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ばりん3g

運動がなかなか続かない理由を、やる気の視点から解説。

「健康になろう」「体力をつけよう」として運動を始めるが、三日坊主を体現しただけでそれを止めてしまう。

「今度こそ」と意気込んで買ったエクササイズ器具を数日使って物置にしまい、また器具を買っては部屋の隅に押し固めたりして、掃除の日にまとめて捨ててしまう。

そんな経験はないだろうか。

 

健康のため。体力のため。誰が聞いても疑いようがない大義名分を、私たちはなぜか達成できないでいる。

なんなら、私たちはその大義名分を果たそうとしたとき非常に嫌がるはずだ。

なんでこんなことをしなきゃいけないのか、もっと楽な方法はないのか、疲れた・つらい・もう嫌だ、といった具合に。

この"非常に嫌がる"理由と、達成できないわけを、やる気の視点から解説していく。

 

 

結論から言うと、体力のためと大義名分を掲げた時、私たちはその大義名分からやる気が発しているのであり、達成するための行動にやる気を感じているわけではない。

これを最初の例にあてはめると、私たちがやる気を抱くのはあくまでも"体力のため"といった目標に対してであり、"体力のため"にする運動にやる気を抱いていることは少ない、ということになる。

このため、私たちは"体力のため"というやる気を糧に運動をするわけだが、そのやる気は体力の増加という遠回りな結果を拠り所としているため、運動そのものからやる気を得ている人と比較して持続が弱くなる傾向にある。

 

「運動が楽しい」と「運動で体力が伸びてうれしい」では、やる気の出処が違ってくる。

「運動が楽しい」と思っていない私たちは、「運動で体力が伸びてうれしい」となるためには相応の努力が必要なことを知った途端、その努力を放り投げてしまう。

「運動で体力が伸びてうれしい」と思いたい私たちだが、「運動が楽しい」わけではないのでそれを簡単に放り投げることができる。

これが、体力をつけようとしてもやめてしまう理由の1つである。

 

なお、この大義名分から発せられるやる気にはいくつか種類があるが、「体力をつけなきゃいけない気がして……」みたいな漠然とした必要性に駆られて立てたそれは、他人から「運動しろ!」と指示された時のそれとほぼ同義になる。

自分の意志で選択していたとしても、選択した理由が義務的なものであれば、意思の尊重などないに等しい状態となる。

 

 

つまるところ、私たちは運動に対してのやる気が湧かないから、いくら"体力のため"と強く思っていても達成は難しいというわけだが。

では"体力のため"の運動をやりたくなるためにはどうすればいいのかという話だが、分かりやすい答えとしては運動を好きになることが挙げられる。

「運動とは別のところにやる気を抱いていて、運動そのものにやる気を抱けていないなら、その運動にやる気を抱けばいいじゃない!」という愚直で脳筋な考えだが、多分これが一番効果的である。

 

なら、運動を好きになるためにはどうすればいいのか

具体案を挙げるなら、リングフィットアドベンチャーを友達を巻き込んでやることだ。

 

ざっくりと説明するが、人間のやる気は「自身の意思決定がさえぎられることなく反映される」「成長の実感がある」「その成長に周囲が反応してくれる」環境の時に最大限発揮される。

で、この環境はゲームのプレイ時に容易にそろうことが確認されているというか、ゲームが楽しく感じるのはこれがそろっているからなのだが。

 

リングフィットアドベンチャーは運動を主体としたゲームであり、自身の運動に関する意思決定が尊重され、スコアやレベルといった要素で成長を非常にわかりやすく可視化してくれる。

掻き立てられたやる気は好意に変換され、いつしかリングフィットアドベンチャーが、運動が好きになることだろう。

ここにその成長を共有できる友人がいればより盤石となる。

そして誘発された好きが、やる気が、次の"体力のため"の行動につながるはずである。

 

 

 

私たちは運動に対してのやる気が湧かないから、いくら"体力のため"と思っていても運動を拒んでしまう。

"体力のため"に運動がしたいのであれば、目的のために行動するのであれば、その行動を好きになるのが一番わかりやすい策となる。

もちろん、行動を拒む理由には複数あることを留意してほしい。

 

 

参考文献

Christopher P. Niemiec,Richard M. Ryan (2009) Autonomy, competence, and relatedness in the classroom: Applying self-determination theory to educational practice.

Martyn Standage,Joan L. Duda et al. (2013) Students' Motivational Processes and Their Relationship to Teacher Ratings in School Physical Education.

Nikos Ntoumanis,Martyn Standage (2008) Morality in Sport: A Self-Determination Theory Perspective.

Nikos Ntoumanis(2010) Empirical links between achievement goal theory and self-determination theory in sport. 

Tomás García Calvo,Eduardo Cervelló et al. (2013) Using Self-Determination Theory to Explain Sport Persistence and Dropout in Adolescent Athletes.

Wei Peng,Jih-Hsuan Lin et al. (2012) Need Satisfaction Supportive Game Features as Motivational Determinants: An Experimental Study of a Self-Determination Theory Guided Exergame.

Richard M. Ryan, C. Scott Rigby et al. (2006) The Motivational Pull of Video Games: A Self-Determination Theory Approach.


論文を参考にいろいろ喋るブログです。

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