二本足の學者を目指して

賢を見ては齊しからん事を思ふ

【映畫「THE LEGEND & BUTTERFLY」短感】

2023-03-16 20:21:07 | 映畫
【映畫「THE LEGEND & BUTTERFLY」短感】

ちやうど御晝の時間帶に「レジェンド&バタフライ」を觀に映畫舘へ行きました。

脚本を擔當された古沢良太さんは、「リーガル・ハイ」や「コンフィデンスマン」と云ふ現代物のコメディと云ふ印象が個人的には強いのですが、最近は大河ドラマ「どうする家康」や映畫「レジェンド&バタフライ」と云つた歴史物を書かれてゐますね。

「どうする家康」は東照大權現を相對化する狙ひがあり、パロディの要素が強いのですが、信長と歸蝶を主人公とヒロインに据ゑた「レジェンド&バタフライ」は、硬派な要素が強い、歴史を題材にした大人のラヴストーリーですね。

さう云ふ映畫のイメイジに、木村拓哉さん、綾瀬はるかさんが非常に合致してゐると感じました。企劃があり、兩人の配役が決まつたうへで、脚本家さんに話が行つたのではないか、なんて妄想して了ひます。

それにしても、Twitterでもどなたかがツヰートされてゐましたが、「さう來るかあ!」と云ふ後半に於ける御話の展開には驚きました。また、最も心醉する人間とは、ともすれば、心醉される人間にとつて、最も危險な存在となり得るのですね。この邊、ネタバレになる爲、詳述は出來ませんが……。

譬へば、三島由紀夫は、實際の天皇陛下を見てゐたのではなく、自分の中にある理想の天皇像のみを愛し、半ば、自慰行爲に陷り、實際の天皇陛下は理想的ではないとて、憎んでゐさへゐました。一人の人間として、明治天皇を慕ひ續けた乃木希典とは、全く違ふ訣です。

三島由紀夫にとつて、天皇陛下が人間である事は、認められない事だつた訣ですが、それは反道徳ではなく、没道徳な在り方であり、國を憂へる三島由紀夫の作品が、悉くポルノである證左なのです。

「人間」と云ふキーワードを「レジェンド&バタフライ」から見出して、私は以上のやうな事を考へました。が、ネタバレになる爲、之以上は書きません。

#レジェンドアンドバタフライ #木村拓哉 さん #綾瀬はるか さん #宮沢氷魚 さん #古沢良太 脚本

コメント
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