かっこいい和楽器の世界へようこそ!

和楽器・現代邦楽の音源について紹介します。

螺鈿隊による栗林秀明「紺碧く」

2012-06-14 23:59:57 | 日記

こんなのみつけた。

Japanese Koto Quartet Radentai plays Aoku.箏カルテット螺鈿隊が「紺碧く」を弾く

栗林秀明作曲「紺碧く(あおく)」を、螺鈿隊(沢井系?の箏演奏家グループ)が弾かれています。
山口でのリハーサルの映像。お箏屋さんだか音響さんだかわかりませんが、ステージ上を男性がうろうろしているのが笑えるwww

演奏そのものは気合いが入っていて迫力満点、すばらしい。
さすが実力ある演奏グループだけあります。

栗林さんの曲はほとんどCD化されていないので、うれしい。
「絵夢」はまさに名曲で大好きですが、この曲もいいなと思いました。

(追記)
「紺碧く」は、唯一刊行されているCD『KOTO KURI FIRST』(KYOUTO RECORDS、1995年)に収録されていました。失礼しました。
CD持ってるのに…orz


杵屋正邦作曲作品の音源求む!

2012-06-04 00:43:12 | 日記

いいものを見つけたので。

杵屋正邦 /「浮拍子」

 

洗足学園音楽大学の公式動画です。この大学は、伝統音楽の動画を公式に上げるという、懐の深い活動をされています。
演奏者の技術は確かです。動画では、講師の野澤徹也さんが一緒に演奏されていますね。

杵屋正邦(1914~1996)の曲は、もっと今の世の中に出るべき。
「去来」「呼応」「明鏡」「風動」「綺羅」「波」などは名曲中の名曲であり、音源化の機会も多いですが、そのほかにも良曲はたくさんあります。とくに合奏曲は、ほとんど演奏されていない、音源化されない。しかし、もっと世に出すべきです。今のままでは、良い曲も知られないままに忘れ去られてしまい、本当に社会から消え去ってしまいます。
杵屋正邦の創作活動は、戦後日本音楽の模索過程そのものだと思います(とくにいわゆる「現代音楽」とは一線を画した路線としての)。貴重な日本文化そのものです。
誰かが演奏しなければ残らない。誰かが聴かなければ残らない。
野澤さんは杵屋曲をこれまでもたくさん初CD音源化されていますが、今後もぜひ頑張っていただきたいなぁ。まあ、私のような奴に言われても…でしょうが。

杵屋正邦の曲で音源化して欲しい曲を挙げてみようと思ったけど、たくさんありすぎ。
私が聴いたことのあるものに限定してみると、たとえば以下の曲があります。

「三絃二重奏曲第一番」 (三絃×2)
「三絃二重奏曲第二番」 (三絃×2)
「夏野」 (細棹1、中棹1、太棹1)
「みやび」 (三絃×2)
「魁」 (三絃独奏)
「水のゆくえ」 (三絃×2)
「早瀬」 (三絃×2)
「つやま」 (箏2、三絃3)
「つやま第二番」 (箏1、三絃2、十七絃1)
「奏鳴」 (箏2、十七絃1、三絃2、尺八2)
「風土韻律」 (尺八3、箏3、三絃1、十七絃2、琵琶1)
「合奏曲鹿島立」 (尺八2、箏3、細棹1、太棹1、胡弓1)
「三絃四重奏曲第一番」 (三絃×4)
「春の讃歌」 (三絃×4)

私の手元にどこかから手に入れたものもあるけれど、たぶんこれらは、一般に出回る形で音源化されていないものだと思います。 上記のものは、三味線弾きならば、弾いてみれば絶対気に入ると思います。一度いじってみてくれまいか…。
楽譜は杵屋正邦の会に問い合わせれば手に入ると思われます。(かつて杵屋曲の楽譜を売っていた博信堂はすでに廃業…)


台湾?古箏による長沢「箏四重奏曲」

2012-06-03 02:13:40 | 日記

長沢勝俊作曲「箏四重奏曲」が古箏で演奏されていました。

同じ投稿者の他の投稿動画を見る限り、台湾の演奏家かな。かなり弾き込まれており、演奏の完成度は高いです。日本の箏の演奏法ではなかなか見られない大胆な演奏法ですが、表現そのものは全体的に繊細です。面白い。
古箏独特の高音がとても心地よいです。

箏四重奏
 

こりゃいいね!


吉松隆「双魚譜」の音源CD

2012-06-01 21:30:02 | CD等音源紹介

どうも。
5月は、家に帰り着くのが精一杯の毎日をすごしておりました~

さて、あきらんさんから下のようなコメントをいただきました。

>「吉松隆作曲「双魚譜」」が大変気に入ったのですが、これのCD音源ってあるのでしょうか……?

ええ、ありますよ!^^

吉松隆さんは、今やNHK大河「平清盛」のテーマ曲で有名な作曲家になりました。現代音楽を「非音楽的」として反発しているそうで、メロディアスな曲風を好んでいるようです。
吉松さんは、実は和楽器の曲もたくさん作っています。とくに二十絃箏奏者の吉村七重さんとのタッグは、かなり年期が入っています。今も、しばしば和楽器の新曲を発表されています。

「双魚譜―尺八と二十絃のための四つの古典的寓話抄」は、1986年の作品です。
吉松さんは星をモチーフにした作品の多い人ですが、「双魚譜」も魚座(双魚宮)からつけられたものです。4曲構成で、それぞれ「序の魚」「破の魚」「緩の魚」「急の魚」と名付けられています。

私が知っている限りでは、「双魚譜」が収録された音源は2つ。

1つは、カメラータ・トウキョウ発売元の吉村七重『TAQSIM(タクシーム)』(1999年、¥2,625)。
西村朗、三木稔、助川敏弥の4人の作曲家の曲とともに、吉松隆「双魚譜」を収録したCDです。「タクシーム」は西村朗さんの曲名です。

もう1つは、日本伝統文化振興財団発売元の『新編 現代の箏曲ベスト30』(CD5枚組、ビクターエンターテインメント、2006年、¥10,500)。
ディスク4に伊福部昭、宮田耕八朗、三木稔、沢井忠夫、吉崎克彦の曲とともに収録されています。

『新編現代の箏曲』に収録された音源は、上のカメラータ・トウキョウのものと同じ音源です。
どちらも吉村七重・三橋貴風の演奏ですので安心。
吉村七重さんの安定して繊細な二十絃箏の音と、
三橋貴風さんの真面目一徹でロマンティックな尺八の音。いいですよ!

『タクシーム』は、洋楽系作曲家の和楽器曲が嫌いでなければ、お買い得。他の曲も悪くないと思います。ちなみに同時収録の三木稔作曲「結Ⅱ」は箏とチェロの曲です。
『新編現代の箏曲』は、無印の『現代の箏曲』の出来と比べてはいけませんが、まあ悪くはないと思います。ちょっと高いですが、人気の作曲家の和楽器曲をたっぷり聴けますので、どっちかっていうとこちらの方がwasabi的にはおすすめです。

購入するなら ↓
純邦楽CDShopHow(邦楽ジャーナル)、または amazon でどうぞ。