エビヅル(蝦蔓 ブドウ科 ブドウ属 落葉蔓性木本 雌雄異株 花期7,8月 果期10,11月)
葡萄を"えび"と呼ぶのは山葡萄を古くは「えびかずら」と呼んでいたことに由来するという。えび色(葡萄色)は熟果の暗赤紫色をいう。
葉は互生、葉身は3、5浅裂又は深3裂、基部は深い心形、縁に浅鋸歯。葉表は光沢があるが葉裏には全体にクモ毛があり光沢がない。
雌雄異株でそれぞれ雄花(未見)、両性花をつける。花序は円錐状、花被は蕾を包んでいるが、開花時には帽子を脱ぐように花被を脱いで開花する。徳利状の子房と花柱・柱頭の基部から雄蕊の糸状の短い花糸が出る。
果実は子房壁が肥大成長して薄い外果皮と液質の果肉(中果皮)となった液果で、果肉の中に胚珠が成長した種子が多数ある。本種の果実は小粒で酸っぱいが食べられる。
学名Vitis ficifolia
属名Vitis ラテン語Vitisはブドウの「蔓」を意味する
種小名ficifolia ficus+folia イチジク状の葉
属名Vitis ラテン語Vitisはブドウの「蔓」を意味する
種小名ficifolia ficus+folia イチジク状の葉
ヤマブドウ
宮沢賢治の作品にも出てくる。近年は食用の他に山葡萄酒用に栽培される。(例 岡山県真庭市蒜山ワイナリー)
学名Vitis coignetiae Pulliat ex Planch.
種小名coignetiae
Coignetiaeは1875年(明治8年)の日本旅行の際にヤマブドウの種子をフランスへ持ち帰った仏のCoignet Lyon夫妻を指す。
学名の命名者 Pulliat。彼はボジョレーのワイン製造者で、夫妻から種子の提供を受けた。
ex Planch. Planchon (仏の園芸家 ~1888)により(新種として)発表されたことを表す。
トップ 目次 画像・文 塩城忠