BATTLAX初中級サーキットトレーニング(後編)

それでは後半です。---昨日も今日も仕事だったので、バイクについて書くことは一切無し。ホントに、今月のサーキット走行はこのサーキットトレーニングだけに終わりそうです・・・

開会式の後、コントロールタワー前に集まって準備運動。この時点では雨もほとんど降っておらず、屋根の下じゃなくても傘をさしている人はいません。そんな状態で準備運動。・・・そういえば、腕を上げて逆側の手で肘を持って逆側に延ばす運動などがありましたが、あれってツナギを着てたら出来ないわけですが・・・。この時点でうすうす感じていましたが、この日は全般的に「サーキットの走行方法を練習するイベント」とは言い難いところがありました。どっちかと言うとパイロンメイン。それは、事前に送られてきたタイムスケジュール表を見てもそんな雰囲気は出ていました。つまり、雨天だからメニューを変更したわけじゃなくて、もともとそういうメニューだった、と。

そんなわけで「サーキットを走ることがメイン」と思っていたら肩透かしを食らったかもしれません。が、私の場合は昨日にも書いたように「基本を見直すこと」が参加の主目的でしたし、このイベントの紹介を受けたトライアンフ名古屋イーストさんでの説明でも、おそらくこうなるだろうことは推測できる説明だったので、まぁ、想定の範囲内。それに、675での(というかセパハンでの)パイロンはホントに苦手なので、まさに初心に戻って練習していました。

スケジュールとしては、(A,Bの2組に分かれていたので別の組の人とは流れが違うところもありますが、私のA組では)最初にコース上のあちこちに1組のパイロンを置いて、3人一組にして8の字。一人6~7周ほどして交代、ってのを3回ほど繰り返して終了。ここで基本を見直しつつ体をほぐす流れです。その次に第3駐車場にパイロンを並べてコーススラローム。その後、本コースに戻って直線スラロームとオフセットスラローム(ストレート中央から1コーナーに向かってオフセットスラロームのパイロン、そこからゆっくり移動してモタードレースでジャンプ台が設置される3コーナーから第1ヘアピンに向かう直線で直線スラロームのパイロン。それを繰り返す)。そのあと昼食だったかな。午後一は上の写真のようにパイロンをコース上に設置して、ストレート中央でショートカットするハーフコースを逆周りで巡っていくパイロンスラローム。パイロンによってオフセット量が違ったり距離が違ったり、パイロンの外側の余裕も考慮しないとコースアウトしかねなかったり、といった難しさのあるコース設定でした。これは先の先を読んでライン取りを考える練習だったみたい。今曲がろうとしているパイロンで楽をしようとすると次が苦しくなるから、次のパイロンで楽をするために今曲がろうとしているパイロンでのラインを考えないといけない、みたいな。このスラロームが終わる頃にはライン上は徐々に乾きだしていました。そのあとにお遊び的な、というかハングオフフォームの練習ということで、第3駐車場でミニバイクを使って定常円旋回をしながら膝を擦ろう、という練習。これ、私は膝擦れませんでしたw ミニバイクってなんか違う乗り物みたいで不安。でも、インストラクターの方には「下半身が安定してないからだ」って言われました。なるほど、言われてみればそうかも。その後休憩を挟んで、ハーフコース走行。その前にインストラクターの方のデモ走行があり、1ヘアからフェニックス立ち上がりまでのラインが悪いと裏ストレートの加速が遅れるという話や、40Rの進入のデモでフロントブレーキのリリースはジンワリ緩めていくとフロントサスの動きも穏やかで挙動が乱れない、ってな話がありました。それらをコース走行で実践しましょう、ってことです。これはインストラクターの方の先導走行で、フリー走行ではありませんでした。このハーフコース走行は1コーナー側と最終コーナー側に、A,B組で分かれてそれぞれ走行していました。それが終わったら、一旦小休止して、フルコース走行。これは普段のフリー走行の時のコースと違って、奥の3コーナーを使うモタードレースのコース設定でした。これを、A組とB組が交互にコースに入り、インストラクターの方の先導走行について走る形。人数が多いので遅れる人も出ますが、そういう場合は要所要所で他のインストラクターの方が遅れた人の前に出て、新しい先導集団を作る、って形でフォローしてました。これを1セット4周ほど、2セット走って終了。そして閉会式。

と、だらだら書きましたが、だいたいの流れはこんな感じ。コース走行もちゃんとメニューにはあるんですが、周回数が少なかったからか印象は薄く、やはりパイロンメインだったような記憶になります。それじゃ意味はあったのか、ということになるんですが、私としては「大いに意味はあった」と思っています。

・8の字:「走る、曲がる、止まる」の基本を見直しつつ、体をほぐす
・コーススラローム:8の字の延長で、コースとして走ってみてライン取りの重要さに気付かせる
・直線スラロームとオフセットスラローム:上と順番逆かも?B組はこっちが先だったかも
・コース上のスラローム:ライン取りの重要性と、バイクの操り方の総まとめ
・ハーフコース走行:スラロームで学んだライン取りと下半身ホールドをコース走行で確認
・フルコース走行:より速度の高い中での確認、およびブレーキ技術の練習

こうやって順番にまとめてみると、小さな基本から徐々にステージを大きくしていって、前の段階で学んだ基本を次の段階に活かせるようになっています。「活かそうと考える余裕があるくらいの、段階を踏んだスケールアップ」というべきか。そんな感じなので、「下半身のホールドが出来てない!」って何度も言われたあとにコース走行をすると、先導走行のためにペース的に余裕があったこともあって、下半身のホールド具合を確認しながら1ヘアやフェニックスを旋回していました。そんな感じなので、少なくとも私にとっては基本を見直せるという、当初の目的が果たせた良いメニューだったと思っています。

そのほか、技術的なことで個人的に学んだこととしては・・・ 
・まず右コーナーの苦手な理由、というかメカニズムがわかった(っぽい)。
------少なくともパイロンに対しては、右回りのパイロンが大の苦手。実際、一回失速して転んだ。当日、会場で走っている時は「右にハンドルが切れるとハンドルとタンクに右手が挟まれてアクセルを開けにくい、少なくともアクセルの微調整がし難い」のが原因だと思っていました。それが原因で失速するのが怖くて傾けるのが怖くなって、バンクしないから曲がれなくて・・・という悪循環だと。確かにそういう一面もありますが、家に帰ってから考えてみると、「右腕が窮屈になるのなら窮屈にならないように右腕を動かせば良いじゃないか」→「右腕を自由に動かせていないのは上半身が自由に動いていないからだ」→「上半身が自由に動かせないのは下半身がホールドできていないからだ」という論法が成り立ちそうだな、と。とは言え、左曲がりに比べて右曲がりは右腕が窮屈にならざるを得ないのは明らかです。ある程度は仕方ないとも言えるけれども、現時点の私は「仕方ない」と言えるレベルには達していないのも間違いない。なので、「右コーナーのための下半身ホールド」が当面の課題となりそうです。「左足でマシンホールドしやすくなる上半身の使い方」ってのも考えてみる価値のありそうなテーマの気がしますが、この辺はいろいろ試してみてから・・・

・リアブレーキを使えるようになろう!
------美浜を最後に走った2年前、最終コーナーでリアブレーキを効率的に使うことで確実にタイムアップした、と言っていました。今回もやはりそれを実感して、低速コーナーでリアブレーキを適切に使えれば、使わない時にフラッと倒れそうな速度でも比較的安定してバンクできる、ということがわかりました。パイロンなどでは顕著で、アクセルをそれ以上閉じれば駆動力が足りなくて失速する、って時に、アクセルはそのままでリアブレーキで速度調整をするのが有効な場面が多々ありました。こういう経験を元に、コース走行の要所要所でリアブレーキを使い、ラインの自由度まで上がったような気がしています。問題は、普段ステップバーに爪先立ちで走っている私の場合、右足を適切に踏み変えてブレーキを踏む準備が出来るかどうか。それと、深くバンクする右コーナーでは爪先が地面に当たりそうで、それをどう対処するか。この2点ですね。西浦の最終手前で活かせたら、と夢想しています。

・ウェット路面も対処しようはある(バンクしないように走る話)
------もちろん公道レベルじゃなくて、コース走行レベルの話です。と言っても、バンクしないように走る、とか、ブレーキを慎重にする、とか、公道と同じことが言えるのですが。また、上の「リアブレーキ」も、安定して後輪のグリップを上げる方法としてありだと実感できました。ただ、前者の「バンクしないように」というのが、今までは「怖々バンクしないようにする」という意味で考えていましたが、そうじゃないよと言うことがわかったのが収穫。むしろ、自分は今まで(ドライの時に)無駄バンクしていたのが問題。特に低速の時。低速で速度が出ていないのに無駄にバンクすると、遠心力で車体が立とうとする力が弱くなって、それはそれで良さそうなんだけれども、下半身ホールドの観点で考えてみると外足がバイクを押さえつける力をかけづらくなる、という考え方も出来るかな、と。つまり、「遠心力で車体が立とうとする外側向きの力」がある程度残っていると「下半身で車体をイン側に押さえ込もうとする力」と釣り合わせることで下半身がホールドしやすくなる。そのためには、遠心力を車体単体で打ち消せるほどバンクしてしまうのではなく、「外側向きの力」が残る程度のバンク角に抑える方が良い。今までよりもバンク角を押さえ気味にしても十分曲がることができることが今回の練習で経験できた。

結局、下半身ホールドとリアブレーキ、この2点に尽きます。こうやって書くと教科書レベルの「大事ですよー」と同じように見えますが、「どうして大事なのか」「どのように活用すべきなのか」が実感として理解できたのが今回の大きな収穫だと思います。

ただ・・・不満が無いわけではありませんでした。一番の不満は、インストラクターの方と話をする時間が無かったこと。質問したいこともあったのですが、話す機会がほとんどありませんでした。休憩時間もインストラクターの方々はパイロンの並べ替えや試走で忙しそうでしたし。それに、一問一答の質問がしたいわけじゃなくて、ディスカッションをしたいんです。「○○とするためには××とすればいいのですか?」みたいな質問じゃなく、もやっとした「こんな風な走り方に疑問を持ってるんですけど、どう対処すれば良いんですかね?何が悪いんでしょう?」とか「△△ってどうやってるんですか?」といった感じの質問から始まる会話で理解を深めたいのです。ただ、それを希望している私自身、会場でその場で質問内容を頭の中で整理して、的確に言いたい事を伝えられるかは自信がありません。それが出来れば一問一答形式の質問でいいのかもしれませんが、そんなことが出来る人はわずかでしょう。だからこそ「会話」という形でモヤッとした感じでさっきまでのことについて話をし、その話が進む中で頭を整理しつつ、知りたい話題を聞き出す。それが「ディスカッション」なんだと思います。そのためにはそのための時間を取る必要があるでしょうし、タイムスケジュール的に押してしまうことになりますが、それでも「走るだけ」がトレーニングじゃないと思うんですよね。それに、話をして理解したり思い至ったりしたことを即実践すれば理解も深まるはずです。なので、理想を言えば、パイロン走行の合間に10分、コース走行の合間に10分、最後に15~20分、ディスカッションタイムがあればより有意義になったと思います。あくまで理想ですが。でも、そういうの、何とかならないかなぁ?いや、こんなことを考えているのは私だけで、日本人ってシャイだから会話したがらない人が大半なのかな?私も日本人ですがw ただ、仕事柄、ディスカッションして理解を深めていく過程というのには慣れているので。

最後に。実は当日、私はとんでもない迷惑男でした。何かと言うと・・・675のバッテリーが死んでいたんです。車に積み込むときに気がついて、充電して行ったのですが、現地ではダメでした。走りこんでエンジンが温まればかかるようになる、のが今までのパターンだったのですが、今回は高回転まで回さないことが多かったためか、走行してエンジンが温まっていても、一旦エンジンを切ると次にエンジンがかかるかどうかは神のみぞ知る・・・ってかんじで。パイロン走行だから「一通り走る」一旦エンジン停止「説明」エンジンかけて「一通り走る」一旦エンジン停止・・・・・・って流れが非常に多く、弱ったバッテリーには苛酷な環境だったのも不運でした。一応、ジャンプ用にV11の廃棄バッテリ(「廃棄」と言いつつ、容量はあるので675のジャンプ用には十分)とジャンプケーブルを持ってきてはいたのですが、エンジンを停止する場所がピットレーン上だったりコース上だったり第3駐車場だったりと、一定ではないので、そこでエンジンがかからなければその都度バッテリなどを持ってこないといけません。途中からはスタッフの方が見かねて第3駐車場やらピットレーンやらに持ち運んでくださいました。ホント、お手数をおかけして申し訳なかったです。また、同じ組で走行される方にも、一人エンジンがかからなくて、走りだすのに時間がかかったり並ぶ順番がむちゃくちゃになったりと、大変なご迷惑をおかけしました。深く反省し、次回はこのようなことがないように気をつけます。

っていうか、私の675、バッテリが満充電でもエンジンかかりにくいんだよなぁ。何か不具合でもあるのかな?今度お店の人と相談してみようか?
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