written by えー
レニングラード(マールイ)バレエを観てきました。仕事のためえっちは来られません。代わりに仕事場の人を誘いました。
ジゼル…オクサーナ・シェスタコワ
アルベルト…ファルフ・ルジマトフ
森番ハンス…ロマン・ペトゥホフ
ペザント・パ・ド・ドゥ…エレーナ・エフセーエワ&アントン・プローム
バチルド…オリガ・ポリョフコ
公爵…イーゴリ・フィリモーノフ
ジゼルの母…アンナ・ノヴォショーロワ
アルベルトの従者…アレクセイ・マラーホフ
ミルタ…イリーナ・コシェレワ
ドゥ・ウィリー…タチアナ・ミリツェワ&エレーナ・フィルソワ
ここに来てなぜかルジマトフが全幕の主役を務めるレニングラードバレエ。今年は「海賊」「白鳥の湖」「ジゼル」「バヤデルカ」と大活躍。個人的にはルジマトフのジークフリートってどうなのよ、とは思いますが、アリ、アルブレヒト、ソロルはルジマトフならではの味があって、興味をそそられる演目です。スケジュールの都合で今回はアリを見逃すことになったけれども、久々にアルブレヒトを観られる今日は期待大。で上野に向かいました。
ルジマトフは何をやってもそうなのだけれど、孤高でストイックな個性はいい意味でも悪い意味でもとにかく浮いてるんだよね。今日もご多聞に漏れず村人にも貴族にも融合しないアルブレヒト炸裂。貴族の身分であり、バチルド姫という婚約者がありながら、ジゼルを本気で愛した誰にも理解されないアルブレヒト像はさすが彼ならでは。
テクニカルなことを言えば御歳四十Xのルジマトフ、回転はともかくジャンプはさすがに痛々しい。けれども背中の柔軟さは健在で、膝と足首の柔らかさもあって、ジャンプの着地ではジャンプの低さを感じさせません。そしてその丁寧なサポートが素敵でした。
一方ジゼル役のシェスタコワは私の大好きなバレリーナのひとりです。1幕では控えめながら清楚で可憐な村娘を好演。
そして2幕。ウィリーとなって初めて出てくる場では背筋に震えを覚えるほど。人間であった1幕では聞こえていた足音も、2幕ではほとんど消されていました。ジャンプの高さ、バランスも秀逸。ところどころ冷やっとする場面もありましたが、プリマの貫禄というか、ほとんど気になりませんでした。
脇役ながら大変気に入ったのが、アルブレヒトの従者役のアレクセイ・マラーホフ。踊るパートがあるわけでもないのだけれど、その細やかな演技が、なんともイイ。「あぁどうしよう…アルベルト様の秘密がバレてしまう…。ヒラリオンさん、どうか気を静めて。アルベルト様お気を確かに。あぁどうしようこんなことになってしまって

」とまるでト書きがそのまま目に見えるよう。海賊ではパシャをやるという彼。デブで女好きのパシャと孤高のアルブレヒトの従者を、見事に演じ分けると見ました。マイ・フェイバリット・キャラクター・リストに加わりました。
ちなみにこれは…と思ったのは、ルジマトフのラスプーチンかと見まごう化粧と、帰国してしまったアニハーノフの代わりの指揮者(ホリコフ)がもたついていたところでしょうか。