沖地震)

Webや口コミで収集した情報のまとめです。「一覧」のカテゴリーに各種情報のまとめを置きました。

津波被災体験談

2004-12-27 17:31:36 | 記事スクラップ
SankeiWebより
楽園に悪夢の2波 プーケット島ルポ

【プーケット島 (タイ南部) =岩田智雄】南国の楽園タイのプーケット島を襲った津波は、ビーチ沿いのホテルや店を一瞬にしてガレキの山にかえた。目撃者によると、津波は二波にわたって襲来、特に二度目の津波は海岸線から百メートルも離れたホテルの一階部分まで破壊するなど、すさまじさを物語っていた。

二十六日午前十時 (日本時間同日正午) ごろに発生した津波のあと、ビーチ沿いに宿泊していた観光客は島の内陸部へ避難した。ホテルはどこも満室状態で、役所や寺院、学校、ショッピングセンターなどは野宿をする人であふれかえった。

ギリシャから来た男性 (37) は、海岸線から百メートル離れたホテルの室内にいた。「ゴー」という嵐のような音が聞こえて一、二分後、第一波が襲ってきたが、海水は部屋の外で止まった。さらに十分後、強力な第二波が襲い、海水は一階の天井にまで及んだ。室内にはビーチにあったイスなどが流れ込み、妻が負傷した。役所の庭で眠れぬ一夜を過ごしたが、「お金もパスポートも何もかも流されてしまった。プーケットへ来るのはこれで最後にする」と話した。

当時、ビーチにいた千葉県在住の梅宮正人さん (33) は、第一波のあとホテルへ逃げようとしたが間に合わず、第二波にのみ込まれた。茶色の泥流の中で足が立たず、頭上や周辺で車やイスが浮かんでいるのが見えたという。目撃者の話を総合すると、第二波の津波の高さは数メートルから二十メートルとの証言もある。

津波は船上の観光客やダイバーも直撃した。

プーケット島沖にあるピピ島へ百人乗りの観光船で向かっていた米国人男性サムさん (47) によると、突然、海が二つに割れたようになり、船の右側が盛り上がった。続いて船が津波の上に持ち上げられ、三百メートル前方のピピ島のバンガローの二階が同じ高さに見えたという。数時間、海上で待機したあと、プーケット島へ引き返したが、途中転覆した小型ボートにつかまったり、海上に浮かんだダイバー四、五人を救助した。

在タイ日本大使館は二十七日未明、プーケット島と、近郊の町クラビに大使館員を派遣し、邦人の安否情報の収集に当たっている。

捜索作業に当たっているタイ人スタッフによると、ピピ島で日本人の夫婦と息子二人が津波にのみ込まれ、六歳の男児を除く三人が行方不明になったとの情報があるという。また、ピピ島での避難者名簿の中に「チカ・クルマイ」「マキコ・オザワ」という日本人女性とみられる名前があったが、安否は確認されていない。

CNN.co.jpより
急激な引き潮、押し寄せる波の壁 プーケットの生存者談
2004.12.27
Web posted at: 16:29 JST

タイ・プーケット (CNN)  インドネシア・スマトラ島沖で起きた地震によってインド洋沿岸諸国を襲った巨大津波は、タイのリゾート地プーケットに壊滅的打撃を与えた。多くの観光客があっという間に押し流された26日朝、なんとか生きのびたオーストラリア人夫妻の話を、ジャーナリストのアラン・モリソンさんが聞いた。

巨大な水の壁が近づいてくる時、あなたならどうする? 走るしかない。全力で走るしかない。「うそだろ」と思いながら、でも走るしかないのだ。しかしやがて水が迫ってきて、あなたはきりもみしながら水にさらわれる。

泳ぐのがうまいとか下手とか、そんなことは関係ない。

とてつもない水の勢いがあなたを前へ前へと押し出していく。何かにしがみつけば、もしかしたら生きのびられる。波の動きにうまく乗ることができれば、もしかしたら大丈夫かもしれない。しかし何か固いものにぶつかれば、死んでしまうかもしれない。

クリスマス休暇で妻ダイアンさんとシドニーからプーケットに来ていたレス・ボードマンさん (56) は、波にさらわれたとき、柱にしがみついた。しがみつき続けた。

もう片方の手で、流される別の男性をつかもうとしたが、水の勢いがすごすぎて、つかんでいられなかった。

こんなことになるわずか数分前、レスさんはダイアンさんと、プーケットの有名なパトン・ビーチに立っていた。美しい青い海を前に、休暇が始まったことを喜んだのも束の間、夫妻は砂浜の波打ち際があっという間に200メートルも引いていくのを目にした。

このすごい勢いの引き潮はどういうことだろう。ボードマンさんはすぐには分からなかった。沖合からありとあらゆる船が全速で浜へ向かってくる様子を見て初めて、何が起きているか気づいた。夫妻は慌ててきびすを返し、自分たちも全速力で走り出した。

砂浜から道路までの約20~30メートルを走り、ダイアンさんが停めてあった車の下にもぐりこんだその時、2人は波に追いつかれた。

水の壁はレスさんを約5メートル前、地上2階ほどの高さに放りあげた。レスさんはそこで何とか柱にしがみついた。

そして奇跡的な偶然で、波はダイアンさんの上にあった車とダイアンさんを巻き込み、上に放りあげ、ダイアンさんをレスさんの近くに投げ出した。夫妻は2階の窓までよじのぼって建物内にかろうじて避難。それから約90分間、巨大な波が次々と押し寄せて通り過ぎるのを呆然と眺めていた。

2人はその後、島の反対側のワチラ病院にヘリコプターで運ばれた。ダイアンさんはあばらを数カ所骨折しているが、命に別状はなかった。しかしワチラ病院に収容されただけでも、13人が死亡していた。

「もうダメだと思った」とレスさんは病院で話した。「あれをどうやって生きのびたのか、まったくわけがわからない。2つ目の波で、車が私の方にふっとんできたが、体をずらしてなんとかよけた。自分の横を車がすごい勢いで流されていくのを、ただ見ていた。何より辛かったのは、水の中を流されていく遺体が次々と見えたことだ」とレスさんは話している。

読売オンラインより
「娘抱き必死で泳いだ」旅行で津波に遭遇の邦人女性

おぼれた人の遺体があちこちに転がるリゾート地。がれきに埋まった繁華街。スマトラ沖から広がった大津波は発生から一夜明けた27日、インド洋沿岸の各地に大きなつめ跡を残し、死者は1万3000人を超える惨事になった。

タイのプーケット島周辺では、10人前後の邦人が津波に巻きこまれたとみられるほか、スリランカでも日本人の死亡情報があり、ツアー客のうち、少なくとも32人の安否が不明のまま。「娘を抱いたまま、海の中を必死で泳いだ」。津波にのみ込まれながら奇跡的に助かった日本人女性は、恐怖の瞬間をそう語った。

◆ピピ島

400人以上の死者が出たと報道されているタイ。

その南部のリゾート地、プーケット島の対岸にあるピピ島にいた神奈川県藤沢市の広瀬由子さん (41) は、小学2年の長女碧ちゃん (7) とともに津波に流された。

「2メートル以上ある波が襲ってきて、あっという間に流された」。ちょうどピピ島の船着き場を歩いていた時で、現地の人たちが「海が変だ」と言いながら海岸に集まってきた直後だった。

頭から波をかぶり、一瞬のうちに沖合に流され、碧ちゃんを必死で抱き寄せた。数百メートル流されたところで浮かんでいたタンスを見つけ、2人で夢中ではい上がった。海のようになった市場をしばらく漂流していたところ、1階まで水につかったホテルの建物にたどり着き、窓から白人の観光客が助け上げてくれた。

屋上に避難すると、50人ぐらいの観光客がいて、負傷者が横たわって病院のようになっていた。

ホテルの部屋からベッドや寝具を屋上に運び出し、一夜を明かした。27日朝になって、救助に来たヘリコプターで、タイ本土の病院に運ばれて治療を受けた。今は、近くのホテルに入り、帰国の準備をしている。

「助かってほっとしている。昔からピピ島が好きで、娘との2人旅行だった。とにかく早く落ち着きたい」。広瀬さんは電話取材にほっとした様子で語った。

◆プーケット島

被害の大きかったプーケット島・パトンビーチの中心部にあるホテル「ロイヤル・パラダイス」の従業員は27日午前、「100人近くの日本人が宿泊しているが、まだ全員の安否は確認しきれていない」と電話取材に語った。

同ビーチに宿泊していた福島聡さん (38) は街が津波に襲われた際、ダイビングボートに乗っていた。津波に気付かず潜水しようとした時、湾が真っ白に変色し、机やイスが無数に浮いているのが見えた。

島内に戻ると、海岸沿いの地域では、車があちこち流され、水も電気も使えなくなっていた。一部は、建物が崩壊し、立ち入りが制限されている。

プーケット島の「バンコク・プーケット病院」のスタッフは「日本人7人が運び込まれ、入院しているようだ」と話した。同病院に200床あるベッドはすでに満杯。日本人スタッフは「患者の名前確認だけで精いっぱい。個々の容体を把握する余裕はない」と話した。

◆スリランカ

スリランカの主要都市コロンボで日本語ツアーのガイドをしている男性によると、ハンバントタや、ヤラなどスリランカ南東部の海岸地帯で大きな被害が出ている。現地報道では3500人以上が犠牲になったとのニュースが流れたという。

「日本人に人気のあるヤラ国立公園のホテル『ヤラ・サファリ・ビーチ』が倒壊したらしい。日本人が含まれているとの情報があるが、詳しい状況はわからない」。男性はそう話した。

コロンボにあるホテル「ヒルトン・コロンボ」の従業員は27日朝、電話取材に、「日本人団体客が南部のハンバントタの海岸沿いの通りをバスで走行中、津波にさらわれたという話を聞いた」と語った。

ハンバントタはヤラ国立公園から西に約20キロのリゾート地。サーフィン目当ての観光客に人気があるという。

(2004/12/27/15:02 読売新聞 無断転載禁止)

読売オンラインより
「大波、怖かった」成田空港などに帰国の旅行者

成田空港や関西空港には27日、被災したタイなどからの旅客便が次々と到着し、日本人観光客が現地の様子を語った。

家族旅行でタイ・プーケット島を訪れ、家族とともに成田空港に帰国した千葉県市川市の中学1年生、川瀬裕之君 (13) は津波の襲来時、父親とパトンビーチ近くにいた。海岸から大勢の人たちが大声を上げて逃げて来た直後、高さ6―7メートルの津波が追いかけるようにうち寄せてきた。

「大きな波が二つ、三つと次々とやってきた。とても驚いたし、怖かった」と疲れ切った表情。母の幸子さんも「海辺のレストランや木々が津波でなぎ倒され、跡形もなくなった」と話していた。

(2004/12/27/14:44 読売新聞 無断転載禁止)