[写真] ベンチからの指示を受ける3番田中、二塁打2本と活躍したが得点に繋がらず残念
2011年10月08日(土) 13:11‐15:06 晴れ 微風 府中市民球場
1 2 3 4 5 6 7 8 9 計
創価 0 0 0 0 0 1 0 1 0 = 2
都立足立西 4 2 0 0 0 0 0 0 X = 6
[ 投 手 ] 内野(1/3).野田(1.2/3).池田(6)
[ 本塁打 ]
[ 三塁打 ]
[ 二塁打 ] 田中2(3回/左.9回/左中間)
1番 (二) 河村 2年
2番 (左) 原 2年
3番 (中) 田中 2年
4番 (一) 海老原 1年
5番 (右) 野田 2年 → (1裏/投) → (3裏/右)
6番 (捕) 南 1年
7番 (遊) 鈴木 2年
8番 (投) 内野 1年 → (1裏/右) 笠貫 2年 → (3裏/投) 池田 2年
9番 (三) 酒井 2年
もしも・・・ そんな言葉が使えるのなら、複雑な気持ちはいとも簡単に晴れるのだけど
エースが先発マウンドに立っていたら・・・
ひょっとしたら、ノーヒットノーランも狙えてたのではなかろうか?
それぐらい今日の池田は、気持ちが入った力強いピッチングをしていた。
野田から引き継いだマウンドは3回裏から8回裏までの6イニング
塁に出した走者は・・・ 3回裏、2番目の打者に与えた死球だけ
その後の17人を完璧に抑え込んだ。ファールを含めても芯で捉えられた打球はなかった。
後は打線の奮起に期待するだけ、本当にそれだけだったんだが
残念ながら・・・ 都立足立西の力強いディフェンスを破ることは出来なかった。
[写真左] 四股を踏みながら初回のバッターボックスに入るトップバッター河村
[写真右] ファーストを守る大型選手の海老原、ファーストミットが小さく見える。
第一試合が長引いて、創価の試合が始まったのは定刻を40分ばかり過ぎていた。
スターティングメンバーが発表された。創価の先発投手は期待の1年生右腕の内野
公式戦の本戦1回戦に先発を任されるのだから、逸材であることは間違いない。
2週間前のブロック予選の時、ブルペンで投げてるのを見た時は良いボールを投げていた。
ストレートもそこそこ出てるし、変化球のキレも良いし、体格的にも良い体をしていた。
たぶん、どこかのタイミングで彼の出番はあるのだろう。
そう思ってはいたが、まさか今日とは思わなかった。
1回表、チャンスを逸した後のマウンドに内野が上がる。
ボール先攻となったものの、しぶとく粘ってツースリー、ボールは走ってた。
ところが、7球目か8球目の際どいボールが外れて歩かせてしまうと、2番には簡単に犠打を許す。
一死2塁、3番打者にはツーボールからの3球目を痛烈に弾き返された。
2塁走者を本塁で刺すため、外野の守備は若干前の出ていたが、
定位置でもおそらく取れてないだろう。文句なしの当りが深々と左中間を割った。
さらに4番打者には初球を痛烈に叩かれてライト線を破られる。
連続二塁打で2失点、ここでベンチは早々と内野をあきらめライト野田をマウンドに送った。
内野は10球そこそこしか投げてない。
ほろ苦デビューとなったが、個人的な思いはちょっと別のところにある。
確かに変化球の制球が甘かったこともあるが、もう少し緩急をつけた配球であればとも思う。
ちょっとストレートに拘り過ぎた配球ではなかっただろうか。
その配球の懸念は、リリーフした野田にも見られた。
ライト線のツーベースを走りながら処理した直後に、ライトから走って来てのリリーフ
呼吸が整っているのか? 心配しながら見ていたら
ストレートは別にして、変化球が上に下に大きく外れている。
これを見る限り、キャッチャー南はストレート中心の配球はいたしかたないのだろうが
それは相手も同じことを考えてたに違いなく、
変化球を捨て、ストレート狙いのフルスイングでくるだろう。
本来の野田投手は、大きな変化球を中心にした緩急自在のピッチングが身上の投手だが
ゆっくりと落ち着いたいつも大きなフォームではなく、
なんでそんなに投げ急いでいるのか?と思えるような感じで
足が地についてないようなウォーミングアップを続けていた。
そして迎える5番打者に変化球がワンバウンドして暴投になり3塁進塁を許すと
ストレートを狙いすましたように打たれて、レフトオーバーの痛烈な2塁打
さらに6番にも痛烈に三遊間を割られて一死13塁
7番は三振に取るが、8番の時にまた変化球がワンバウンドして暴投
3塁走者が戻った後、1塁走者までもが本塁を狙うが、これは辛うじてアウト
なんとか1回の裏は4点で止ったが、
3連続二塁打を含む痛烈な当りの4連打に、度肝を抜かれたというのが偽らざる心境である。
[写真左] ほろ苦デビューとなった先発した1年生右腕の内野、次は頑張れ。
[写真右] 急遽リリーフした左腕野田、悪戦苦闘だったが落差の大きい変化球は天下一品だ。
さらに2回裏も相手打線は押せ押せで攻めてきた。
先頭打者はライトフライに打ち取るが、
次の打者には三遊間にプッシュ気味のセーフティを決められる。
打順は一巡してトップに回ったが、ここは手堅く犠打で二死2塁
2番打者には、しぶとく12塁間を割られた13塁から走られて二死23塁
続く打者は初回先制打を打たれた3番、今度は痛烈に引っ張ってライト線を割る三塁打
この打球はライン際に落ちたが、私の位置からはファールに見えたのだが・・・
1塁の塁審はワン呼吸置いてフェアのジャッジ
海老原もベンチも何も言わないところを見ると、たぶん海老原のミットをかすめたのだろう。
ライトの笠貫がクッションボールを少し誤ったが、
三塁打が二塁打にはなっても、2失点は全く持って疑う余地もなく
いとも簡単にというか、あっさりというか、大きな大きな2点が追加されてしまった。
高校野球というものに、もし偏差値があるとするなら・・・
野田君という選手は、相当に高い偏差値の選手だと私は思っている。
体格こそ166センチと小柄だが、
抜群のパワーとセンスで、投げて良し打って良しの選手である。
その野田をして動揺があったとすれば、この経験は次に必ず活かさなくてはと思う。
それぐらいの逸材だと期待している。
[写真左] ベンチの指示を受ける6番南、この直後にライト前タイムリーを放つ
[写真右] 抜群の球威と制球で完璧リリーフのエース池田、もう少し君の雄姿が見たかった。
そして、3回裏から6点のビハインドを追いかけエース池田がマウンドに上がる。
するとどうしたことだろう。
あれほど痛烈な当りを飛ばしてた都立足立西のバットは面白いように空を切る。
全く持って芯に当らない。
これを見れば・・・ 結果論だが、なぜ最初からエースを投げさせなかったのか。
そんなコメントが、あちらこちらから上がって来る。
高校野球の監督というのは、本当に因果な商売である。
勝てば勝ったで、必要以上に持ち上げられ
負ければ負けたで、責任の全てを引き受けねばならない。
さらに、負け方が悪ければ・・・ 気の毒だが、ボロクソ状態で言われ放題になってしまう。
手を抜くなんて、相手をなめるなんて、絶対に絶対にあり得ない。
私はそう思っている。
結果が分かってたら、監督なんて誰でも良いのだ。
そして・・・ この試合で内野が快投を見せたらナイス起用となるのだ。
一番身近で選手を見て来た人が、東京の頂点を目指して最善の作戦を立てる。
それが、結果として上手くいかなかっただけのことである。
エース温存か? と言われれば、結果からみれば確かにエース温存である。
先発させなかったことを温存というのだから、それは間違いない。
だが、もう一方の方向から見れば
創価打線に残り6イニングで6点を追っかけるパワーが足りなかっただけのことである。
三者凡退は1イニングもなかった。
確かに相手の超ファインプレーもあった。
でも、1回は二死2塁、2回は一死1塁、3回は二死23塁、4回は二死1塁、5回も二死1塁
何れも二死だが、序盤から中盤にかけて得点圏に二度走者を置いている。
この何れかのイニングで、1点でも2点でも帰していれば、
6点を追っかける6回表、無死で田中が歩いた後に4番海老原に犠打はなかったと思う。
なぜ4番にバンドを・・・? と思うかもしれないが
まず1点取って流れを引き寄せ、それから笠にかかって攻める。これが近藤野球だと思う。
結果的には海老原が犠打を失敗した後、野田が死球で一死12塁から南にタイムリーがでるが
続くチャンスに7番鈴木はインフィールドフライで二死、
8番池田は1球も振らずに見逃し三振である。
何とかしなきゃのプレッシャーが、金縛りにあったようにスイングを止めてしまった。
7回は9番酒井が四球を選ぶと、1番河村は絶妙の犠打をセカンド前に転がし内野安打
ところが直後に酒井が2塁ベースをオーバーランしてタッチアウト
なかなか流れを引き寄せられない中、
続く2番原はライトフライ、3番田中はキャッチャーへのファールフライを打ち上げる。
ここでも何とかしなきゃのプレッシャーがスイングを鈍らせた。
前半に1点でも2点でも追いつけなかったツケが、ここにきて出て来てるのだと思う。
ビッグイニングを作らなきゃというプレッシャーが
知らず知らずに力みへと繋がっていたのだろう。
やっと8回流れを引き寄せかけたが、今度は相手のファインプレーで断ち切られる。
一死12塁から7番鈴木の打球は痛烈にピッチャーの足元を抜いた。
誰もがセンター前ヒットだと思ったに違いない。ところが・・・
2塁ベースの後ろでダイビングキャッチを試みたセカンドのグラブの先に引っかかる。
起き上がることも出来ないまま、ふわりとベースカバーのショートに送られてホースアウト
二死13塁、ここでボークがでて1点返すと
3塁へ盗塁の後、池田が四球を選び二死13塁と執拗に食い下がる。
9番酒井はツーストライクと追い込まれたが、気持ちの籠ったスイングで痛烈に捉えた。
3塁側スタンドは大歓声が上がったが、それは一瞬のうちに溜息へと変わった。
贔屓目だが、私の気持ちは・・・ 右中間真っ二つだった。
ところがタイミング良くジャンプしたセカンドのグラブの先っぽに当って
フラッとセカンドの後方にあがった。
ボールから目を離してなかった相手セカンドの集中力が素晴らしかった。
これを後ろ向きになって抱きかかえるようにキャッチ、スーパープレーが出てしまった。
これでは流れは来ない。
9回表、1番河村のレフト前の当りも相手レフトが地面すれすれでのダイビングキャッチ
3番田中は意地の長打を左中間に放つが、4番海老原が倒れて試合終了
今日の創価は・・・ 勝利の女神にとことん嫌われてたようだ。
試合後の球場の外だった。
唇を噛みしめた近藤監督を見かけた。
涙を必死で堪えるキャプテン田中を見かけた。
応援団やファン以上に監督や選手の方が辛いのに、ぐっと堪えて我慢している。
期待が大きいのは創価の宿命だから、いろんな意見もあるだろうが
そこはそこで、応援団もファンもぐっと堪えたい。
ふと気がつけば、北府中駅に向かう府中街道沿いのハナミズキは
たくさんの赤い実を付け、紅葉が始まっていた。
この紅葉が葉を落とし、次に薄いピンクの花を付ける頃には
ひと回り大きくなった強い創価であることに期待したい。
冬は必ず春となる。
頑張れ、創価
1 表/創価 投ゴ、一安、右飛、盗塁、三振
裏/足西 四球、犠打、左二1点、右二1点、暴投、左二1点、左安、三振、暴投1点(1塁走者3塁死)
2 表/創価 三振、遊安、右飛、二ゴ
裏/足西 右飛、遊安、犠打、右安、盗塁、右三2点、三振
3 表/創価 投ゴ、三振、一ゴ失、左二、遊ゴ
裏/足西 遊ゴ、死球、捕邪飛、三振
4 表/創価 中飛、二飛、中安、右飛
裏/足西 三振、一ゴ、三振
5 表/創価 捕邪飛、遊飛、四球、盗塁死
裏/足西 三振、三振、左邪飛
6 表/創価 四球、犠打失(捕邪飛)、死球、右安1点、二飛、三振
裏/足西 二飛、三振、遊ゴ
7 表/創価 四球、二安(1塁走者2塁オーバーラン死)、右飛、捕邪飛
裏/足西 二ゴ、遊ゴ、遊ゴ
8 表/創価 左安、一ゴ、死球、二ゴ、ポーク1点、盗塁、四球、二直
裏/足西 三邪飛、三ゴ、中飛
9 表/創価 左直、中飛、左中二、二ゴ、試合終了