祝50回!
よくぞこんなものが50回も続いたものです(笑)
ありがとうございます!m(_ _)m
こういう節目の時には
それこそ「水のいのち」みたいな
超有名曲を取り上げるべきでしょうが、
私、天邪鬼なので…
作曲:間宮芳生
まちがいなく最も好きな作曲家の一人。
伝統音楽を題材にした合唱曲は数あれど、
間宮作品ほどその素材に寄り添って
つくられている作品は無いと思う。
民謡をはじめとする伝統音楽を合唱曲にしようというのではなく
あくまで合唱という形態を利用して
その伝統音楽に命を吹き込みなおそうという
狙いが感じられるような気がします。
特に「合唱のためのコンポジション」シリーズ(現在、全17作)は
そういう意味で芸術的価値のとても高いものです。
コンポジションは「構成」という意味を持ちますが、
様々な伝統音楽の断片によって構成された
めちゃめちゃ独創的な世界が広がっています。
編曲:間宮芳生、ではなく
作曲:間宮芳生であるのもうなずけます。
独創的な分、譜面はサディスティックというか(笑)
アマチュア泣かせですね。苦労してます。
Ⅲは日本各地の民謡から構成されています。
囃子言葉や掛け声、口唱歌だらけなため、
ただ叫んでいるようにしか聞こえないかもしれませんが(笑)
第1章 艪
―【音頭取り】オヒコ 【受け声】オヒコ
〃 ソラエ 〃 オヒコ―
秋田のハタハタ漁の漁師に歌い継がれているハタハタ唄が素材。
「艪」とは舟をこぐオールのようなもののこと。
ハタハタ漁は網を海中に仕掛けておこなうのですが、
網の仕掛けのために舟を漕ぎ出していく掛け声が
冒頭の「おーひこー」なんですね。
ちなみに「ヨーイコーラ」の転訛だそうです。
そして中盤の「アラドッコイドッコイショ」は
仕掛けた網を引く作業の際の掛け声をさしています。
ひととおり漁をしおえると舟はまた「オーヒコー」といって
遠ざっかていくのです。。
とにかくSoliがカッコイイ曲☆
第2章 かっこ
―九つ、黄金の蔵主さまは、四十四・五とも見えるとサ
センヤ、ハン、サンサ、コロリンサ―
タイトルが変換できません(汗
雅楽や能楽などで使われる鼓の一種です。
よって曲中にはたくさんの口唱歌がちりばめられています。
昔の日本にはいわゆる楽譜はなかったので
このように口伝えで太鼓や篠笛をはじめとする
楽器の演奏法やリズムを伝承していたんですね。
いまでいうボイパみたいなものです
(それは違うかw)
他に福島県の田打ち唄と奥多摩の鹿島踊りの曲が主題に採られています。
ハーモニー的には西洋音楽のものなので
うまく、音がきまればとてもよくハモる曲です。
しかしそれは至難の業。難曲です。
第3章 引き念仏
―エー、なー、むー、あー、みいー、だー―
岩手県の念仏踊り「鬼剣舞」が素材。
念仏なので「南無阿弥陀仏」と唄っています。
曲中出てくる言葉はこれのみで、
あとはすべて口唱歌と囃子言葉です。
バリトンに見せ場が多いので最も好きな章ですね。
トランス状態に陥りやすい曲。
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あまり解説になっていませんが…(汗
でもこのような予備知識を知っておくと
実際に演奏を前にしたとき、
大分、捕らえ方が変わってくると思います。
それでも始めて聞く方は大体、腰を抜かします。
その後、「すげぇ…」と思うか
「こんなの音楽じゃない…!」と思うかは人それぞれ。
ただ、好き嫌いの分かれる曲ではありますが、
名曲である事はまちがいないです。
今回は敢えて音源は無し。
正直、ピッチと節回しを両立した演奏が
あまり無いというのもありますが…(難曲~)
6月27日、聴きにいらしてほしいからです!
興味のある方は是非!
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ところで今日は栗友会ろくもんめコンサート。
…行き忘れた~~!
結構、前からチェックしていたのですが。。
明日だと思っていました。。
ななもんめは絶対、行きたいところです。