誓球の空 to the victory

目指せ甲子園、願いは一つ全国制覇
頑張れ創価

第7回 関東地区大学野球選手権大会 決勝

2011年11月03日 | 時々 光球の風 

[写真] 延長10回の表、レフトへ決勝の犠牲フライを打った高橋選手

2011年11月03日(祝/木) 12:26‐15:22 曇り 横浜スタジアム

                1  2  3   4  5  6   7  8  9  10     計
創価大  (東京新大学野球連盟) 0  1  0   0  0  0   0  0  0   1  =   2
桐蔭横浜大(神奈川大学野球連盟) 0  0  0   0  1  0   0  0  0   0  =   1

[ 投 手 ] 関根(5).小川(5)
[ 本塁打 ]
[ 三塁打 ]
[ 二塁打 ]

1番(二)脇山 4年 (愛工大名電/愛知)
2番
(左)高橋 1年 (国士舘/東東京)    →  (1裏/中)
3番(一)辻  2年 (京都外大西/京都)
4番(DH)大古 3年 (前橋商/群馬)
5番(遊)倉本 3年 (横浜/神奈川)
6番(右)荒屋 2年 (北陸大谷/石川)
7番
(三)永井 3年 (創価/西東京)
8番(捕)寺嶋 1年 (興誠/静岡)
9番(中)大島 2年 (創価/西東京)      →  (1裏/左)
  (
投)関根 3年 (創価/西東京)      →  (6裏/投)小川 3年
(成章/愛知)


横浜には・・・ 三塔物語という伝説がある。

横浜港に面した洋館の屋根部分を、遥々海外からやって来た水夫がトランプになぞらえ
キング(県庁本庁舎)、クイーン(横浜税関)、ジャック(横浜開港記念館)と命名した。

その三つの塔の全てを、陸から纏めて眺めることが出来るスポットが三つあるらしい。
1つ目は県庁の分庁舎前、2つ目は大桟橋国際ターミナルの2階、3つ目は赤レンガ1号館付近
この3か所を回って三つの塔を見れば願いがかなう。これが横浜三塔物語らしい。

 
[写真左] 大桟橋の国際線ターミナル2階から撮ったハマの風景、三塔がパッチリ見える。
[写真右] 山下公園前の銀杏並木から垣間見えるカナブン(昆虫ではなく神奈川文化会館である。)

もちろん願いは、ただ一つ・・・ 優勝あるのみ
関東大学野球選手権大会の決勝、既に明治神宮大会への出場権は確保しているが
願わくは関東の第1代表で出場してほしい。
そう願って8時過ぎに家を出ると、10時前にはJR関内駅に着いていた。

昨夜は、お付き合いで深酒したにも拘わらず、今朝もいつも通り5時ごろには起きていた。
「ホントに好きなんだから・・・」そう言って送り出してくれる女房に感謝しつつ、
その言葉を背中で聞き流し、足は駅に向かって急ぎ足、本当に好き者だと思う。

  
[写真] 左からキング(県庁本庁舎)、クイーン(横浜税関)、ジャック(横浜開港記念館)


創価の優勝を願うのは・・・ ある意味当り前と言えば当たり前なんだが
どうしても横浜まで来たかった理由が別にあった。
それは、今日おそらく先発するであろうと思われる関根投手

忘れもしない3年前の夏(2008年7月17日)、府中市民球場で行われた対八王子高校戦
先発した高橋投手の後を受けて2回からロングリリーフした関根投手が迎えた最終回
5対3と2点リードしていたが不運な打球が続き3点を失い、
よもやの逆転サヨナラを喫したあの試合である。

崩れ落ちる関根投手を、抱きかかえるようにマウンドに向かったのは
なんと八王子高校の選手たちだった。
あの日以来、私の頭の中にある関根投手の残像は悲運のヒーローのままになっている。

だから・・・ どうしても今日は、正真正銘のヒーローになってほしいのである。
高校時代に、一度もエースナンバーを背負ったことのない関根投手だが
大学に入って、ひと回りも、ふた回りも大きく成長した彼の快投が見てみたい。
その思いで、横浜までやってきた。


 
[写真左] 先発して5回を1失点に抑えた関根投手 [写真右] エース小川は今日も危なげなし

試合は定刻の4分前、12時26分にプレーボールのコールがかかった。
1回表の先攻の創価の攻撃は三者凡退

ついに期待の関根がマウンドに上る。
トップバッターを自慢のストレートで三振に切って取ると
2番打者には粘られたが、丁寧に攻めてショートゴロ
そして、3番打者にセンター前に運ばれた後、二死2塁で4番を迎えるが、レフトフライで凌ぐ。

盗塁は緩い変化球のタイミングで走られており、間に合わないはずがクロスプレーだから
1年生キャッチャーの寺嶋、なかなか良い肩をしている。

スコアボードに表示される関根のスピードはMAX138キロ、
けっして速くはないが、落差の大きな変化球との緩急が絶妙で、
上手くミートされる場面はあるものの、思いきったスイングをさせない。
関根も丁寧に投げてるが、配球の妙が素晴らしい。
強気だが、けっして単調にならない配球、肩も強いし素晴らしいキャッチャーだ。

創価のチャンスは2回に訪れる。
4番大古が渋い当りをレフト前に落とすと、5番倉本が手堅く送り一死2塁
6番荒屋は12塁間へ強い当りを打つが、相手セカンドが上手く捌く。
二死3塁で迎えたのは7番永井、春まで4番を打っていた彼が今シーズンはスランプらしい。

試合前のベンチ横でのサイドノックやキャッチボールで永井を見たが
心持ち細くなったような・・・ 打ててないことでそう見えるのか、いやいやそうじゃないと思う。
責任感の強い選手だけに・・・ 練習のし過ぎではなかろうか?
何も知らず推測だけで恐縮だが、ふとそんなことを思った。

もともと永井は、早打ちではないが、好球必打で積極的にバットを振って行く選手だった。
その永井が、あっという間に追い込まれてしまった。
しかも、変化球には腰が引けてタイミングが合ってない。

頑張れ、永井 祈るような気持ちで見つめていると、粘りに粘ってついに捉えた。
強い打球は三遊間、ところが相手サードが横っ跳びでグラブの先に引っ掛けた。
そして、歓声が溜息に代わりかけた瞬間、
打球の強さに押されて崩された態勢を素早く立て直したものの、
ファーストへの送球がワンバウンドとなり、これをファーストが落球しラッキーな先制点が入った。

打球の強さはヒット性、相手のグラブに入ってたので記録はエラーとなったが
これが切欠となって、永井がスランプから脱出できればと切に願う。

その裏、関根は一死からライト前ヒットを許すが強肩の寺嶋が盗塁を阻止して凌ぐ。
さらに3回裏は、無死からセンター前ヒットを打たれるが、
続く打者の痛烈なピッチャーライナーをドンピシャのタイミングでキャッチして併殺
4回裏にもライト前ヒットを1本許すが、三振二つを奪い主導権を相手に譲らない。

 
[写真左] 2回表、7番永井選手のこの一打がサードを強襲し先制点となる。
[写真右] ワンバウンド送球も難なく捌く堅守のファースト辻選手

一方で創価打線も攻めあぐねた。3回は2四球で二死12塁と攻めるが後1本が出ない。
そして向かえた5回裏、関根に最大のピンチが訪れる。

先頭打者の当りは、打ち取った打球だったが緩いバウンドで関根の右を抜ける。
セカンド脇山が取った時には、打者走者は1塁ベースを駆け抜けていた。

この走者を犠打で送られると、次の打者を歩かせてしまい一死12塁で打順はトップに戻る。
外のストレートに合わせた打球は、ライト前へのクリーンヒットとなり一死満塁
猛然と突っ込んで来たライト荒屋の好返球もあり、2塁走者は戻れない。

ここで岸監督がマウンドに行きアドバイスを送るが、2番打者にも上手くミートされた。
打球は低いライナーで右中間寄りに飛ぶが、これも荒屋が上手いポジショニングでランニングキャッチ
さすがに犠牲フライの阻止は出来ず、ついに同点とされたが
続く3番は当り損ねのセカンドゴロに打ち取る。

 
[写真左] 豪快なスイングの長距離砲4番大古選手  [写真右] 5番倉本選手が犠打を決める。

試合はテンポよく進み、半分(5回)終わって1対1の同点
ここまではヒット数やチャンスの多さで、桐蔭横浜大が幾分押しているように見えるが
両チームともに譲らない意地のディフェンス合戦を繰り広げる。

そして6回裏、満を持して創価は3連投となるエース小川をマウンドに送る。
一方の桐蔭横浜も7回からエース東明がマウンドに上がった。
いわゆる・・・ 1点勝負、次の1点をどちらが先に取るのか、その勝負になって来た。

9回まで関根の投球を見ることは叶わなくなったが・・・ もう十分である。
ナイスピッチングだった。アッパレだった。と拍手を送りたい。

エース対決となってからは、押され気味だった創価が攻め出す。
6回、7回、8回、9回と毎回ヒットで走者だし犠打で送るも後1本が続かない。
一方でエース小川は、変わりばなの6回に一死から1本ヒットを許すが
以後は9回まで一人の走者も出さず。4イニングで6奪三振を奪う快投をみせる。

両投手のがっぷり四つで、試合は延長戦に突入した。
10回表の創価は8番寺嶋、セカンドの頭の上に飛んだ打球がライト前にはずんで無死1塁
9番大島が手堅く送って一死2塁から、1番脇山は初球を痛烈に叩いてライト前
これがこの試合で、両チームを通じて初めての1イニング2安打だから見事な投手戦である。

さらに脇山は、タイミングを見計らって走り一死23塁とチャンスを広げるだけじゃなく
ゲッツーの可能性も消し、2番高橋をバッターボックスで楽にさせる。

高橋は、早々と追い込まれたが粘りに粘る。
外野フライを打たせたくない。かと言って変化球の暴投も怖い。
相手エースは、真っ向から力勝負で攻めてきた。

高橋も強いボールに食らいつく。当てただけじゃなく振っている。
若干力負けは否めないが、3塁線に強い打球のファールが数本続いたところで
相手ベンチが動き、レフトの守備を代えてきた。

もちろん強肩の選手への交代だと思うが・・・ この交代が高橋に一瞬の間を持たせた。
守備交代の直後、高橋の打球はライナーでレフトを襲う。
左中間寄りに5~6歩走って捕球されたものの、
右投げの野手を左中間方向に5~6歩背走させただけで、犠打には十分過ぎるアドバンテージ
全力疾走でホームベースを駆け抜けた寺嶋に向けて、レフトからの返球は
中継に戻っただけとなり貴重な1点となった。

 
[写真左/右] 堅守の要、キャッチャー寺嶋選手、打っても決勝のホームを踏む大活躍 

このままか・・・ そう思ったが、楽には勝たせてくれない。
10回裏、先頭打者を二遊間寄りのゴロに打ち取るが、ショート倉本がファンブルして無死1塁
しかし、これからが小川の見せどころだった。
続く打者の犠打に猛然と突っ込み2塁ホースアウト、倉本の送球も素早く1塁も際どかった。
さらに続く打者には上手く合されたが、レフト大島の真正面へのライナーでツーアウト

そして最後は、相手の仕掛けてきたギャンブル(盗塁)にキャッチャー寺嶋がナイス送球
送球を受けたショート倉本が、ベース上で差し出すグラブ目がけて1塁走者が走って来る。
タイミングは完全にというか、余裕を持ってアウトだった。
塁審も直ぐにアウトのコールをしたが、蹴飛ばされたグラブからボールがこぼれてしまった。
走者がアピールするものの、タイミングを重要視した塁審のジャッジは変わらず試合終了

約3時間に渡る投手戦がやっと終わった。
大会の最優秀選手は、23イニングを零封した創価のエース小川
最優秀投手は、今日は小川と投げ合い惜敗したものの、
昨日は日本ハムにドラフト1位に指名された菅野に投げ勝った横浜桐蔭のエース東明
打ち合いや点の取り合いも面白いが、手に汗握る投手戦も格別の感がある。

ナイスゲームをありがとう。
全国制覇を目指して・・・ 頑張れ、創価


1 表/創価 三振、遊ゴ、左飛
  裏/桐蔭 三振、遊ゴ、中安、盗塁、左直
2 表/創価 左安、犠打、二ゴ、三ゴ失1点、盗塁死
 裏/桐蔭 三振、右安、盗塁死、四球、三ゴ
3 表/創価 中飛、左飛、二ゴ
 裏/桐蔭 中安、投直併殺、二直
4 表/創価 二ゴ、四球、中飛、盗塁、四球、右直
 裏/桐蔭 三振、右安、三振、三ゴ
5 表/創価 遊飛、三振、一ゴ
 裏/桐蔭 二安、犠打、四球、右安、右直1点、二ゴ
6 表/創価 捕ゴ、遊安、遊飛、中飛
 裏/桐蔭 左飛、中安、右飛、三振
7 表/創価 左飛、二安、犠打、投ゴ
 裏/桐蔭 投ゴ、左飛、三振
8 表/創価 遊安、二ゴ、犠打、遊直
 裏/桐蔭 三振、三振、左飛
9 表/創価 中安、犠打失(捕ゴ)、犠打、三振
 裏/桐蔭 遊ゴ、三振、三振
10表/創価 右安、犠打、右安、盗塁、左犠飛1点、左飛
 裏/桐蔭 遊ゴ失、犠打失(投ゴ)、左直、盗塁死で試合終了

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2 コメント

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Unknown (鷹の台)
2011-11-05 15:13:29
いつもありがとうございます。
楽しみにしております。
今回から外野陣が中島(関西創価)→大島(創価)に交代のようですね。
2人とも高校時代から注目の好選手。今後の活躍に期待したいと思います。
ただ関西創価出身スタメンゼロはちょっと記憶にありません。
藪君や武田君など、素質に恵まれた選手の台頭が待たれるところです。


返信する
鷹の台さん、恐縮です。 (誓球の空)
2011-11-05 16:41:01
選手が若いので、リーグ戦以外の相手と接戦になった時にどうかな?と思ってたんですが、
なかなかどうしてどうして、高橋君とか辻君とか寺嶋君とか・・・ 雰囲気を持ってますね。
後は永井君に調子が戻れば、得点力は増すと思います。
返信する

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