上:シュートの頂部に2裂したように見えるのが雌花 下部に雄花が群がる
マツ (マツ科 マツ属 常緑高木 雌雄同株 花期4,5月 果期 翌年秋) 針葉が二本づつ束生(二股になる)する赤松、黒松、琉球松、そして針葉が5本づつ束生する五葉松がある。花は枝先に伸びたシュートの頂部に雌花、シュートの下部に雄花がつく。雌花(花序)は紅色で1~4個ほど。4月半ば頃からシュートの先に展開する。雄花花序は長楕円形で、シュートの下部に多数群がってつく。4月半ば頃には成熟し、鱗片の隙間から花粉を放出するようになる。やや紅味を増した雄花花序は花粉を出すようになると花粉にまみれて白っぽくなる。つまんでみると、花粉をまだ出していない紅味を帯びた雄花花序は固く、白っぽくなっているのをうっかりつまんだらプッと花粉を吹き出した。シュートの上部と下部の中間部は葉や枝になる部分である。つまり、枝先にひょろりと真っすぐ上に伸びたシュートは雌花、雄花、枝・葉が一式セットになっているのである。シュートの下には小さなマツカサが1、2個ついているが、これは1年前に受精した雌花花序が成長している姿で、これは今年の秋に成熟マツボックリになり、種子を散布する。余談。マツは雌雄同株であるから、屁理屈を言うと二本並んでいるから夫婦松ではなく、赤松(雌松)と黒松(雄松)が二本並んでめでたく夫婦松になる。なお、松茸(まったけ)は赤松等の樹下にできる。