2本の白樺

八ヶ岳南麓の大好きな白樺と40年の歴史を紐解きました

南麓の歴史の一端 (Ⅳ)

2016-09-23 | ヒストリー

清里水道料金訴訟


甲府地方裁判所では不合理な差別措置の提訴を合理的範囲内として

別荘住民側の訴えは棄却された。


しかし、敗訴後、正義感に燃えている人たちが団結し、

本格的な水道料金問題協議会が発足され、

2001年12月別荘住民の協議会は甲府地方裁判所の判決は

格差を合理的判断とした根拠が示されていないとして、

東京高等裁判所に控訴しました。


別荘住民側は差別的な根拠や、証拠集めに翻弄されながらも

少ない情報から割り出し、弁護士、会長を中心に会議などを

繰り返して反論、陳述書などをまとめあげる作業が続いた。


町の行政では水道料金は使用水量の平均的な数値から割り出したもの

だという事に対して、季節的需要変動という重要なポイントを忘却

したために誤った結論に達してしまったということ、また、

夏季に集中する水使用量の季節的変動の主たる原因は、

大口需要者たる、公共施設、営利施設等が考えられ、住民登録が

ないのに基本料金については、住民料金扱いを受けてきたのである。


要するに町民につき大口需要者も一般家庭もすべて1戸と見て

単純平均した場合の水道料金と同額を別荘住民が負担をしても

合理性の範囲であると結論づけた。

年間総使用水量は別荘40立方に対して、公共は249立方になっている。

すなわち別荘は一般、公共と比較して9倍も高価な水を飲んでいるのである。

言うなれば赤ん坊も力士も1人と見て平均体重を出すも等しい

乱暴な論理であって到底成立しない。

「これでも不当な差別には当たらない」と言えるのだろうか。(他、内容、略)

間違った数字の裏付けでは別荘住民のみに課された大幅な差別料金の

合理性を説明することは出来ない。


1審判決は別荘の水道料金は水道使用の特殊性等から、

料金格差は合理的範囲としたが


2審の東京高等裁判所は「法の下の平等を定めた憲法に反する」として、

別荘だけ高額に値上げをしたのは不当として条例自体を無効とした。


税金を納めていない別荘住民は、地方自治法にある住民ではない。

町の財政に貢献しない「部外者」には相応の負担を求めるのが

当然との持論を展開したが、合理性はなく、正当化出来ないとの

市側の主張を退けた。

甲府地方裁判所の判決を変更して


        ≪東京高等裁判長≫は

【別荘の水道料金値上げについて、規定した部分が無効とする。】

と主文を読み上げると法廷に詰め掛けた原告の別荘住民らは

(やったぞ!逆転勝訴だ!!)と、互いに手を握りしめ、笑顔で喜び合った。

別荘住民を『部外者扱い』をやめるきっかけになることを期待したい。



1審の甲府地方裁判所はほぼ敗訴、東京高等裁判所はほぼ全面勝訴、

という経過になりました。




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