上:褐色の萼4片 淡黄色の花弁6片とはっきり言えればよいのだが
上:黄色い葯より下方に柱頭がある・・・雄花(雄株)
下:雄蕊と雌蕊が同長さで両性花に見える・・両性花状雄花(雄株)
上:雄蕊は退化し柱頭だけが覗く・・雌花
下:両性花状雄花を分解して観察 柱頭は雌花のそれに見劣りしないが、子房はやや貧相
キブシ (木五倍子 キブシ科 キブシ属 落葉低木 雌雄異株又は不完全雌雄異株 花期3,4月 果期9,10月) 穂状についた花芽(蕾)が開花した。花は淡黄色をした鐘形で平開せず、長く垂れた花序が枝に連なった姿は珠簾に似て林縁でよく目立つ。雌雄異株説又は不完全雌雄異株説あるが、自己流で後説によって整理する。柱頭が葯より下方にある雄花(雄株)、柱頭と葯が同じ高さにある花<私流に両性花状雄花と呼ぶことにする>、雄蕊が退化し柱頭だけが覗く雌花(雌株)を観察した。花被片は萼状褐色片が4片(大小各2)、花弁状淡黄色片が6片(大4小2)を観察。雄花は雄蕊8個、やや貧相な子房とやや短い雌蕊を持つ。両性花状雄花は雄蕊8個と同長の雌蕊、子房はやや貧相、柱頭は雌花のそれに似る。一見両性花に見えるこの両性花状雄花は低頻度であるが結実するとのこと。雌花は立派な子房・柱頭を持ち、退化してしまった仮雄蕊がある。果実は昔ヌルデの虫瘤(五倍子)の代用としてお歯黒に使われたという。葉は互生、葉柄は長く、葉身は長卵形ないし長楕円形、側脈は弧を描く。果実は歪んだ球形で秋に褐色に熟れる。
風誘う きぶしの花や 珠のれん