里山コスモスブログ

ヤマブキとシロヤマブキの果実(実物比較)


葉が互生花は山吹色(小判色)の5弁花

上:雄蕊・雌蕊の拡大 下:6弁花(雌蕊の数は5個まで識別)





上:5個の果実が5片の萼に乗っている。 下:6個の果実が見られる(雌蕊6であったことを示す)


上 :ヤマブキの果実 下:ヤマブキとシロヤマブキの実物比較像(萼・果実の大きさ・形が異なる(12.10.03)

ヤマブキ (山吹 バラ科 ヤマブキ属 学名Kerria japonica 落葉低木 花期4月) 葉は互生、縁に明確な重鋸歯があり、先端は尾状に長く尖る。葉表の葉脈が凹み皺々感。花は山吹色(黄金色)の5弁花(稀に6弁花)と八重咲きがある。小さな萼5、雄蕊は多数、雌蕊は5個を観察したが6,7個もあるようである(離生心皮5~7ほど)。花柱は太く花糸と同様に長い。果実(そう果)は5個ほどが萼に乗っかって成熟する。5個の果実に挟まれて未成熟のものが1,2個見られるので、雌蕊は5個~7個ある筈である(未撮影)。果実は一重に生り八重咲きは不稔。児童の頃、茎の中の白い髄を細い棒で押し出して遊んだ。発砲スチロールの細棒にそっくりである。
属名Kerria スコットランドの園芸家・植物採集家William Kerr (~1814) に因む。彼は中国やジャワ島、ルソン島で採集活動をしヤマブキをイギリスに送った。
太田道灌と山吹の逸話: 七重八重 花は咲けども 山吹の みの(蓑/実の)一つだに なきぞ悲しき


葉が対生し 花は白色の4弁花 小葉状の大きな萼4片


上:離生心皮4(雌蕊は4個で4個の果実が生る)


シロヤマブキ (白山吹 バラ科 シロヤマブキ属  学名Rhodotypos scandens (Thumb.) Makino 落葉低木 花期4月) 葉は対生。花は白色の4弁花で、葉状の大きな萼4片。結実すると果実(そう果)4個が小葉状の大きな萼に包まれるようにして成熟する。果実は球形で緑色から茶褐色を経て秋に黒く熟す。萼は熟後も長く残る。非常に実つきが良い。
ヤマブキとシロヤマブキの見分けは、花期であれば花色、花期以外は葉が互生であるか対生であるか、小さな萼片が5個あるか葉状の大きな萼片が4個あるかで見分ける。シロヤマブキの果実は4個が生り球形で大きく、ヤマブキの果実は小さな扁球形5個ほどが生る。
属名Rhodotypos  rhodon+typos (Rhodes typesバラタイプ) 意味は未解明
種小名scandens 蔓性で伝い登る ヘクソカズラ(学名Paederia scandens)の種小名にも使われている。 意味未解明。
(Thumb.) Makino 
カール・ツンベルク(Carl Peter Thunberg 1743年-1828年 スエーデンの植物学者で出島の3学者の1人)が命名し、その後牧野富太郎博士(1862-1957)が属名の変更をしたことを表す。


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