前回に引き続きモバゲで対戦したたT14さんとの一局を見ていきます。今回は141手目、先手の私の手番からです。再掲第10図は△4三銀と打たれた局面です。本局の初手からの指し手については過去回記事「タレ歩の処理(T14−1−1)」からご覧下さい。
第10図以下、▲4五馬△3四銀打▲5六馬△2七歩▲2三歩成△同銀▲2七飛△2六歩▲同飛△3六歩▲3五桂△2四歩で第11図。
▲6四馬と逃げて次の▲5三とに期待するのは馬の位置の感触が悪い。私は▲4五馬と逃げました。こちらの方が後手の大駒2枚の筋をキープしており、何かの拍子にス抜きやサバきを期待できます。
T14さんはガッチリと△3四銀打。これは駒得を活かした手で、ここまでされたら▲5六馬とハジかれても仕方ありません。
T14さんはここで2七歩。私としては相手が桂香持っているので、飛車を吊り上げられて飛車アタリで桂や香を打たれてしまうと、飛車を逃げたあとに2四のタレ歩を除去されてしまいますので、今のタイミングで▲2三歩成を決めてしまうしかありません。
そして△2三同銀となって▲2七飛と歩をハラいました。そしてさらなる△2六歩にも私は▲2六同飛と応じましたが、これは大悪手だったと思います。
ここは▲2六同金と金で取るべきでした。この金は受けにも使えないわけですし、このさい攻撃の尖兵として前線に繰り出していけば良かった。本譜の△3六歩が実に痛い手で、飛車金どちらで取っても桂打ちがある。▲4六金(参考M図)とかわしても△3四桂と打たれそう。
そんなわけで非常手段的ではありますが「アタっている駒が最も働いている駒」の格言に従って、ここは金取りを無視してしまう事にしました。私は▲3五桂。対してT14さんは私の飛車を止める△2四歩(第11図)。ここですぐに▲2三桂成と銀を取ってしまうのは面白くない。せっかく2筋に歩が切れているのですから、▲2三歩と玉頭をタタく展開にしたいところです。私の指し手は・・・
第11図以下、▲3四歩△同銀右▲2三桂成△同馬▲5四歩△4四桂▲5五馬△3五銀▲3四歩△3七歩成▲5三歩成△3二金で第12図。
▲3四歩は153手目の手でずいぶん長手数になってきました。そのせいかこの辺の私の指し手はかなり乱れている(言い訳がましい)。
▲2三桂成と桂を清算して、今度は一転▲5四歩。ここ▲3五歩(参考N図)と打って△3五同銀なら以下、▲2三馬△同玉▲5三ととと金を活用する手が見えます(次に▲4五角の王手飛車)。
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しかしこれは最初の▲3五歩に△3五同銀と応じてくれずに△4五銀と馬の方を攻められてしまうかもしれません。本譜△4四桂も自陣を固めつつ馬アタリで実に味良い攻防手。▲5五馬に△3五銀でついに王手飛車が実現してしまいました。
ということは▲5五馬では▲6七馬と引くよりなかったという事になりますが、それでも△5五桂(参考O図)と打たれると馬がどこに逃げても結局△3五銀で王手飛車になりそうです。まぁ、こちらの方が桂1枚余計に使わせた分得だと言えなくもないですが・・・
本譜▲3四歩は当然の一手ですが、後手の馬で玉がニラまれているうちは▲3三歩成の王手もできないわけで、これでは反撃にもなりません。ここでT14さんが悠々と飛車を取るかと思っていたら△3七歩成と金の方を取られました。飛車を取ったのでは▲2六同金で銀1枚損ということでしょう。
これなら私としても飛車を逃げることができますが、▲1六飛と端に逃げれば△3四馬(参考P図)でまた王手飛車。
しかしこれなら飛車はヒモ付きなので▲4五銀(または▲4五金)と打って逆点ムード。この変化に賭けるべきだったか?
本譜は▲5三歩成。直線的な攻め合いを求めた手ですが、T14さんは飛車を取らずに一旦△3二金(第12図)と金を逃げました。
ここでも前述の飛車逃げの変化があるわけですが私の指し手は・・・続きは次回です。