誓球の空 to the victory

目指せ甲子園、願いは一つ全国制覇
頑張れ創価

2009年 東京新大学野球連盟 秋季リーグ最終節 第1戦

2009年10月17日 | 時々 光球の風 

[写真] 祝リーグ優勝、歓喜の胴上げは監督・コーチ・主将・エースへと続く。

2009年10月17日(土) 10:20‐12:47 曇り 微風 大田スタジアム

       1  2  3   4  5  6   7  8  9    計
流通経済大  0  0  0   0  0  0   0  0  0  =  0
創価大    1  0  0   0  0  0   1  0  X  =  2

[ 投 手 ] 大塚
[ 本塁打 ]
[ 三塁打 ] 脇山(1回)
[ 二塁打 ] 濱田(7回)

1番(右)田上④(創価/西東京)
2番(遊)脇山②(愛工大名電/愛知)
3番(中)花山④(愛工大名電/愛知)
4番(DH)清野④(習志野/千葉)
5番(左)濱田④(関西創価/大阪)
6番(一)倉本①(横浜/神奈川)
7番(捕)狭間③
(智弁学園/奈良)
8番(遊)住川④(履正社/大阪)
9番(二)坂野④(関西創価/大阪)
  (
投)大塚④(創価/西東京)

「苦しむ」という文字を書いて「たのしむ」と読む。
もしかしたら・・・ 「ピンチ」と「エンジョイ」は同義語なのかもしれない。
そんな錯覚にとらわれるようなゲームだった。

ピンチの連続だった。岸監督が2度もマウンドに足を運んだ。
ハラハラドキドキの場面を何度も何度もむかえながらも、
ホームベースだけは絶対に絶対に踏ませない。

被安打7、与四球6の自作自演といっちゃぁ身も蓋もないが
難攻不落の城と例えれば良いのか? それとも不沈艦と言った方が良いのか。
秋季リーグの優勝決定がかかる大事な試合に
23連勝と通算41勝のリーグ新記録更新で花を添えた。
それが創価大のエース大塚豊だ。

[写真] 初回、弾丸ライナーがライト頭上を襲う。脇山の三塁打から始まった。

試合開始の1時間も前から球場周辺のゴミ拾いをするジャージ軍団を見かけた。
プレーボールのかかる前から、創価の人間野球は既に場外戦を展開していた。
そして彼らは、試合終了後のスタンド清掃で更にひと汗を流す。

彼らを紹介する写真がないのが残念だが、
いつもありがとう。本当に御苦労さま。と申し上げたい。

ネット裏の真ん中辺りには、それらしき人たちが5~6人陣取っている。
プロ野球のスカウトの方々だ。
その中には、パリーグで活躍した投手らしき見覚えのある人もいた。

[写真] 難攻不落、1点もやらない気迫がピンピンに伝わる大塚投手

プレーボールは定刻10分前の10時20分、創価のマウンドにエース大塚が上る。
ウォーミングアップを見て、ちょっと不思議に思ったのだが
春に見た時と比べてボールが走ってない。
春は140キロ前後のストレートを投げていたが、
今日は球場のスピードガンが出なかったので正確には分からないが
MAXで135ぐらいじゃなかろうか?

先頭打者には、粘られるがチェンジアップ気味の抜いた変化球で
見逃し三振に切って取るが、2番には初球を叩かれ左中間を割られる二塁打
さらに3番にはストレートの四球
あれっあれれれっ、制球が・・・ おかしい。

一死12塁から4番5番をむかえる。初回からいきなり大ピンチとなった。
しかし、ここからが大塚の真骨頂
なんと言ったらいいのか? 一言で言えば「粘り強い。」
4番をショートフライに打ち取ると
5番にはレフトポール際とレフト線に強い当りのファールを当れ
一瞬ヒヤッとしたものの、最後は伝家の宝刀フォークでキッチリ空振り三振

苦戦はしたものの何とか無失点に凌ぐ。
だが、球のボールの走りと制球では、なんとなく不安が・・・ ある。

[写真] 二安打で大活躍の田上選手、脇山選手の犠打で二塁へ走る。

ピンチの後にチャンスあり。流通経済大先制のがチャンスを潰したその裏
創価大も似たような展開でチャンスを掴んだ。

1番田上がレフトフライに倒れた一死から、2番脇山が初球を叩くと
打球は低いライナーで、あっという間にライトの頭上を超えた。
特にライトが処理に手間取ったふうにも見えなかったが、
2塁ベース手前で、チラッと処理を確認すると、一気に加速し3塁を奪った。
速い。そして上手い。1塁2塁と全く無駄のないナイスランだ。

3番花山は、抜けた変化球が当る死球で歩き一死13塁とチャンスを広げる。
ここまでは先ほどの流経とほぼ同じ展開だが、違ったのは4番のバット
4番清野は、ゲッツーポジションでやや広くなった12塁間を破り先制

なおも一死12塁の場面だったが、
やや大ぶり気味の5番濱田のバットは空を切り三振
6番倉本はインコースに詰まりハーフライナー気味のピッチャーフライ
残念ながら追加点とはいかなかった。

[写真] 堅守でホットコーナーを守る住川主将

その後も創価打線は、攻めに攻め続けるが流経大のディフェンスも固い。
3回は、田上が三遊間真っ二つのヒットで出ると、脇山が歩いて無死12塁から
花山が手堅く送る。清野はやや敬遠気味で歩かされ一死満塁
一気に突き放す場面だったが、濱田は強く捉えたもののショート真正面で併殺

4回は、狭間のヒットを住川が送って二死2塁とするが、坂野はサードゴロ
5回は、先頭打者の田上がサードベース際を軽打で抜く芸術的なヒット
脇山が手堅く送り一死2塁とするが、花山は高めのつり球を振って三振で二死
しかし、先制点をたたき出した清野が三遊間真っ二つのヒットを放つ
だが流経のディフェンスも見事だ。
田上の足を警戒して、外野手が前め守備体系を取り3塁で止まらざる得ない。
追加点の期待は再び濱田に託されたが・・・
外のボール気味の球を打たされてライトフライ、ちょっと拙攻が続く。

さらに6回は二死からだったが、住川がサードゴロエラーで出ると
坂野との間でエンドラン、坂野は期待にこたえてセンター前に運び二死13塁
ここで今日2安打の田上だったが平凡なレフトフライ
1点が・・・ 遠い。

[写真] 終盤はピンチの連続、マウンドに集まり気持ちの強さを確認しあう。
    左から住川三塁手、狭間捕手、大塚投手、脇山遊撃手

一方の流経も再三チャンスを作るが攻めあぐねる。
その原因の一つは大塚の制球、本来抜群の制球力を誇る投手だが・・・
今日は与四球が6、けっこうハッキリとボールと分かる投球も目立つ。

3回は、1番から始まる好打順
先頭打者を歩かすと次の打者にヒットエンドランを決められ無死13塁
1点は覚悟する大ピンチだったが、ここからが大塚の粘りどころ
ショートへのインフィールドフライとキャッチャーへのファールフライの
フライ二つで二死とすると、最後はチェンジアップで見送り三振
1番2番を出すものの3番4番5番をねじ伏せる。ナイスピッチングだ。

5回は、先頭打者にセンター前ヒットを打たれるが
次の打者を強い当たりだったがショート真正面のゴロ
キッチリと併殺に取ると次の打者は強気の内角ストレートで見送りの三振

6回は、二死から四球とセンター前ヒットでピンチを背負うものの
次の打者を伝家の宝刀フォークボールで空振り三振に取る。

7回は、先頭打者にライト前ヒットを許すと、犠打と四球で一死12塁
しかしここもセカンドへゴロを打たせて併殺

強い。このチームのディフェンスは相当に強い。
ヒットも打たれているし、四球も多いが・・・ 最後の一つは許さない。
堅実というよりは・・・ 堅固 そんな言葉が適切なディフェンスだ。

[写真] ジャージを纏った日本一の応援団、学生歌が曇り空に轟く。

そして向かえた7回裏、応援団の学生歌が終わるとほぼ同時だった。
脇山のバットから発せられた快音は、センター前へのクリーンヒット
花山が手堅く送って一死2塁、清野のバットに期待が集まったが・・・
ちょっと打ち急いだか? ボール気味の高めの球を打ち上げショートフライ
そして濱田、一人ブレーキ役を引き受けてるが・・・ ここは譲れない。
やや高めのボールを強引に被せて引っ張ると、打球は左中間を抜ける。
欲しかった。欲しかった追加点がやっと入った。

ただ、気になるのは・・・ 試合が動き出したと言うこと。
相手の攻撃もあと2回ある。
この回一気に攻め切るのか? 大塚が守り切るのか? いったいどっちだ?
その答えは、後者だった。

そして8回9回、ライバルには負けたくない流経大の意地の猛攻と
勝って優勝を決めたい創価大の堅固なディフェンスがぶつかり合う。

8回表の流経大は3番から、ライトフライで一死を取るが
4番をツーストライクから4連続ボールで歩かす。
5番は軽打で三遊間を割ると、6番も同じスイングで同じ所へ運び一死満塁
やはり・・・ 試合が動き出した。

8回表、2点差、一死満塁、本日のピンチといって良いだろう。
迎えるのは7番だが、タイミング的には合ってる打者だ。
7回に続いて、再びベンチから岸監督が出てくる。
内野陣を含めて、マウンドで短い守備体系の確認をして試合が再開した。

7番打者の打球はふらふらとライトライン際に飛ぶ。
フェアか、ファールか? いずれにしてもタッチアップが出来る位置だった。
ところがこの打球に対し、ライト田上は回り込んでボールを取ると
中継に入った倉本に矢のようなもの凄い返球
これを見て、タッチアップし掛けた3塁走者の足が止まった。

ライン際だったが、ライトファールフライだった。
普通なら右利きの外野手のランニングキャッチは体勢の立て直しが必要だが
田上は回り込んで捕球しており、取った時点で返球の体勢が出来ていた。
これはビッグプレーだ。肩もさることながら足でも見せる。
派手さのないプレーだが・・・ ナイスプレーだ。
スーパープレーと言っても過言ではない。

さらに二死満塁だったが、8番は外の変化球に当てただけのハーフスイング
ライト田上の真正面へハーフライナー気味の打球
これをキッチリと捕球して、最大のピンチをなんとか凌ぎきった。

最終回となった9回の表は、まず先頭打者をフォークで空振り三振にとったが
続く1番が放った打球は凄かった。
スタンドは「あっ!」という短い言葉と同時に声を失う。
快音とともに糸を引くような弾丸ライナーがバックスクリーンへ向け一直線

俊足のセンター花山は、途中で打球を見る余裕もなく背走
たぶんフェンスの2~3歩手前だっただろう。
顔だけ振り向き打球を確認すると、右肩のやや上に左手のグラブを出す。

そして・・・ 捕球と同時にフェンスに激突
激突と同時に回転したがボールをキッチリ取っている。
見事だ。ナイスだ。一瞬の間をおいて歓声が上がる。
そして・・・ 何事もなかったように花山が内野へボールを返す。
スーパープレーが出た。
8回の田上に続き外野手に二つのスーパープレーがでた。

9回表、二死走者なし、あと一人、最後の打者は初球を上手くミートしたが
センター花山が右中間に走ってランニングキャッチ
2対0、完封で優勝を決めた瞬間、1塁側スタンドから紙テープが投げ込まれる。
学校のカラーを反映してか? 三色のテープがグラウンドに花を添える。

試合終了の礼が終わり、ベンチ前でスタンドに向け笑顔で応える。
そして胴上げが始まった。
監督・コーチ・主将・エースと続いて、
白いワイシャツに身を包んだマネージャーを胴上げする。

チャンスに1本が出ないと嘆くことも簡単だが、こんな試合も味がある。
巧みな配球で応戦した狭間の頭脳、強肩で守備範囲が広い外野陣
着実に併殺網で絡め取る内野陣、そして期待に応えてくれる投手陣
さらには惜しみない声援と叱咤激励の声を飛ばす控えのメンバーと応援団
リーグ優勝は全員野球の勝利、本当におめでとう。

次は26日から始まる明治神宮大会の予選となる関東地区学生野球選手権大会
二つ勝たなきゃ神宮への切符は取れない。
厳しい戦いとなるのは必至だが、君らなら大丈夫だ。

頑張れ、創価! 目指せ、日本一!


1 表/流経 三振、左中二、四球、遊飛、三振
 裏/創価 左飛、右三、死球、右安1点、三振、投飛
2 表/流経 四球、二ゴ、二飛、遊ゴ
 裏/創価 一ゴ、三振、三振
3 表/流経 四球、右安、遊飛、捕邪飛、三振
 裏/創価 左安、四球、犠打、四球、遊ゴ併殺(6-4-3)
4 表/流経 二飛、一ゴ、三振
 裏/創価 遊ゴ、中安、犠打、三ゴ
5 表/流経 中安、遊ゴ併殺(6-4-3)、三振
 裏/創価 左安、犠打、三振、左安、右飛
6 表/流経 一ゴ、遊ゴ、四球、中安、三振
 裏/創価 遊ゴ、二ゴ、三ゴ失、中安、左飛
7 表/流経 右安、犠打、四球、二ゴ併殺(4-6-3)
 裏/創価 中安、犠打、遊飛、左中二1点、一ゴ
8 表/流経 右飛、四球、左安、左安、右邪飛、右飛
 裏/創価 遊飛、右飛、投安、盗塁、四球、中直
9 表/流経 三振、中飛、中直、試合終了 

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