●暑気払い(しょきばらい)●“暑気寄せ”(しょきよせ)、“暑気乞い”(しょきごい)
俳句から洒落で暑気払いを見つけよう。
★暑気払 暑気下 http://www.haisi.com/saijiki/shokiharai.htm
暑気払 暑気下し 78句
手に拭ふ涙三日や暑気下し 中村草田男 玄
2014年8月2日 作成
「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。
「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。
★
★暑気払ひ の俳句 : 575筆まか勢
https://fudemaka57.exblog.jp/26112931/
暑気払ひ の例句(←ここをクリック)
http://fudemaka57.exblog.jp/23167232/
暑気払ひ 補遺
いささかの 暑気払ひ 梵鐘を撞く 鷹羽狩行
★
★暑気払い(しょきばらい)http://p.tl/9YZs
夏に薬や酒を飲んで体に溜まった熱気を取り除こうとすること。「暑さをうち払う」という意味である。
漢方などの考え方に基づき、「体を冷やす効果の有るもの」を摂るものであり、冷たいものとは限らない。
むしろ薬湯のようなものが飲まれていた。江戸期から明治にかけては、枇杷や桃の葉を煎じた「枇杷葉」というものが暑気払いとして江戸・大阪などで辻売りされていた。
また、上方で「柳蔭」、関東で「直し」と称する本直し(味醂に焼酎を加えたもの)も暑気払いと称して飲用されていた。
江戸の川柳に「枇杷と桃 葉ばかりながら 暑気払い」というものが残っている。
これは「葉ばかり」と「憚りながら」をかけて、「(本来は実を食べるはずの)ビワとモモの葉っぱばっかりですいませんがひとつ暑気払いでも…」という句だが、枇杷の葉に体を冷やす効果の有ることが知られていたことがわかる。
その後は、単に夏場の暑さやストレスを発散する名目としての宴会、飲み会を指すことも多くなった。
東北地域ではかき氷を食べたり、そうめんを食べたりすることも表す。
また、夏が暑くなると売上が増す業界(清涼飲料や冷菓など)において、暑気が失せると売上が下がるために、逆の表現である“暑気寄せ”(しょきよせ)、“暑気乞い”(しょきごい)と称されることもある。
★
★
★枇杷葉(びわよう):生薬、民間薬販売
http://www.kanpoyaku-nakaya.com/biwayou.html
第三類医薬品、江戸時代、天秤棒で荷を肩にした枇杷葉湯売りが、夏の町を流し歩いていたという。それは渇をいやすだけでなく、暑気あたり、下痢止めの薬でもあった。枇杷葉に肉桂や甘草など七味を加えて煎じたのが枇杷葉湯で江戸の夏の風物詩であったという。
★
★びわのマメ知識
https://wws.sanshi.jp/linkurl/cooking/biwa/mamechisiki_biwa.html
・マメ知識
原産地の中国で最も古くから栽培された果樹です。日本でも1000年前には利用されていました。晩秋から初冬に花が咲き、初夏に実がなります。
・栄養と働き
カロテンが豊富でその含有量は緑色ピーマンを上回りくだものの中では、ベスト3に入ります。粘膜や皮膚を強化し、かぜのセキやのどの痛みの緩和に効きます。そのほかビタミンB群・C・カリウム・リンゴ酸などを含み、すぐれた栄養食品です。このため夏風邪の症状緩和や疲労回復、食欲増進に役立ちます。
★
★枇杷の知識
枇杷の木があると「ろくでもない病人ばかりが集まってきて、縁起が悪い!」心の狭い人たちは考え,枇杷の木を植えることを嫌い,“縁起の悪い木” となったのである。
★
★本直し(柳陰(やなぎかげ))https://ja.wikipedia.org/wiki/柳陰
本直し(ほんなおし)は、みりんに焼酎を加えたもの。
直しとも。江戸時代の風俗をまとめた『守貞漫稿』によると、みりんと焼酎をほぼ半々に混ぜたものを上方では「柳蔭(やなぎかげ)」、江戸では「本直し」と呼び、冷用酒として飲まれていた。
「飲みにくい酒を手直しする」という意味で「直し」という呼称が発生した。
江戸時代には焼酎の亜種としてよく飲まれていたが、現在ではあまり一般的ではない。
かつては夏の暑気払いとして、井戸で冷やして楽しまれ、高級品として扱われていたことが、上方落語の「青菜」に窺える。
また屠蘇のベースとして用いられた。
法的には「飲用みりん」と言われる。かつては酒税法上、「本みりん」とは区別され、飲用みりんは本みりんより課税額が安かったが、のちに一本化された。
江戸時代から明治くらいまで、夏の酒として「柳陰」(本直し)と言うものがありました。
江戸時代、川端の柳の陰で「鯉のあらい」なんぞを肴に冷やした「柳陰」で暑気を払うのが江戸っ子の心意気だったようで、風流ですねー。
★
★柳陰(やなぎかげ)とは何? Weblio辞書
本直し 本直し(ほんなおし)は、みりんに焼酎を加えたもの。 直しとも。 江戸時代の風俗をまとめた『守貞漫稿』によると、みりんと焼酎をほぼ半々に混ぜたものを上方では「柳蔭(やなぎかげ)」、江戸では「本直し」と呼び、冷用酒として飲まれていた。
★
★【落語講座】柳蔭を作ってみた - YouTube
479 回視聴 2020/05/30 https://youtu.be/ESTYnC0vsBM
林家はな平の落語DEヨイショ!
古典落語「青菜」に出てくる柳蔭を再現してみました。
実際、この名前のお酒があり味も復刻しているそうですが、今回は自家製です。
昔のやり方そのまんま、焼酎とみりんを割って作りました。
今回使用したのは
米焼酎白岳の「しろ」
https://hakutake-shop.jp/?yclid=YSS.1000323923.EAIaIQobChMIirW9h6jU6QIVSKWWCh177gXDEAAYASAAEgJLlfD_BwE
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★柳陰(読み)やなぎかげ 精選版 日本国語大辞典の解説
〘名〙
① 柳の木陰。《季・春》
※忠盛集(12C)「風はやきたつたのはらのやなぎかげたちうきものと今ぞしりぬる」
② 味醂(みりん)と焼酎(しょうちゅう)とを混合し、味醂のもろみが完全に熟成する前に焼酎を加えて圧搾濾過して造った酒。夏季、冷やして飲む。なおし。〔随筆・守貞漫稿(1837‐53)〕
★
★「暑気払い」解釈の両面を知ることでアプローチの幅が広がる
https://bsk-consulting.biz/node/185
今では「暑気払い」といえば、夏の暑さやストレス発散の名目から宴会をしたり、滋養強壮の意味からバーベキューをしたりご馳走を食べたりすることを指すことが多くなった。
しかし、もともとの「暑気払い」の意味には体に溜まった熱気を薬や酒を飲んだり、体を冷やす効果のある食物を食べて「暑さをうち払う」という漢方的な意味があったようだ。
体を冷やす食べ物にも、現代と一昔前には捉え方に違いがある。
夏が暑くなればなるほど売上が増す業界では、
「暑気寄せ」や「暑気乞い」と暑さが失せて売上が下がらないよう
逆の表現を使い縁起を担ぎ夏商戦を戦っているようだ。
俳句から洒落で暑気払いを見つけよう。
★暑気払 暑気下 http://www.haisi.com/saijiki/shokiharai.htm
暑気払 暑気下し 78句
手に拭ふ涙三日や暑気下し 中村草田男 玄
2014年8月2日 作成
「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。
「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。
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★暑気払ひ の俳句 : 575筆まか勢
https://fudemaka57.exblog.jp/26112931/
暑気払ひ の例句(←ここをクリック)
http://fudemaka57.exblog.jp/23167232/
暑気払ひ 補遺
いささかの 暑気払ひ 梵鐘を撞く 鷹羽狩行
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★暑気払い(しょきばらい)http://p.tl/9YZs
夏に薬や酒を飲んで体に溜まった熱気を取り除こうとすること。「暑さをうち払う」という意味である。
漢方などの考え方に基づき、「体を冷やす効果の有るもの」を摂るものであり、冷たいものとは限らない。
むしろ薬湯のようなものが飲まれていた。江戸期から明治にかけては、枇杷や桃の葉を煎じた「枇杷葉」というものが暑気払いとして江戸・大阪などで辻売りされていた。
また、上方で「柳蔭」、関東で「直し」と称する本直し(味醂に焼酎を加えたもの)も暑気払いと称して飲用されていた。
江戸の川柳に「枇杷と桃 葉ばかりながら 暑気払い」というものが残っている。
これは「葉ばかり」と「憚りながら」をかけて、「(本来は実を食べるはずの)ビワとモモの葉っぱばっかりですいませんがひとつ暑気払いでも…」という句だが、枇杷の葉に体を冷やす効果の有ることが知られていたことがわかる。
その後は、単に夏場の暑さやストレスを発散する名目としての宴会、飲み会を指すことも多くなった。
東北地域ではかき氷を食べたり、そうめんを食べたりすることも表す。
また、夏が暑くなると売上が増す業界(清涼飲料や冷菓など)において、暑気が失せると売上が下がるために、逆の表現である“暑気寄せ”(しょきよせ)、“暑気乞い”(しょきごい)と称されることもある。
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★枇杷葉(びわよう):生薬、民間薬販売
http://www.kanpoyaku-nakaya.com/biwayou.html
第三類医薬品、江戸時代、天秤棒で荷を肩にした枇杷葉湯売りが、夏の町を流し歩いていたという。それは渇をいやすだけでなく、暑気あたり、下痢止めの薬でもあった。枇杷葉に肉桂や甘草など七味を加えて煎じたのが枇杷葉湯で江戸の夏の風物詩であったという。
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★びわのマメ知識
https://wws.sanshi.jp/linkurl/cooking/biwa/mamechisiki_biwa.html
・マメ知識
原産地の中国で最も古くから栽培された果樹です。日本でも1000年前には利用されていました。晩秋から初冬に花が咲き、初夏に実がなります。
・栄養と働き
カロテンが豊富でその含有量は緑色ピーマンを上回りくだものの中では、ベスト3に入ります。粘膜や皮膚を強化し、かぜのセキやのどの痛みの緩和に効きます。そのほかビタミンB群・C・カリウム・リンゴ酸などを含み、すぐれた栄養食品です。このため夏風邪の症状緩和や疲労回復、食欲増進に役立ちます。
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★枇杷の知識
枇杷の木があると「ろくでもない病人ばかりが集まってきて、縁起が悪い!」心の狭い人たちは考え,枇杷の木を植えることを嫌い,“縁起の悪い木” となったのである。
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★本直し(柳陰(やなぎかげ))https://ja.wikipedia.org/wiki/柳陰
本直し(ほんなおし)は、みりんに焼酎を加えたもの。
直しとも。江戸時代の風俗をまとめた『守貞漫稿』によると、みりんと焼酎をほぼ半々に混ぜたものを上方では「柳蔭(やなぎかげ)」、江戸では「本直し」と呼び、冷用酒として飲まれていた。
「飲みにくい酒を手直しする」という意味で「直し」という呼称が発生した。
江戸時代には焼酎の亜種としてよく飲まれていたが、現在ではあまり一般的ではない。
かつては夏の暑気払いとして、井戸で冷やして楽しまれ、高級品として扱われていたことが、上方落語の「青菜」に窺える。
また屠蘇のベースとして用いられた。
法的には「飲用みりん」と言われる。かつては酒税法上、「本みりん」とは区別され、飲用みりんは本みりんより課税額が安かったが、のちに一本化された。
江戸時代から明治くらいまで、夏の酒として「柳陰」(本直し)と言うものがありました。
江戸時代、川端の柳の陰で「鯉のあらい」なんぞを肴に冷やした「柳陰」で暑気を払うのが江戸っ子の心意気だったようで、風流ですねー。
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★柳陰(やなぎかげ)とは何? Weblio辞書
本直し 本直し(ほんなおし)は、みりんに焼酎を加えたもの。 直しとも。 江戸時代の風俗をまとめた『守貞漫稿』によると、みりんと焼酎をほぼ半々に混ぜたものを上方では「柳蔭(やなぎかげ)」、江戸では「本直し」と呼び、冷用酒として飲まれていた。
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★【落語講座】柳蔭を作ってみた - YouTube
479 回視聴 2020/05/30 https://youtu.be/ESTYnC0vsBM
林家はな平の落語DEヨイショ!
古典落語「青菜」に出てくる柳蔭を再現してみました。
実際、この名前のお酒があり味も復刻しているそうですが、今回は自家製です。
昔のやり方そのまんま、焼酎とみりんを割って作りました。
今回使用したのは
米焼酎白岳の「しろ」
https://hakutake-shop.jp/?yclid=YSS.1000323923.EAIaIQobChMIirW9h6jU6QIVSKWWCh177gXDEAAYASAAEgJLlfD_BwE
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★柳陰(読み)やなぎかげ 精選版 日本国語大辞典の解説
〘名〙
① 柳の木陰。《季・春》
※忠盛集(12C)「風はやきたつたのはらのやなぎかげたちうきものと今ぞしりぬる」
② 味醂(みりん)と焼酎(しょうちゅう)とを混合し、味醂のもろみが完全に熟成する前に焼酎を加えて圧搾濾過して造った酒。夏季、冷やして飲む。なおし。〔随筆・守貞漫稿(1837‐53)〕
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★「暑気払い」解釈の両面を知ることでアプローチの幅が広がる
https://bsk-consulting.biz/node/185
今では「暑気払い」といえば、夏の暑さやストレス発散の名目から宴会をしたり、滋養強壮の意味からバーベキューをしたりご馳走を食べたりすることを指すことが多くなった。
しかし、もともとの「暑気払い」の意味には体に溜まった熱気を薬や酒を飲んだり、体を冷やす効果のある食物を食べて「暑さをうち払う」という漢方的な意味があったようだ。
体を冷やす食べ物にも、現代と一昔前には捉え方に違いがある。
夏が暑くなればなるほど売上が増す業界では、
「暑気寄せ」や「暑気乞い」と暑さが失せて売上が下がらないよう
逆の表現を使い縁起を担ぎ夏商戦を戦っているようだ。
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