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らぶらぶわかみぃどっとこむ

ナレーター若宮かよのゆるーいブログでした。

ゲキ×シネ『蛮幽鬼』を見た。

2010-11-15 01:53:01 | 観劇日記
ゲキ×シネ「蛮幽鬼」やっと見に行けました。
3時間があっという間の超大作。

かつては演劇なんてその空間で楽しんでこそだと思っていたけれど、
ゲキ×シネは完全にひとつの分野を確立しましたね。
舞台と映画をいい形で融合させてひとつの作品として楽しめます。

公式HPによるストーリーはこちら
遠い昔。
ようやくひとつの政権で統治され始めた島国・鳳来(ほうらい)の国にまつわる物語。

無実の罪で監獄島に幽閉された《伊達土門》(だてのどもん)。
10年の歳月が流れてもなお、濡れ衣を着せた者たちへの復讐を生きる糧にしている。
監獄島の奥深くに捕らえられていた《サジと名乗る男》の力を得て脱獄、復讐への道を
着実に歩む土門の前に立ちはだかったのは、かつて将来を誓った女、《美古都》(みこと)だった――。


劇団☆新感線ではやはり古田新太さんが好きですが
古田さんのいない新感線もステキでしたね。
上川隆也さんと堺雅人さんがめちゃめちゃよかった。
あと早乙女太一さんも。彼の殺陣は品があるし大きく見えるし、
女形のシーンと対照的で見ごたえありました。

堺さんの狂人ぶりと、上川さんのあの色気はなんだ。
どうしたらそんなオーラが出せるのか。
心臓に鳥肌がたったようでした。圧倒されて息も満足に出来なかった。

終わってからどうしようもなく悔しくなりまして。
専門は違うんだけどさ。そゆこと、あるんですよね。

広島に原爆を落とす日 をみた。

2010-08-22 03:18:56 | 観劇日記

2010年現代の日本、広島。一人の新聞記者が外務省に勤める女に呼び出される。
女は、外務省の奥深くに眠る機密文書の調査を記者に依頼する。

すべての記録から消された「犬子」の文字、謎の髪一族の存在、浮かび上がる真珠湾開戦の真実。
海軍少佐犬子恨一郎が受けた使命とは戦艦大和を沈め、日本の戦意を消沈させること。
ナチス特務大使髪百合子の使命は、ヒトラーを生き延びさせ、ドイツに新型爆弾を投下させること。
悲劇の中愛し合う2人に突きつけられる究極の命令。

つかこうへいの描く歴史ロマン大作「広島に原爆を落とす日」を、筧利夫主演でリニューアル上演!

*****

シアターコクーンにて観劇。

ずいぶん前に原作を読んでいて
そのときも泣きながら感情が整理できなかったんですが。
筧さんが演じるつか作品をライブで観たのは初めてで、
そのパワーには圧倒されました。

原爆の是非とかヒロシマのこととか
ここでは芝居の本質とは関係ないと思うので触れませんし触れられません。
もちろん戦争も原爆もよくない。それは当然として。

けっこう泣いたんだけど涙の理由がわからなくて。
ことばにできずにけっこう時間が経ってしまいました。

感動とも少し違う悲しみとか怒りでもない感情。
この公演を構成するパーツが
それぞれの意味を持ってじりじりと押し寄せてくる。
まとまりもなく四方八方から。
それがあふれて涙になった。としか言いようがない。

歴史は大きなうねりそのもので
人間がつくっているもののはずなのに人間はそれに翻弄されるしかない矛盾。

原爆は「落とされた」ものである広島人の感覚と
「誇りを持って落とす」を言い切るところにおいやられた男の叫びと。

よくもわるくも昭和のにおいが抜けきれないこと。
(平成の今を生きる観客に向けて作っていると思うので若干残念な部分も…)

演出の岡村俊一さんが広島出身であること。
つかさんが亡くなって、これが追悼公演となったこと。
カーテンコールでつかさんのために用意された空間と照明。

いま、この芝居を観られてよかった、かな。うん。たぶん。
もっと小さな劇場で観てみたかったです。

NODA・MAP 第15回公演「ザ・キャラクター」

2010-07-05 00:21:45 | 観劇日記

野田地図の公演は何度も拝見しているけれど
いつも思うところが多すぎてうまく語れないのです。

今回のザ・キャラクター
いつもに増して文字を駆使した言葉遊びは健在です。
ただ、重い。
受け取る側があの事件をどう捉えているかによっては
この芝居の感じ方というのがものすごく変わってくるんだろうなぁ。

戦争とか海外で起きた虐殺とかに比べて、15年前の東京という近さ。
体験した人もいれば忘れている人もいる、リアルに差がでてくる時間と場所。

わたしは高校生だったけど東京は遠いし
地下鉄なんて見たこともなけりゃ乗ったこともなくて
どうしても遠くで起きてる事件以上には感じられなかったけれど。

宗教、権力、狂気、洗脳、暴力、陶酔・・・

人間はいつでも転び得る。
たくさんの苦しみを生んでしまう。
ほとんどのひとはそんなこと望んでやしないはず。
みんなが幸せであればいいと願うのは偽善だろうか?そんなことないよね?

表現者としては。
スピーディーな展開を作り出す役者陣の、
めまぐるしく変化する内面、そのエネルギー、目の当たりにしてぞくぞくした。

あと古田新太さんと野田秀樹さんの夫婦漫才、大好きです。
息ぴったりでいろいろ絶妙。芸術だー!

野田地図「ロープ」と一冊の本。

2006-12-20 23:31:25 | 観劇日記
NODA・MAP第12回公演「ロープ」を観て、その絶妙なもろもろに心を動かされ、
さらに戯曲の主要参考資料としてあげられていた「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」(講談社)を読みました。

舞台は最初のシーンから「何が起こってるの?」と思わせ、そこから遠慮なく笑いを誘う空気に持っていく。
観る側を一気に舞台側に引き込む魅力。
それは野田作品でおなじみのテイストで、さらに時事ネタが巧妙に取り入れられています。

今だからこそできる芝居。
今しかできない芝居。
そして、「難しい」のが苦手な現代の観客に、わかりやすい芝居(笑)

芝居の中で、ベトナム戦争の描写がでてきます。
わたしにとっては生まれる前の出来事で、教科書に載っているあの有名な写真でしか知りませんでした。
戦争といえばつい第二次世界大戦を思い浮かべ、それすらも偏った知識だろうとは思うのですが
その終戦後にも世界ではいくつも戦争や武力による紛争が起こっていたんですよね。

さて「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」というのは
ベトナム帰還兵のネルソンさんが前線の実態を子どもたちに伝えようと書かれた本です。
芝居の中で語られていた残虐な仕打ちや出産に遭遇するところなどは
この本の中に記されているものでした。
出産に遭遇して初めて、相手も人間であることを思い出すのです。
自分たちがやっていることは殺人なのだ、相手にも愛する者たちがいるのだと。

前線で敵を殺す兵士たちも人間なのです。
戦争だからといって平気で殺せるわけではなく
相手を人間と思わぬよう洗脳され、訓練され、前線へ送り込まれたのです。
戦争という正当化された暴力がどれほどたくさんの人を不幸にするか。
それがわかりきっているのに、いまだ戦争がなくならないのは何故でしょうか。

ネルソンさんが著書の中で述べています。
日本国憲法第9条を世界中の人々が持つべきだと。
わたしもそう思います。それは理想論なのでしょうか。

「暴力」についていろいろと考えさせられる2作品です。

劇団PEOPLE PURPLE「The old CLOCK」を観た。

2006-09-25 22:03:51 | 観劇日記
縁あって受付けのお手伝いをしてきまして、本番も観せていただきました。
劇団PEOPLE PURPLE(以下ピーパー)、とてもイイです。

The old CLOCKは誰もが知る名曲「大きな古時計」をモチーフにした作品。
ピーパーは見るたびに違う世界観を構築していて、それがどれも面白くて驚かされるのだけれど
今回はファンタジックな世界でした。イギリスだし。妖精いっぱい出てくるし。

日本人が無理して外国人を演らなくても、とかイイ大人が妖精なんて、とか
思うことも多いですが、ピーパーの場合はそんなことは問題になりません。
妖精だって違和感なく、個性的で魅力にあふれています。

特にピアノの妖精ローレンや箪笥の妖精ジェニファーの役者さんは
観るたびにガラッと違う役柄で、ホントに役者だなって思います。
楽屋裏の素顔もまた違うお人柄で(笑)
劇団としての可能性を無限に感じさせてくれる要素の一つでもあります。

さて本作品。とってもいい芝居でした。
冒頭で「大きな古時計」を英語で歌うところで既にみんなキラキラしている。
舞台上のキャラクターの感情がダイレクトに観客の心に響く舞台。
彼らと一緒に、笑って泣いて。見応えは抜群です。
それに台本がステキ。キャラクターもストーリーもちゃんと描かれていて。
そして照明も音楽も、もうとってもステキでした。

音楽といえば、秀逸だったのは生演奏。劇中で生演奏があるんです!!
簡単な楽器から、これはちょっと常人ではないという楽器まで。
パッヘルベルのカノンのメロディーに、もう涙は止まりません。
死を目前にしたおじいさんが最期に聴きたいと望んだ、妖精たちからの演奏。

終演後のロビーでサプライズもありました。
客出し(お見送り)をしているはずの役者たちが生演奏を始めるではありませんか!!
ピアノだけは運べないので劇場のステージ上からの合奏でしたが。。
そういう気遣いがとってもイイ。

千秋楽のカーテンコールは四回にもなって、ホントにステキな舞台でした。
東京でもピーパーがもっともっといろんな人に観てもらえたらいいなぁと思います。
次回東京公演は2007年1月のORANGE。必見!!

劇団NLT「ドーターズ」を観た。

2006-09-17 00:44:10 | 観劇日記
ドーターズは翻訳劇。
イタリア系アメリカ人の家族という、いち平凡な日本人としては
宗教観やバックグラウンドがなんとなくしかわからない状態だったんですが
描いているのは家族愛。これは全世界でそう異なるものではないのでしょう。
それも女四世代を描くとあって、同じ女性として共感しやすい部分もありました。

舞台は家族のダイニングキッチン。
そんなに広い劇場ではないのですが、精密に作られています。
コンロに火は付くし、蛇口をひねれば水も出る。わお。
小道具だって無数にあります。
何せ台所だから、常に誰かが何かを飲み食いしている。
その無数の段取りを自然にこなしながらセリフをしゃべるんだから
そりゃすごいことです。

1幕では最長老の曾祖母が良い味を出していました。
演じているのは男性の役者さん(笑)
セリフはなく、ひたすら食べるシーンが多いのですが
ユーモラスな役作りで存在感がありました。
こういう役ってホントに上手い役者さんでないと成立しないのよね。

2幕は曾祖母の娘であるおばあちゃんが良かったです。
とぼけたキャラクターで、緊迫したシーンにもすっと入る緩和剤。
前半もそうだったけど、後半の方がその役割が生きていました。

同じ家で長い時間をともに過ごしても、みんな個性的。
というより、この親にしてこの子あり、という関係が四世代続くのだから圧巻です。
喧嘩ばかりしていても、それは相手を思いやるがゆえの言い争い。
女同士ですから、相手の言うことなんか聞きやしないんですが(笑)
それでも最後には分かり合えるのは
愛し合う家族だから当たり前なのか、それともそれは現代では夢物語なのか。。

劇団NLT「ハーヴィーからの贈り物」を観た。

2006-06-25 00:56:13 | 観劇日記
俳優座劇場にて、劇団NLT「ハーヴィーからの贈り物」を観ました。
海外の喜劇を専門としている劇団で、日本人が外国人を演じる違和感はあるのですが、
ちゃんと笑いどころを抑えた面白い芝居でした。

照明の使い方が面白く、照明だけで表現するシーンもあるほど。
また、暗転の間にセットがガラッと変わっていて、ベテラン劇団の風格を感じました。
このセットはどうなってるの!?なんて一生懸命考えちゃった。

コメディって役者も上手くないと成立しないし、ほんとに繊細にシーンを作っているなと思います。
最後には思わずほろりとさせられる兄弟愛もあり、見応えは十分でした。
小劇場のような無謀な勢いはありませんが(笑)

「白夜の女騎士(ワルキューレ)」を観た。

2006-05-10 23:08:58 | 観劇日記
シアターコクーンにて上演中の「白夜の女騎士(ワルキューレ)」。
野田秀樹さんの脚本を蜷川幸雄さんが演出!!
ココに魅かれて観てきました。いつものように当日券で立見です(笑)

平日の昼の回なら当日券も余裕であるだろうとタカをくくっていたんですが
行ってみると予想外の長蛇の列。それも女性ばかり…。

そうか!! マツジュン効果だ!!

今回の主演は嵐の松本潤くん。
彼狙いの女性ファンが多いわけだよね~
どうりで平日昼公演の回数が多い気がしたんだ…


当日券は抽選方式なんですが無事購入できまして。
劇場に入ってまずビックリ。
以前、同じく蜷川さんが演出の「天保十二年のシェイクスピア」を観た時も感じたけど、
開演前の遊び心がいっぱい。そういう試みは大好きです。
搬入口を使った演出も面白かった。

しかし全体的に野田さんのよくわからない戯曲を、
お客さんに分かるように作っている感じが
逆に説明くさくてテンポが悪く感じられてしまいました。
野田さんの戯曲を野田さん以上に演出できる人はいないんじゃないかなぁ、
というのを再認識した感じです。

「労働者M」を観た。

2006-02-26 00:03:15 | 観劇日記
シアターコクーンにて労働者Mを観てきました。
3時間半の長丁場を立ち見で2500円(笑)

まず前説が面白かった。
台本がスクリーンに投影され、
それを見事に立体化していくとでもいいましょうか。
その表現が面白い。

そして本編。
世界観がもう独特で、笑いのシーンも満載。

円形のフロアが回転し、3種類の部屋が登場します。
その中で、2つの世界が同じ空間に、時には同時に、
まるで異次元の世界かのように存在する。見事でした。

中でも犬山イヌコさんの存在感と芝居は、
もう彼女の登場が待ち遠しくなるほど魅力的でした。

でも後半、特にラスト辺りは、私には少し難しかった…。
舞台装置を半分ぶっ壊してしまうような演出は壮観でしたが。

もっと賢くならねばなぁ。

「ラブハンドル」を観た。

2006-02-10 15:25:28 | 観劇日記
ラブハンドル-話題作です。久しぶりのパルコ劇場
渋谷は人が多く、駅からパルコまでがまず第一の難関。

それはともかく、暖かいハートフルコメディかと勝手に思って行ったのに、
その物語は思いがけない重い問題をはらんでいました。

パートナーを大切に想っているのはみんな同じなのに、
異なったものを求めてしまう主人公たち。
それは現代に生きる私たちにとって、とても身近な問題でした。

個人的には、
結婚なんてしなくても、一緒にいられればいいじゃないか、
という主人公の最初の言い分に、大いに共感していました。
その娘が、結婚に失敗した親を見て育ったため、結婚に夢を持てない、
という言い分にも心当たりがありました。

でも私の場合、それは言い訳です。
自分のやりたいことをやって生きている身としては、
結婚相手やいずれ生まれてくる子どもや家庭といった諸々に、
煩わされるのがイヤなんだと思います。

この問題には、今の自分では答えが出せそうにない。
たぶん、今自分がやっていることが軌道に乗って、
ちゃんと自分自身を確立できるまで。

物語の中では、主人公がちゃんと周りの大切な人を想って、
一歩踏み出すところへ終結したので
温かい気持ちで観終えることが出来ました。


役者さんたちも、登場人物たちも、魅力的でステキだった。
照明や音響も絶妙のタイミングで、
例えば冒頭の音楽に合わせて客電が消えていくのがとても絶妙で、
それだけで心がじーんとしてしまった(笑)

うーん、ステキなお芝居を観られて幸せです。