以前、お知らせしたようにこのブログも末期。
ホントに好き勝手にやっていきたい。
もともと、ストレス発散が目的の一つだったこともあり、
結果的にはご覧の通り、愚痴・不満の掃き溜めになってるな
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無伴奏男声合唱組曲「いつからか野に立つて」
詩:高見順
曲:木下牧子
生きていて避けられない人間の負の感情―苦しみや悲しみ、憎しみ。
そんないやぁなモノを暖かく包んでくれる、そんな作品だと思ってます。
今まで何度、この曲に励まされたかなぁ
本当に大切にしたい曲。
2003年信州大学グリークラブ委嘱作品。
(信大グリー、いい仕事した!)
虹
―ひとびとの
悲しいおもいが
昇天して虹になる
悲しみが美しく
天を飾るのだ―
組曲の代表選手。
虹のように弧を描くやわらかな旋律に
キノマキ独特のぶつかりがここちいい和音。
全日本の課題曲になったのも納得です。
ホントにいいフレーズだと思いませんか?…
彼
―病気だから彼は大きな声で怒鳴らない。
人の邪魔はしない、
人の生活に文句はつけない、
自分が苦しんでゐるから人を苦しめない。―
前曲や次曲とは対照的にコミカルな8分の6拍子。
苦労した人ってたいがい、いい性格だ。
葡萄に種子があるように
―青い葡萄が
酒に成るやうに
私の胸の悲しみよ
喜びに成れ―
ぼんやりとした響きにはじまり、
クライマックスに向かって、徐々にましていくその明るみ・広がり。
そして余韻を噛みしめるかのように再び音の輪郭はぼやけていく。
シンプルだけどしっかりした曲と詩。
何となく酔いつぶれている主人公の姿がみえるような気もしなくもない。
やけ酒?
光
―今日も亦私は人を憎む―
―生きることは憎むことであるか―
―私の憎しみが私を悲しませる―
作品全体で動と静が交互に出現する構造も組曲の懐の深さを助けているのかな。
テキストの言葉通り、ギラギラした力で満たされた曲。
いつも人を憎んでしまう自分が嫌で嫌でたまらない。
天
―どの辺からが天であるか―
ゆったりとした時間が流れている。
第3曲同様、じんわりきます。
いつからか野に立つて
―いつからか野に立つて
天の一角へ右の手を差しのべ
それだと叫ぶのが
この私のならはしとなった―
終曲は男声合唱らしくダイナミックかつエネルギッシュかつドラマティック!
かっこいい!
カタルシスの塊ー
そぉれぇだっーそれだっーそれだーそれだー
この組曲がなんで素晴らしいって、
とにかく男声合唱という形態にフィットしている。
たぶん女声や混声ではこの作品の魅力は出てこないと思う。
これ以外の木下さんの男声作品にはいまいちピンとこなかったのだけど、
この全6曲だけは心の底から歌いたくてたまらない。
多くの男声合唱人にとっても同様なようで
アンコンの男声部門の曲目等見ても、
この作品の楽曲がたくさん入っていて「それ以外無いのかよ…」と逆にちょっとさびしくなってしまうほど、、
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何といってもなにコラの演奏がすばらしい。
何度聞いても最初の和音で鳥肌。やわらかいなぁ
全曲聴きたい方はこちら
何気に一番最初に買った合唱のCDだ。
もう、なにこらは別格だね。。
5月9日にKOBELCOでコンサートだそうですよー