長野県は日本一ィィィ!
松茸の生産量というかすべて天然なのだから産出量というべきか。
不作の年は二位の岩手県に負けることがあるけれども、基本圧勝である。
統計データは流通量ベースなので、直売所は入っていないらしい。
実質的な産出量はさらに多いのである。
つまり安い!
僕は松茸には馴染みがない。
アニメのキャラや、芸能人、はたまたユーチューバーのように知ってはいるけどただそれだけの関係。
でもグリーンファームで安いのを見かけるとちょっと試してみようかなと思ったりもしたのです。
それが一昨年のこと。
せっかくその気になったのに。
去年(2019年)は不作だったのであった。
長野県では2017、19年が不作で、不作の年は豊作の年の8割減くらいになります。
極端ですね。
そして今年。
雨続きで今も地盤は危機状態。
しかしながら松茸は出ている様子。
土用松茸とか夏松茸とか言われるもの。
これならイケる!
勝負だッ!
松茸は新鮮な方が良いというのだが……。
冷蔵庫に眠るちょっと茶色な豚肉がオレを呼ぶ。
早く食べろとオレを呼ぶ。
なんだかんだで購入後二日が経過。
いかん、松茸をオクサレ様に奪われるわけにはいかん。
日持ちがするように小さいのを選んだのは正解だったようだ。
ネットを見て下ごしらえ。流水で洗うな、石突きはえんぴつのように削げとかいろいろうるさい。
面倒なので半分をホイル酒蒸し、残りを炊き込みご飯にということで。
ホイル酒蒸し開放!
塩、タレ(醤油とみりん)、ポン酢で試してみました。
うん、きのこだね。実にきのこ。全くもってきのこである。
あまり期待をすることもなく炊き込みご飯の用意をして眠りについたのであった。
余計な具は入れずにだし醤油を少々。
翌日、圧力鍋に大ブス(ホエーブス625)を点火。
部屋が……、部屋が香りに満たされてゆく……。
これが、これが松茸、これが!
圧倒的、圧倒的な松茸感。
ちょっとおこげの炊き込みご飯 爆誕!
食べた当初はそれほどでもない感じ、しかし箸が止まらない。
あっという間に一膳。
舌の奥の両脇にじわーんとたなびく旨味の思ひ出がオレを捕えて離さない。
だめだ。
だめだ。
捕らわれてはいけない。
いっ、いつの間にか茶碗にご飯が!
大変だ。二合半が空に!一体なぜ?
残るは大きな喪失感、虚無感、満腹感。
……
♪ 洗う~お鍋 パッキンに~残る あなたの~香り お も いで~
大ブス~灯る ひとりの~台所 次のご飯の時も きっとあなた~思い出すわ
あああ まつたけ わたしの まつたけ
まつたけ まつたけ まつたけ ま つ たけェェェェェ
切なくて歌ってしまったぜ。
つまり松茸というのは濃すぎるのだ。
普通に食べるとその香りが花開く前に腹の中へ。
十分に香りを開いて広げてそれから頂くことが大事。
松茸はひとつまみの火薬だ。
それを爆発させるか、広く燃やすのか、その間(はざま)の組み合わせと選択。それが料理なのだ。
ホイル酒蒸しは不発弾であった。香りが逃げないということだったが、国産地物!は土の匂いも強く、密封状態ではクセも強く出る。
香りが逃げないというよりは開かない。
開放空間で炭火で炙るのは良いかも知れない。
土瓶蒸しのように汁で香りと味を広げるのも良いに違いない。
炊き込みご飯は避けて通るわけにはいかない。
普通に考えれば秋もイケるはず。ああ、安いだろう!
オレの松茸はまだ終わらないんだぜ。
ホエーブス625は山岳部やワンゲル部のパーティ用だったようですね。
単独で持つには少々大きくて重かったので。
ただ、火力の調整が効いたので、料理に凝りたい向きにも好まれた面もありますね。
最近の頂き物なのですが、625は使い勝手が良いので多用しています。