オトコヨウゾメ(レンブクソウ科 ガマズミ属 落葉低木 花期4~5月)
葉は対生、葉柄は赤みを帯び、葉身は卵形で縁に粗い鋸歯、先端は尖る(鋭頭)。葉裏の主脈・側脈沿いに長い絹毛が生える。
葉と花の混芽が芽吹くと新梢を短く伸ばし、その先に一対の葉と長い花軸(花序柄)の先に散房花序をつける。花は小さく可憐な白一色、柱頭がぽつんと紅い。萼片(萼歯)5、花弁5、雄蕊5、柱頭は3裂。
果実は核果で結実時かなり扁平であるが、秋に赤く熟す頃には丸味を帯びる。
冬芽は枝先に落枝痕(果軸痕)を挟んで一対の仮頂芽がつく。
学名Viburnum phlebotrichum Sieb. et Zucc.
属名Viburnum ビブルヌム・ランタナのラテン古名に語源(説)。
属名Viburnum ビブルヌム・ランタナのラテン古名に語源(説)。
種小名phlebotrichum phleba+tricho 葉脈+毛のある
ビブルヌム・ランタナ(Wayfaring Tree=hoarwithy)はガマズミ属の一種で、中南欧州~北アフリカ~南西アジアに自生。
和名の由来
ガマズミは古くヨツゾメ/ヨソゾメと呼ばれ、衣布の染料として用いられ“よう染め”と訛って呼ばれた。この“よう染め”は枝がしなやかで折れ難いので鎌や鍬の柄に用いられ、又、実が酸っぱいことから“鎌酢実”と呼ばれるようになった。本種はガマズミ(よう染め)に似た赤い実が生るが苦くて食えないので、「よう染め」に「男」を冠し、「男よう染め」と呼ばれるようになった(一説)。
トップ 目次 画像・文 塩城忠