前回に引き続きハンゲで対戦したS5さんとの一局を見ていきます。今回は30手目、後手のS5さんの手番からです。
再掲第3図は先手の私が5四馬と馬を逃げた局面です。本局の初手からの指し手については前回記事「不可解な6筋交換(S5-1-1)」からご覧下さい。
第3図以下、△8六飛▲8七歩△8四飛▲4五馬△2三歩▲5八金右△1四歩▲7八馬△9四歩▲9六歩△5二金▲5七銀△6五馬▲6八玉で第4図。
S5さんはここで△8六飛と走ってきました。
このように8筋で飛車が走ってきた時に本譜のように▲8七歩と受けるか▲7八金かいつも迷うのですが、今回はお互いの馬の位置がビミョーなので先手を取って▲8七歩を選択しました。
▲4五馬は先手にとってまずまずの好位置だと思います。S5さんもここは危険と見て手堅く△2三歩と受けに回ったので、前譜までの急戦調の流れから一転して第4図まで駒組み合戦となりました。
迎えた第4図、S5さんも玉を囲うくらいだろうと思っていたのですが、ここで意表を突いて機敏な攻めが飛んできました。
第4図以下、△9五歩▲同歩△9八歩▲同香△8六歩で第5図。
馬の位置をうまく活用した端攻めで、これにはシビレました。
第5図までとなって私は苦しい長考を余儀なくされました。そして私の出した結論は・・・
第5図以下、▲8六同歩△9八馬▲8七銀△9九馬▲8五歩△6四飛▲6六歩△9五香▲9六歩△8八歩で第6図。
私は▲8六同歩△9八馬と香損に甘んじる順を選択しました。
例えば第5図から▲6六歩△5四馬▲5五歩と攻め合っても、△8七歩成▲5四歩△8八と▲9六馬△9八と(参考D図)と2枚換えされたうえに8筋を突破されて悪いと思いました。
しかしあらためて検討してみると、これは私の形勢判断ミスでした。
参考D図からは▲5ニ馬がありそうです。
以下、△5ニ同玉▲5三金△5一玉▲6二金△同玉▲5三歩成△同玉▲7五角(参考E図)の王手飛車があり、これは玉を裸で引っ張り出された後手が悪そうです。
中段玉寄せにくしなどと言いますが、それはあくまで守備駒に守られた玉のことであって裸の王様ではさすがに苦しいとしたものです。
なお△8八とで△7八と▲同金(参考F図)と馬を取り合うのなら形勢は互角で、本譜の順よりもこちらに期待するべきでした。
本譜に戻って、私が香損に甘んじる順を選択したのは▲8七銀△9九馬となれば後手の馬はそんなに働かないだろうと考えたからです。
さてここで先手はどう対処するべきでしょうか?続きは次回です。
再掲第3図は先手の私が5四馬と馬を逃げた局面です。本局の初手からの指し手については前回記事「不可解な6筋交換(S5-1-1)」からご覧下さい。
第3図以下、△8六飛▲8七歩△8四飛▲4五馬△2三歩▲5八金右△1四歩▲7八馬△9四歩▲9六歩△5二金▲5七銀△6五馬▲6八玉で第4図。
S5さんはここで△8六飛と走ってきました。
このように8筋で飛車が走ってきた時に本譜のように▲8七歩と受けるか▲7八金かいつも迷うのですが、今回はお互いの馬の位置がビミョーなので先手を取って▲8七歩を選択しました。
▲4五馬は先手にとってまずまずの好位置だと思います。S5さんもここは危険と見て手堅く△2三歩と受けに回ったので、前譜までの急戦調の流れから一転して第4図まで駒組み合戦となりました。
迎えた第4図、S5さんも玉を囲うくらいだろうと思っていたのですが、ここで意表を突いて機敏な攻めが飛んできました。
第4図以下、△9五歩▲同歩△9八歩▲同香△8六歩で第5図。
馬の位置をうまく活用した端攻めで、これにはシビレました。
第5図までとなって私は苦しい長考を余儀なくされました。そして私の出した結論は・・・
第5図以下、▲8六同歩△9八馬▲8七銀△9九馬▲8五歩△6四飛▲6六歩△9五香▲9六歩△8八歩で第6図。
私は▲8六同歩△9八馬と香損に甘んじる順を選択しました。
例えば第5図から▲6六歩△5四馬▲5五歩と攻め合っても、△8七歩成▲5四歩△8八と▲9六馬△9八と(参考D図)と2枚換えされたうえに8筋を突破されて悪いと思いました。
しかしあらためて検討してみると、これは私の形勢判断ミスでした。
参考D図からは▲5ニ馬がありそうです。
以下、△5ニ同玉▲5三金△5一玉▲6二金△同玉▲5三歩成△同玉▲7五角(参考E図)の王手飛車があり、これは玉を裸で引っ張り出された後手が悪そうです。
中段玉寄せにくしなどと言いますが、それはあくまで守備駒に守られた玉のことであって裸の王様ではさすがに苦しいとしたものです。
なお△8八とで△7八と▲同金(参考F図)と馬を取り合うのなら形勢は互角で、本譜の順よりもこちらに期待するべきでした。
本譜に戻って、私が香損に甘んじる順を選択したのは▲8七銀△9九馬となれば後手の馬はそんなに働かないだろうと考えたからです。
さてここで先手はどう対処するべきでしょうか?続きは次回です。