吉倉オルガン工房物語

お山のパイプオルガン職人の物語

地震と停電の夜

2011年03月13日 | 自分のこと

大変なことになってしまいました。

観測史上最大規模の地震だといいます。
僕らが不動不変と思うこの大地も実は液体の上の板に過ぎないのです。
人が自然を支配したかのような錯覚は天に於いても地に於いても否定され
ているのです。

僕らも日本の折れ曲がりに住む身、まだまだ油断は出来ません。

地震の時、直接の被害はとんぴーの机の飾り物が落ちた程度でした。
でもその直後、電気が消えました。時間は午後2時50分頃。
21世紀の今であっても停電はありますが、大抵は数分のことです。
しかし今回は長かったのでした。

灯りは、NZの地震のニュース以来、手持ちの単三型充電電池をフル充電
しておいたので各種ライトが使えますし、ろうそくもあります。
水は大丈夫でしたし、プロパンガスも無事、その気になればカセットガスコン
ロもガソリンストーブもあります。これで料理はOK。
残念ながら灯油ボイラーは電気が必要なので使えません。
有り難いのは薪ストーブで、とにかく部屋が暖かいというのは気持ちのゆとり
に繋がります。

リスク管理の観点からはエネルギー源の分散と多様性は当たり前に重要だ
と思います。多分国家や企業に対しては誰でもそう望むと思います。
が、これが自分が主となる家庭では何故か「オール電化」なんてのを採用し
たりするわけです。変じゃないですか?

りーちゃんはろうそくの火に見入っています。魅入るという方が正しいかな。
火の魅力に目覚めたかな。パパと焚き火に行くかい?


ガスコンロで沸かしたお湯でお風呂をして、お休み。午後10時。

午前4時、妙な感覚で目覚めたらまた結構な地震が来ました。
寝床から出て、ストーブの薪を足して、手を洗おうとすると水が出ない。
水道管保温用の電熱線が停電で効いていないからです。
うちの水道の大元の蛇口、最低限コイツを守れば最低限OKです。
凍りついた不凍栓にお湯をかけて閉鎖。
朝コイツを目覚めさせるためにはヤカン一杯のお湯があれば良いのですが
念のため、複数のナベに水を入れておきました。

きれいな星空、遠くには街の灯。停電は全市ではなくいくつかのエリアなの
です。
自分は不自由なのに満たされた人たちが視界の中にに居る……。
この不公平な現実に非常なストレスを感じる人が居るかもしれません。
それでも、地震の直撃を受けた人たちから見れば、電気が来ないくらい大し
た問題ではないわけですが。
運命の下に存在する僕たちは、いつだって運命の不条理に苦しみ泣き、そ
れでも歩むのです。生きている限り。

いろいろやって午前5時24分、電気復活。
午後2時49分からだから14時間35分の停電ですか。
こんな長いのは生まれて初めてかも。

情報源はラジオとノートPCのデータ通信が今回は使えました。
非常に多くの教訓とボイラーのレギュレータ故障を残して停電の夜は明けた
のでした。

まだ大きな地震は起こると考えておいた方が良いでしょう。
皆さまどうぞ備えを。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
気をつけて (ripieno)
2011-03-13 09:44:53
とにかくまだ安心できないので、十二分に気をつけて。長野まで地震が拡大したので、まだ余震は続きます。関西は揺れただけで、大した被害はなかったようです。あと、阪神の時にも教会が多く倒れ、オルガンも多く損失してしまいましたが、今回はどうなんでしょう。多分かなりの数が損失したように思いますが。
以前は台風で停電はしょっちゅうでしたが、最近は阪神大震災以来ないですね。小学校の時最長1週間停電でした。高校の時に2日停電してから大きな停電はなかったように思います。
田舎の実家も今後の南海地震では、おそらく倒壊は免れないと思いますので、とにかくうまく生き延びるよう願うばかりです。
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受け入れるしか (ひろにゃんof風琴屋)
2011-03-14 23:40:34
ripienoさん、ようこそ!

仙台にはオルガンが多いので気になります。

こちらも中央構造線の脇なので予断は許さないところです。
ガソリンが品薄なので、日常の移動は出来るだけカブで済ませています。
21世紀だというのに、バイクの中でも旧式なカブが最後の頼みというのは皮肉なものです。

何が起こっても受け入れるしかありません、相手は自然ですから、
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