不定期更新スカーフェイス通信

多分、駄目な方の機械屋による戦闘日記。ネットヲチ&写真ネタやら色々と。

電気自動車のお話

2009年03月27日 21時16分03秒 | 技術
ええっと、後で見返したら色々と粗が目立っていたので一部書き直し。

基本的に電気自動車のお話です。

その他のエコカー等のお話については、既にビックモッサー師匠様
記事に書いておられるので私見のみ記述。

まず、何でこの記事を書くかという発端は、ここから。

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>某美爾衣教師(書いちゃった)は電気自動車軽いと思い込んでいる
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そういう事なので、当該サイト当該記事を見てみると・・・・・・・・・。

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以下当該記事より抜粋

ソーラーパネルにしても、ハイブリッド車や高性能電気自動車にしても、電気代やガソリン代が節約できても、節約できた分よりももともと余分にお金を払うことになるから、あまり人々の生活に浸透していないのが現実だ。不況で環境どころの話ではない現在、ほとんど現実的じゃないけど、そのうち、安く大量生産できるようになってくれたら、その時こそ、多くの人に受け入れられるようになるのだと思う。

全くガソリンを使わない車ができたら、石油原産国であるアラブ諸国は大変なことになってしまうだろうね。これまでの技術でも、高性能電気自動車がいまの自動車に取って代わるチャンスはあったはず。でも、石油から多くの利益を得ているテキサス州出身のブッシュが、ガソリンの売買によって生まれる自分やその仲間の利益を優先した結果、環境を考慮したせっかくの最新技術は、人々の生活に浸透するまではいかなかった。それどころか、ブッシュは、エタノール入りガソリンを開発してガソリンや物価の高騰を招くようなことはしても、電気自動車の開発にはほとんど熱心じゃなかった。でも、オバマは、環境、経済、雇用の改善を真剣に考えているから、これからは、高性能電気自動車が北米市場に出回るようになるだろう。

電気自動車になれば、走行中に排気ガスを出さず騒音もほとんどないため、現在、都市を中心に発生している公害問題や、もし、車から排出される二酸化炭素が温暖化の一因となっている場合には、地球の温暖化を解決できるかもしれない。 又、車体も今の車の2/3と軽量化されるため、道路の工事や舗装にかかるお金もかなり削減できるだろう。

これらのことを考えたら、日本でも電気自動車を本格的に開発するべきだと思う。まだ、詳しく調べたわけじゃないけど、電気自動車といっても、充電に莫大な電力が必要になるわけでもないと思うし、走行中に自動的に充電できるようになれば、完璧だ。さらにソーラーパネルの利用なども考えられるだろう。

でも、自民党政権が続けば、道路族にとって不利な電気自動車の開発は遅れるだろう。そして、今度は電気に大きな税金をかけるようなことも平気でやるだろう。そんなことにならないためにも、次期衆院選ではぜひ、政権交代を。

参考記事:
Leonardo DiCaprio's New (Green) Sports Car(The Huffington Postより)
Tesla Motors
高性能多目的電気自動車 KAZ
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相変わらず非常に強い毒電波というか、陰謀論症候群と言うか、毎度おなじみのアレですが
余りにも酷いので、ちょいと電気自動車について書こうかと、思い立った訳であります。

えっと、まず電気自動車についてなんですが、皆さんもご存じの通り電動モータと
充電式電池によって成り立っている自動車であります。
電気自動車の馴れ初めについては、手元にある自動車工学入門(第二版)では、以下のように記述されております。

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3章 3・14 新しい自動車用エンジンの開発 より

2. 電気自動車
 電気自動車開発の歴史は古く、内燃機関の発明より約20年前の1839年、イギリスの
R.アンダーソン(R.Anderson)が発明している。その後、内燃機関が急速に進むとともに、鉛電池が重すぎることや、数時間の感覚での充電の必要性から、改良が遅れていた。
 電気自動車は、内燃機関と比較して無公害で、アクセルペダルだけで無段式に速度の制御ができるなどの特徴をもつ。
現在鉛電池の代わりに、エネルギ密度の大きいニッケル-亜鉛(Ni-Zn)電池や、ナトリウム-イオウ(Na-S)電池などの開発と、交流モータの研究で、一般の実用化に機体がかけられている。

(引用文献 齋 輝夫,自動車工学入門 第二版,P45-46,2005,理工学社.)
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そんな訳で、技術的要素から言うと必須項目として出るのは、航続距離とバッテリの持続性の問題です。

 電気自動車は、当然の事ながら電気を消費して電動モータを回転させて駆動する訳ですが
実際に車に乗っている時は、電動モータの他にもエアコンや各種ライトやランプ類、
それに駆動モータを制御するコンピュータ基盤などの、多数の装置が稼働しています。
 これらの装置が、限りある電力を余計に喰っている訳ですが、発電機を内蔵している
他の内燃機関搭載型自動車とは違い、全ての電源をバッテリから賄っている電気自動車は
必要時以外は、省電力状態にしないと、かなり電力を浪費してしまいます。

簡単に言えば、停車時に毎回エンジンストップを掛けなければいけないのと同じです。
まあ、この問題に関しては制御屋さんのお仕事なので、努力次第で何とかなります。

次にバッテリの物理的・電気的容量の限界という物です。
これは電気関係や化学関係の本を読めば詳しく分かると思うので、割愛します。
なお、電気自動車に使われるバッテリーセルやユニットはこんな感じです。
(結構大きいし、基本的に電池類は重い)


最後に、電動モータの電力消費量を含む効率等の問題です。
これには車体重量などの重さが関係して来るのですが、電動モータの必要出力計算をし、
この計算結果から仕様で定められた定格電圧で電流量を割り出し、
電動モータの消費電力と持続時間というのを割り出せるという訳です。

まあ、条件によって色々と持続時間は変わる訳ではありますが、稼働中に余計な仕事をしなければ
バッテリーが干上がりにくくなるので、そこはエンジン搭載型の燃費と何も変わりません。

そうした上で、バッテリの平均持続時間を割り出す事になりますが
これは航続距離にも比例してきます。
自分の感覚では、日本国内に居て、一回の充電で300km前後走る事が出来れば
何とかなると考える訳ですが、この要求仕様をクリアしないと
いくら環境に良いだ何だと言われても、生産ラインにすら乗る事が出来ません。

そして、これらの諸問題を解決した上で、今度はちゃんと利益が出るレベルでの
販売価格帯に抑える為、色々と作業に入っていく訳です。
なので、どこぞの環境893や、某カナダのセンセと愉快な仲間達が言っているような事は
事実無根として捉えるべきなのです。
と言うか、アメリカなどの国土の広い国じゃ、充電環境に困るような所もあるし、
その国のインフラ充実率が、そのままエコカー等の普及率に関わってくるし・・・・・。


かなり長くなってしまいましたが、今回はこんな所でご勘弁ください。


※何か記述に誤りが有りましたら、米欄でご指摘下さいませ。

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6 コメント

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記事にされたのね~♪(・ω・)ノ (井上さん二人分の重さの男)
2009-03-28 20:52:17
SCARFACE1さん、こちらでは初めまして(・ω・)ノ
本当にこの電波記事見た時には頭痛しました。
個人的には電気自動車には興味が強いですが、あれ見たら萎えます。
郵政公社と宅配便会社が配達用に導入予定なのは良い話と思います。それなら航続距離に問題無いですし、数が出ますから製造コスト下げる事も期待出来るかと。(但し大モサ師匠の話見ていると厳しい感じが有りますが^^;)
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はっはっはっはっは>電波記事 (へぼ担当)
2009-03-28 21:40:51
 某美爾衣教師には困ったもので。
 技術のぎの字も分かっていないのは、まあ置いておくにして、実際に日本国内だけでも電気自動車が普及すれば、少々変えるだけで
「電気自動車の普及は、危険なプルトニウム利用を推進する原子力業界と政府のの陰謀なんだよ11!」
というテンプレが簡単に出来上がってしまうのが何ともはや。
 まあ、技術の分からない人に解説をするのは不毛ですが、分からないなら分からないなりに、陰謀論という妄想を振りまくのはやめてほしいと思うところですね。
 個人的には皆さん仰るとおり郵政公社と宅配便会社が配達用に導入予定のように、きっちり距離を区切れて、かつ使用頻度が一定している電気自動車に最適な業界にて大規模な試験を行っていただき、一般への市販への道を開いてほしいところ。
 ただ、そういうと私自身、もろ利害関係者ですので、陰謀論を広げるのでしょうね(大汗)。
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アハハハ・・・・・ (SCARFACE1)
2009-03-29 23:05:04
>井上さん二人分の重さの男
>へぼ担当

両氏とも、どうもです。
まあ、あのセンセの場合は、中身がもう手遅れの部類ですから
何とも言い難い事態ですが、基本的にエコカーの部類は
偉大なるビックモサーのお師匠様の仰せるとおりとしか
言いようが無いと思いますねぇ。

まあ、現行の環境規制対応車も、元は公害対策から始まったことを考えると
何とも面白い物なんですがねぇ。

まあ、さすがにモーターサイクルショーで電動二輪車は
自分は見ては来なかったですけど。

んでもヤマハが原付区分で出したしなぁ・・・・・・・・・。
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また原油が高騰すれば… (すの)
2009-04-19 23:20:28
仕事で東京→松島間を移動しながら考えました。距離は約500Kmでした。いくらなんでも途中2回はサービスエリアで休憩します。トイレに食事ですな。
もしそのわずかな時間(20分くらい)に充電できれば、航続距離なんて200Kmあれば十分かなぁと愚考しました。

リッター200円超えの時は、さすがに次はプリウスにしようかなと思ったくらい(現在はクラウン)。もうちょっとあの価格が続いていたら、我日本は世界で一番最初に電気自動車が普及してたかもしれませんね。
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Unknown (SCARFACE1)
2009-04-21 20:25:15
>すの氏

初めましてですかね?

20分でフル充電というのは、いささか欲張り過ぎではないでしょうか?
現状の急速充電器や対応のバッテリーでも、空の状態から充電完了まで
1~3時間ぐらいは、掛かる物ですし・・・・・・・・・。

まあ、たしかに電気関係のインフラ充足率は凄い物ですが
電気自動車が、どこにでも居るという環境にするには
まずは、どこのスタンドにも急速充電専用発電機が設置されていないと(ry

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Unknown (井上さん二人分の重さの男)
2009-04-26 02:14:34
>SCARFACE1さん、すのさん
私も一時期そう思った事有りますが、よくよく考えたら電気自動車まだまだ難しい事多いです。
MITSUBISHI iMiEVは80%急速充電30分ですね。SUBARUは15分ですが、これは容量が少ない為です。後80%なのは過充電の危険を避ける為だと思われます。何分電気自動車のバッテリーのエネルギーで過充電による爆発なんて起きたら恐ろし過ぎます。
某所(カナダの日本語教師じゃないよ)でも書いた様にRCでも一時期バッテリーで深刻な事故で欧州で問題になったりしてますからね。
TOYOTAがEVでやや慎重なのも使おうとしているバッテリーの信頼性確保とか有る様ですし。
そう考えるとテスラ辺りはちと不安感じる所有るのは、私だけでしょうか?(後舘内靖先生のEVの文にも時々そこまで言うと一般人が過剰な期待し過ぎて後で大変な事にならないか心配になったりもします)
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