里山コスモスブログ

ミツバウツギ(三つ葉空木) 二つ袋の果実(雌蕊は2個だった)






上:白い5花弁の芯部で花柱が2個に分かれ、上部から柱頭にかけて接合して1個に見える。
下:結実すると接合していた花柱・柱頭は分離し、2室の袋状の果実に成熟する。



上:2室の先に花柱・柱頭が宿存する




下:ゴンズイの雌蕊は3心皮からなるが、花柱の上部から柱頭にかけて接合している。

ミツバウツギ (三つ葉空木 ミツバウツギ科 ミツバウツギ属 Staphylea bumalda DC. 落葉低木 花期5月 果期10月頃) 和名は葉が三つ葉(三出複葉or奇数羽状複葉)で茎の内部が中空であることに由来。枝先に円錐状の花序をつけ小さな白花を下向きにつける。ほぼ平開し花のように見えるのは萼5片で、花弁5片は花冠の中心で蕊を囲んで立ち上がっている。雄蕊5、雌蕊(子房)は2心皮からなる。今まで雌蕊1個(又は柱頭が2裂)と観察していたが、結実直後の幼い果実(写真)を見ると雌蕊が2個(各室に1個)宿存しており、改めて撮影した花の写真を拡大して見た。すると花柱は下部が2個に分かれ、それの上部および柱頭は接合し外見上1個のように見えていることが分かった。この接合した花柱・柱頭は結実すると分離し、2室に分かれた軍配状の果実に成熟する。果実はさく果で各室に1,2個の種子が入っていた。
ミツバウツギ科には果実が秋に鮮やかな赤色に熟し黒い種子とのコントラストが美しいゴンズイ属ゴンズイがある。ゴンズイの花は萼、花弁が同形大で各5片、花柱下部は3個に分かれ3個の子房(心皮)につながり、花柱上部から柱頭にかけて接合している。結実するとミツバウツギと同様に離れていく。

属名Staphylea ギリシャ語のブドウ( staphyla)或いはブドウ房からくるとあるが、花序(花/蕾)・果序を見ても連想は難しい。
種小名bumalda 不詳  DC.は人名A.P.de.Candolleの略称でヤマブキKerria japonica (L.) DC.にも登場している。
ヤマブキ八重咲き品種は学名
Kerria japonica (L.) DC. f. plena C.K.Schneid. 
ヤマブキ属ヤマブキ(リンネが命名) 後DC.(A.P.de.Candolle)が分類を変更したヤマブキの八重咲き種を、C.K.Schneid.がf.品種 plena(八重咲き)と命名 <略記するとKerria japonica f. plena>
DC.・・・
Augustin Pyrame de Candolle (Augustin Pyramus de Candolle 1778-1841) オーギュスタン・ピラミュス・ドゥ・カンドールはスイスの植物学者。


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