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吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

Y氏の優雅なる晩餐

2010年05月04日 | 
ここに家族から離れてひとり暮らしで仕事をしている人物がいます。
仮にY氏としましょう。

これはY氏のある日の食卓についての話です。

Y氏はこの日、冷凍庫にある鮭の切り身を食することに決めていたのでした。
それは彼の細君より託された長期在庫品であり、向き合うには多少の勇気が必要なものであったのです。

冷凍庫から出して自然解凍したところ霜が溶けて加工日2009年5月という文字が確認出来たといいます。

何、一年なんてわずかな時間さ…。
歳をとる毎に一年が短くなっている気がする、人生の終焉もそう大した先ではないだろう。
紅鮭 ロシア産 甘塩…、紅鮭って茶色だったっけ。

多少の迷いを覚えつつも、余熱をかけたグリルに切り身を入れたのでした。

大根おろし用に買った大根で味噌汁を作るべく味噌桶を開けるとちょっとヒネた香りがしました。

ま、これもまた味わいってもんさ…。
発酵食品はその時々で味わいが変わるものでそれがまた魅力なのだな。

焼き上がった鮭の切り身を味見してみたところ、意外と大丈夫そうだったので、4つあった切り身をすべて焼いたのでした。
切り身の表面は茶色でしたが、中は紅鮭らしい色でなぜか心が和んだといいます。

大4切れはさすがにちょっと飽きると思われたので、バター、マヨネーズ、醤油を使い分け組み合わせて頂くこととしたのです。

こうしてY氏は優雅なる晩餐を迎えたのでした。

果たして彼は健やかなる朝の目覚めを迎えられるのでしょうか。

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