かっこいい和楽器の世界へようこそ!

和楽器・現代邦楽の音源について紹介します。

日本音楽集団『ディヴェルティメント』

2012-04-08 10:12:30 | CD等音源紹介

たまに和楽器のおすすめ音源(今でも手に入りそうなものに限って)を紹介します。

第1回目は、これ↓
日本音楽集団35周年記念CD第2集 『ディヴェルティメントDIVERTIMENTO』
制作:ライヴノーツ 発売:ナミ・レコード 2000年 税込み¥2,835

2000年1月の演奏を収録。日本音楽集団の代表曲である「ディヴェルティメント」と「ダンス・コンセルタントⅠ」を収録しており、かつ演奏も気合いの入ったすばらしい演奏! これは買って損なし、文句なしにおすすめ!
☆洋楽器のオーケストラが好きで、和楽器にも興味のある人には、最適の名盤CD。

購入するなら ↓
純邦楽CDShopHow(邦楽ジャーナル)、amazon でどうぞ。

<全曲目>
 佐藤敏直作曲「ディヴェルティメント」(1974年)
1) 第一章
2) 第二章
3) 第三章
4) 三木稔作曲「三本の尺八のためのソネットⅠ」(1973年)
 長沢勝俊作曲「秋の一日」(1985年)
5) 1.序曲
6) 2.どんぐりごままわそう
7) 3.いわし雲みつけた
8) 4.祭囃子がよんでいる
9) 5.終曲
 三木稔作曲「“四季”ダンス・コンセルタントⅠ」(1973年)
10) 1.踊る春
11) 2.水巡る
12) 3.秋、そして
13) 4.風の花
14) 5.エピローグ

佐藤敏直作曲「ディヴェルティメント」と三木稔作曲「ダンス・コンセルタントⅠ」は、日本音楽集団の代表曲。作曲から40年以上も経っていますが、今でもコンサートではよく演奏されています。

佐藤敏直作曲「ディヴェルティメント」は、笛・尺八2・三味線2・箏2・十七絃・打楽器による大編成曲。「ディヴェルティメント」とは、「嬉遊曲」または「気晴らし」という意味です。この曲は、まさに聴く側を「嬉しくさせ」、「気晴らし」をさせてくれます。それでいて、しっかり作り込まれており、演奏する側にはかなりの演奏の力量を要求する曲でもあります。そんな曲ですので、日本音楽集団以外でも、力量の高い邦楽サークルが「いっちょ挑戦してみようか!」という気分で取り組むことが多いようです。

三木稔作曲「ソネットⅠ」は、尺八3本のかけあいが面白い曲です。「かっこいい和楽器の名曲」にはまだ使ってませんが、いずれは紹介したいと思っていました。三木さんの曲らしい、ただキレイなだけでない、高度な美しさを感じさせてくれます。ちなみに1962年に作曲された「ソネットⅠ」の原曲は、三木さんが和楽器のために作った最初の曲だそうです。三木稔マニア?には重要な曲ですね。ちなみに、「ソネット」はⅠ~Ⅴまでありますが、残念ながら私はⅠとⅢしか聴いたことがありません。

長沢勝俊作曲「秋の一日」は、笛・尺八・三味線・琵琶・二十絃箏・十七絃・打楽器による大編成曲。あまり激しすぎず、親しみやすいメロディを重ねた、とても聴きやすい曲です。作曲年は、春夏秋冬シリーズ(?)の2番目に古いもの(「冬の一日パート2」(1980年)→「秋の一日」(1985年)→「夏の一日」(1994年)→「春の一日」(1997年))。和楽器の可能性を引き出すために邦楽オケの編成の肥大化を問題視し、エッセンシャルな編成を目指して作曲されたそうです。そう言われれば、たしかにムダのない編成と曲調です。「冬の一日パート2」の次に人気のある曲、だと個人的には思っていますが…どうでしょうか。

三木稔作曲「“四季”ダンス・コンセルタントⅠ」は、笛・尺八2・三味線・琵琶・箏2・十七絃・打楽器による大編成曲。三木さんの代表作であり、「ディベルティメント」と並ぶ日本音楽集団の代表曲です。人々を惹きつけるメロディと、洗練された曲の構成。ちなみに、学生邦楽の世界では、「ダンコン」と略されている様子w それほど人気な曲だということです。「ダンス・コンセルタント」は、Ⅰ~Ⅳまでありますが、私はⅠとⅡしか聴いたことがありません。しかもⅡは一度聴いてそれっきり機会に恵まれず。日本音楽集団さん、Ⅳまでまとめて音源化してくれないかなぁ… 

本CDに対するwasabi的不満は、やたら音量が小さいことだけ。まあ聴く際にボリュームを上げれば問題なし。というより不満はそれだけ。70年代の日本音楽集団全盛期の演奏とは比べてはいけませんが、本当に名盤。

購入するなら ↓
純邦楽CDShopHow(邦楽ジャーナル)、amazon でどうぞ。


「ファミ箏」について

2012-04-01 22:43:55 | 日記

何の縁もゆかりもございませんが、若い箏曲家が思い切った挑戦をしようとしているようですので、勝手に支援します。

2012年4月6日(金)、深川江戸東京資料館小劇場で「ファミ箏」という催しをするそうです。この催しは、箏曲家(生田流)・作曲家の沖政一志さんが中心になって開かれるようです。内容は、催し名通り、ファミコンゲームの曲を箏ほかの和楽器で演奏しようというもの。曲目は、「がんばれゴエモンメドレー」、「月風魔伝メドレー」、「ファイナルファンタジー5よりビッグブリッヂの死闘」などが挙がっています。

こういう催しはもっとあってもいいですね。ただ、昨晩も書いたように、問題は「次」ですが。

ファミ箏については詳しくはこちらの「Schedule」で
→沖政一志 web site http://www.okimasa.net/

沖政さんは、youtubeで、ロック・アニメ・ゲーム等の曲を編曲したものや自作曲を、動画化してたくさんあげておられます。すべてご自分で演奏し、動画編集をされている様子。演奏は荒削りですが、動画はなかなか雰囲気よく、センスの良さを感じさせます。派手でロマンティックな感じがお好きなようですね。ゆったりした間の絶妙な取り方は好きです。

個人的になかなかいいなと思った動画を、以下、いくつか紹介します。
とくに「ビックブリッヂの死闘」は、これだけ細かい音をよくぞ弾いたな~!と、素直に驚かされました(後半は、がんばって!って応援する気分になりましたが^_^;)。 ↓

ビッグブリッヂの死闘を箏で(Clash on the Big Bridge play on koto)

聖剣伝説2を和楽器で

箏独奏による戦場のメリークリスマス

http://www.youtube.com/user/mushinomasashino#g/u


かっこいい和楽器の世界を紹介したい

2012-04-01 01:28:44 | ブログの趣旨

ブログタイトルを変えてみました。

前のタイトル「和楽器・純邦楽の音源について」は、1秒で考えましたw
ただ、毎日けっこうな来場者数があるようなので、もう少し考え直してみました。

 

まあ、方針・趣旨は変わりません。wasabi(和楽器)の独断と偏見で、現代邦楽の窓から、かっこいい和楽器の世界を紹介したい、というのがこのブログの趣旨です。

和楽器の演奏力は趣味にとどまり、和楽器の世界にもどっぷり浸かってない私は、音源以外に語れるものはないので。今まで通り、自分の動画「かっこいい和楽器の名曲」の宣伝(笑)をはじめ、ネット上の和楽器動画なども紹介してきたいです。新しく考えているのは、手持ちのCD音源でも紹介していこうかなと思ってます。

 

和楽器には興味があるけど、触れる機会はない。そんな人は多いようです。

これまで、そんな人々を和楽器の世界へ誘う手法は、流行の曲やゲーム・アニメなどの曲を和楽器で弾いてみることでした。ただ、この手法は、一度聴いたときは「和楽器もいいな」と思うのですが、視聴者をその次に進められない。聴けば聴くほど、結局原曲の方がいいじゃん、となってしまいがちです。

これらのルートで和楽器への興味をもった人々を、もう一歩、和楽器の世界へ進める機会が必要なんじゃないか。「もう少し和楽器の世界に触れてみたい」という要求に応える機会を増やすこと。

 

もともと和楽器を使って書かれたゲームやアニメの曲などから、和楽器に興味を持つ人も多いようです。ただ、この手の曲は、和楽器の日常的な世界とはかなり落差があります。まず、和楽器以外の楽器・音の力や規模が大きく、和楽器演奏家だけの力ではどうにもなりません。その上に、実際の和楽器の世界では逆にマイナーなため、ほとんど演奏されることがありません。人々に興味を持たせるのはいいのですが、その後は置いてきぼりになりがちです。

そこで私がおすすめするのは「現代邦楽」というジャンル。

一般に「現代邦楽」と呼ばれているジャンル(主に三曲から発展した西洋音楽の手法を取り入れた日本音楽)は、比較的今の日本人にはなじみやすく、演奏人口も多いと思うのですが、なかなかメディアに乗っていきません。本気で伝統音楽をしている人には「邪道」とされ、本気で西洋音楽をしている人には「失笑」され、ロックな人たちからは「古くさい」とされてしまう、ある意味で「中途半端」なジャンルだからなのかもしれません。

しかし、ある意味で「中途半端」だからこそ、たくさんの人とつながることができるのではないか、というのが私の仮説。
「中途半端」とは言いましたが、独自にかなりの蓄積があるのが現代邦楽。聴き応えもあります。和楽器の世界をのぞき込む一つの窓として、「現代邦楽」はいい窓なんじゃないでしょうか。

本業の合間をぬっての更新になりますので、更新頻度は少ないですが、ゆるゆるまったりとおつきあいください。