2016年に発表された論文によると、心臓の形をしたパズルを使った生理学の学習を経た学生は、通常の生理学の授業を受けた学生よりも成績が向上したらしい。
なお通常の生理学の授業を受けた学生も、心臓のパズルを用いた授業を受けた結果同様に成績が伸びているとのこと。
問題解決にパズルを用いることで、解決するべき問題が目に見えるものとなり、問題のピース1つひとつを触れ触り分析できるようになる。
またパズルというゲーム要素を組み込むことで、感情を逆なですることなく受け入れられ、ピースがはまらなかったときにすぐにフィードバックを得ることもできる。
そしてぴったりとはまったときの快感は、パズルを完成させたときの達成感は、より学習を促進させる。
『問題の具現化』『解決の具現化』の1つとして、パズルは適解だと思われる。
注意してほしいのはパズル要素に傾きすぎないこと。
パズルとしてのゲーム要素に注力したり、全体像のヒントを与えすぎると、『パズルを完成させる』という目的ができてしまう。それでは本末転倒だ。
目的はあくまでもパズルを用いた『問題の解決』だということ。
そこさえ念頭に置いておけば、学習を促進させ、また意欲も掻き立てる適当なツールが作れることだろう。
参考文献
Lais Tono Cardozo et al. (2016) Effect of a puzzle on the process of students' learning about cardiac physiology.