午前3時に書くつもりじゃなかった

過日、8月25日でデビュー25周年を迎えたフリッパーズ・ギター。

そんな節目に「そういえばちゃんと読んでないな」と思い、ファースト・アルバムのタイトル元ネタである『海に出るつもりじゃなかった』を改めて読んでみた。

海へ出るつもりじゃなかった(上) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ) [単行本（ソフトカバー）]

アーサー・ランサム

岩波書店

2013-05-17

インディーバンドで楽しくバンドやっていたら、いつの間にかメジャーという大海へ「出るつもり」じゃなかったのに、出てしまった。
けれども、船に乗った少年たちは慄くどころかその状況を楽しんでいる。

海へ出るつもりじゃなかった(下) (岩波少年文庫 ランサム・サーガ) [単行本（ソフトカバー）]

アーサー・ランサム

岩波書店

2013-05-17

青春なんてとうの昔に終わってしまったような年齢になって改めて思うことは「これは直に終わってしまうんだ」という焦りと「けれども、そんな時は永遠にこないんじゃないか」という思いがないまぜになっている状態こそが青春だということだ。

フリッパーズは「週末に間に合うように手紙を書くつもり」だとか「ホントのこと知りたいのに夏休みはもう終わり」だとか、その感覚について自覚的だった。

Three Cheers for our side ~海へ行くつもりじゃなかった [CD]

Flipper's Guitar

ポリスター

1993-09-01

だから、その歌詞（筋書き）を書いていていた人間が「物語を始めるには丁度い季節」になるまえに「夏休み」を終わらせたのは必然なのだけれど、おそらくその必然に当の本人も気がついていなくて、というか気がついてしまったからこそ、終わらせなくてはならなかったんだなぁ…と20数年の時を隔てて改めて思う。

『海に出るつもりじゃなかった』としても『犬は吠えるがキャラバンは進む』とばかりに進むのが彼の『Life』だったのだ。

犬は吠えるがキャラバンは進む [CD]

小沢健二

EMIミュージック・ジャパン

1993-09-29

なんてね。