written by えっち
まあプログラムはアレだったし、音響(録音)も全体的にイマイチだったのですが、内容はそれぞれ見所がありました。ざっと紹介しておきます。
「海賊」パロマ・ヘレーラ&ホセ・カレーニョ
しょっぱなから猿顔コンビの登場です。なんか後半に備えて手を抜いているのか…。ヘレーラってこういう姫っぽいキャラは似合わないと思いました。カレーニョの安定感は流石です。
「ロミオとジュリエットよりバルコニーのパ・ド・ドゥ」アレッサンドラ・フェリ&ロベルト・ボッレ
まあフェリの定番中の定番ですから、安心して見ることができました。ボッレは初見だったのですが、とにかくデケエ! そのくせ顔は小さいし脚は長いし踊りは柔らかいし、若手ながらなかなかいいダンサーだと思いました。手を伸ばすとバルコニーまで届いちゃいそうだったのはご愛嬌。
「マーラー交響曲第3番」シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ
ノイマイヤーの振付によるアブストラクトな作品でもちろん初見。曲は大好きなのですが、踊りはあまり心に残りませんでした。なんかオーラがない2人というか。
「白鳥の湖よりグラン・アダージオ」ジュリー・ケント&マルセロ・ゴメス
コールドがいるわけでもないし、なんか2人だと間が持たないというか…すいません、眠くなりました。
「ヘルマン・シュメルマン」アリシア・アマトリアン&ロバート・テューズリー
モダンですが、こういう耳障りな音楽はちょっと…。
「エクセルシオール」モニカ・ペレーゴ&ロベルト・ボッレ
ボッレ2度目の登場は、半裸でした。ギリシャかどこかの奴隷解放が題材だそうですが、ペレーゴのチュチュがなんか不恰好。ボッレは裸体もイケてますな。
「オセロ」アレッサンドラ・フェリ&マルセロ・ゴメス
日本初公開の作品だそうです。シェークスピアの脚本にモダンの曲と振付を合わせたものです。難解。フェリのよさが出てたかというと微妙でした。曲はよかったです。
「ジゼル」アレッサンドラ・フェリ&ロベルト・ボッレ
そう言えばフェリのジゼルは初見でした。ジゼルの場合、1幕と2幕の対比が見せ所のひとつであるだけに、2幕のパ・ド・ドゥだけ観てもどうなのか…。
「太陽が降り注ぐ雪のように」アリシア・アマトリアン&ロバート・テューズリー
モダンにしては面白かったと思います。2人ともよく伸びるTシャツを着ていて、振りの中でそれを効果的に使っています。アマトリアンって身体能力高いですね。胸はないけど。
「シンデレラ」ジュリー・ケント&マルセロ・ゴメス
曲はプロコフィエフですが、振付が新しい作品。色んな意味でこれも微妙。
「ハムレット」シルヴィア・アッツォーニ&アレクサンドル・リアブコ
ノイマイヤーが振付けた現代風アレンジのハムレット。おそらくオフィーリアとハムレットの別れの場面なのでしょうが、何が言いたいのかよくわかりませんでした。関係ないですが、今回はシェークスピアものが3つもあったのね…。
「フー・ケアーズ?」パロマ・ヘレーラ&ホセ・カレーニョ
明るい作品なのでラテン系のこの2人には合ってると思います。カレーニョが、「ウェストサイドストーリー」のジョージ・チャキリスを彷彿とさせました。
「マノンより沼地のパ・ド・ドゥ」アレッサンドラ・フェリ&ロベルト・ボッレ
フェリの沼地は
去年のバレエフェス以来。はっきり言って泣けました…。相変わらずフェリは本当に死にそう。ただパートナーがベテランのテューズリーじゃなかったせいか、時々フェリが素に戻るというか、身体を預けきれていないように感じられる部分がありました。
そう言えば、去年の「こうもり」やバレエフェスティバルに比べて、フェリははっきり細くなってました。今年に入ってからスカラ座やABTで引退公演をやってきているためかもしれませんが、ちゃんと絞れてました。Bプロも買っておいてよかった、と思いました。