昨年買っていたにもかかわらず、今頃、高橋克彦さんの「火怨」の上下巻を読みました。
二日で強引に読んだので、読み終えたあとグッタリで気分悪~。
全部で1049ページ。きれいにあとがきまで読破いたしました。ようやく790年代から戻ってきた感じです。読んでる間、完全に蝦夷にタイムスリップしてしまい、田村麻呂の見えない部下となって蝦夷を歩いてしまいましたという気分です(笑)
蝦夷の勇敢な男たちをこの目で見て参りました、なんちゃって^^。
平将門からまた、200年あまり遡った時代の歴史。劇団☆新感線のアテルイに惹かれて以来、アテルイという人物にも興味を持ってこの「火怨」をようやく読んだのですが。21年にもおよぶ戦の次第があまりにことこまかく書かれていて感動も並みではなく。平将門に負けない実直な男たちをまた知ってしまった・・・という感じがしています。
劇団☆新感線の物語は、ほとんど戦の終盤あたりの内容だったことがわかりました。少し展開は火怨とは違ってますが。
とにかく、この劇団☆新感線の「アテルイ」は、堤真一さんの田村麻呂は当然ですが、アテルイを演じた市川染五郎さんの華麗な演技にハマるきっかけとなってしまって、一番よく観る舞台のDVDになってしまっております。
実のところは戦いたいわけでもないのに、蝦夷と朝廷という相反する側同志に生まれてしまったアテルイと田村麻呂の因縁の記録のひとつひとつは、あまりにも切ない戦の物語。そんじょそこらのラブ・ストーリーなんかよりもよっぽどのラブ・ストーリーじゃないかと思ってしまいます。敵でありながらも心のそこで信じあうアテルイと田村麻呂。これがほんとの「恋におちたら」だわ!!って思いながら、この「火怨」の感想を書いております。
半分は堤さんと市川さんのイメージ。もう半分は私自身のイメージでの田村麻呂とアテルイですが。
二人ともこの時代の空気のように誠実で実直な武人の中の武人。そのうえ戦では知恵者でありました。この時代の戦は戦でもほんとうに純粋な戦で。戦に純粋なもんなんかあるのか?と言われても純粋な戦なんだからしょうがない。今のテロなどとはまったく違う代物!!
しかも、蝦夷はもともと、出雲の斐伊川(ひいかわ)が本拠地であったとまで書いてあれば、出雲に住んでいる私としては、胸がさわぐわけです。どうりで時々、出雲弁と東北弁は似ているなんて言われることがあるわけだったのだ。納得。
しかも斐伊川(ひいかわ)とは、のちの日の本(日本)という意味でもあったらしいとは、初めて知りました。
まさにアテルイも日本男児であったのだと、感激。その男に惚れた田村麻呂も朝廷に縁あった男しての運命を背負って蝦夷征伐と戦いつつも、最後にアテルイの処刑後には「自分も蝦夷の側に生まれたかった」と言った一言には涙がこぼれてしまいました。
どこまでもフェアに戦い、時には助け合い。今の日本には捜してもおそらくいないだろう、このアテルイと田村麻呂。
これがほんとのいい男なんだと思わずつぶやいてしまいました。
アテルイの部下の母礼(もれ)というものすごい知恵者にも感動。蝦夷の土地を充分すぎるくらいに利用した戦法には唸りました。
もっともこの戦の原因は、朝廷軍が東北に出てしまった黄金欲しさと蝦夷は獣と罵しって人扱いされなかったことが原因。21年間の数度の戦は、一度も蝦夷からは仕掛けられていない事実にも悲しさが伝わってきました。
歴史小説が大好きな私のお気に入りの物語がまた1冊増えました。
この「火怨」をベースにまた、劇団☆新感線の「アテルイ」を観れば感動は100倍になりそうです。
ほんとに染ちゃんと真ちゃんはアテルイと田村麻呂のご降臨じゃないかと思うくらい、他に演じるにふさわしい方がいない!!間違いなく、アテルイと田村麻呂なのです!!
劇団☆新感線のキャスティングも天才的。このDVDで一番好きで感動的なシーンは、やっぱり刀をアテルイに渡したあと、田村麻呂が自分の刀を抜くシーンと「俺も人です」という田村麻呂の一言。刀忘れた田村麻呂もいたらしいけど(笑)
一緒に買った「阿修羅城の瞳」があんまりおもしろくないと思ってしまうほどに、よくできている「アテルイ」。中島かずきさんが賞をいただかれたのも頷ける作品でした。
この先、この作品と勝負してくれる作品はないもんでしょうか??
それは、たぶん、作品というよりは、アテルイと田村麻呂という日本を代表する男と勝負できるような男の話でなければ、話になんない!と思うのですが。
アテルイに何度も嵌められながら、自分の役割を果たす形になった朝廷軍の田村麻呂。でもその姿は、もう一つも見方をすれば、知らない間に、充分に「蝦夷」(えみし)の側の人になっている田村麻呂のようにも思えましたよ、と言ってあげたい気分です。
ああ、世にも清清しい戦でござりまする!あっぱれアテルイ、あっぱれ田村麻呂。あっぱれ高橋さん!あっぱれ劇団☆新感線!
いい作品に出会うと、今死んでも悔いはないかも・・。と思ってしまいます^^。
それにしても私の好きな作品はたいがい「吉川英治文学賞」を受賞されております。すごい!!
二日で強引に読んだので、読み終えたあとグッタリで気分悪~。
全部で1049ページ。きれいにあとがきまで読破いたしました。ようやく790年代から戻ってきた感じです。読んでる間、完全に蝦夷にタイムスリップしてしまい、田村麻呂の見えない部下となって蝦夷を歩いてしまいましたという気分です(笑)
蝦夷の勇敢な男たちをこの目で見て参りました、なんちゃって^^。
平将門からまた、200年あまり遡った時代の歴史。劇団☆新感線のアテルイに惹かれて以来、アテルイという人物にも興味を持ってこの「火怨」をようやく読んだのですが。21年にもおよぶ戦の次第があまりにことこまかく書かれていて感動も並みではなく。平将門に負けない実直な男たちをまた知ってしまった・・・という感じがしています。
劇団☆新感線の物語は、ほとんど戦の終盤あたりの内容だったことがわかりました。少し展開は火怨とは違ってますが。
とにかく、この劇団☆新感線の「アテルイ」は、堤真一さんの田村麻呂は当然ですが、アテルイを演じた市川染五郎さんの華麗な演技にハマるきっかけとなってしまって、一番よく観る舞台のDVDになってしまっております。
実のところは戦いたいわけでもないのに、蝦夷と朝廷という相反する側同志に生まれてしまったアテルイと田村麻呂の因縁の記録のひとつひとつは、あまりにも切ない戦の物語。そんじょそこらのラブ・ストーリーなんかよりもよっぽどのラブ・ストーリーじゃないかと思ってしまいます。敵でありながらも心のそこで信じあうアテルイと田村麻呂。これがほんとの「恋におちたら」だわ!!って思いながら、この「火怨」の感想を書いております。
半分は堤さんと市川さんのイメージ。もう半分は私自身のイメージでの田村麻呂とアテルイですが。
二人ともこの時代の空気のように誠実で実直な武人の中の武人。そのうえ戦では知恵者でありました。この時代の戦は戦でもほんとうに純粋な戦で。戦に純粋なもんなんかあるのか?と言われても純粋な戦なんだからしょうがない。今のテロなどとはまったく違う代物!!
しかも、蝦夷はもともと、出雲の斐伊川(ひいかわ)が本拠地であったとまで書いてあれば、出雲に住んでいる私としては、胸がさわぐわけです。どうりで時々、出雲弁と東北弁は似ているなんて言われることがあるわけだったのだ。納得。
しかも斐伊川(ひいかわ)とは、のちの日の本(日本)という意味でもあったらしいとは、初めて知りました。
まさにアテルイも日本男児であったのだと、感激。その男に惚れた田村麻呂も朝廷に縁あった男しての運命を背負って蝦夷征伐と戦いつつも、最後にアテルイの処刑後には「自分も蝦夷の側に生まれたかった」と言った一言には涙がこぼれてしまいました。
どこまでもフェアに戦い、時には助け合い。今の日本には捜してもおそらくいないだろう、このアテルイと田村麻呂。
これがほんとのいい男なんだと思わずつぶやいてしまいました。
アテルイの部下の母礼(もれ)というものすごい知恵者にも感動。蝦夷の土地を充分すぎるくらいに利用した戦法には唸りました。
もっともこの戦の原因は、朝廷軍が東北に出てしまった黄金欲しさと蝦夷は獣と罵しって人扱いされなかったことが原因。21年間の数度の戦は、一度も蝦夷からは仕掛けられていない事実にも悲しさが伝わってきました。
歴史小説が大好きな私のお気に入りの物語がまた1冊増えました。
この「火怨」をベースにまた、劇団☆新感線の「アテルイ」を観れば感動は100倍になりそうです。
ほんとに染ちゃんと真ちゃんはアテルイと田村麻呂のご降臨じゃないかと思うくらい、他に演じるにふさわしい方がいない!!間違いなく、アテルイと田村麻呂なのです!!
劇団☆新感線のキャスティングも天才的。このDVDで一番好きで感動的なシーンは、やっぱり刀をアテルイに渡したあと、田村麻呂が自分の刀を抜くシーンと「俺も人です」という田村麻呂の一言。刀忘れた田村麻呂もいたらしいけど(笑)
一緒に買った「阿修羅城の瞳」があんまりおもしろくないと思ってしまうほどに、よくできている「アテルイ」。中島かずきさんが賞をいただかれたのも頷ける作品でした。
この先、この作品と勝負してくれる作品はないもんでしょうか??
それは、たぶん、作品というよりは、アテルイと田村麻呂という日本を代表する男と勝負できるような男の話でなければ、話になんない!と思うのですが。
アテルイに何度も嵌められながら、自分の役割を果たす形になった朝廷軍の田村麻呂。でもその姿は、もう一つも見方をすれば、知らない間に、充分に「蝦夷」(えみし)の側の人になっている田村麻呂のようにも思えましたよ、と言ってあげたい気分です。
ああ、世にも清清しい戦でござりまする!あっぱれアテルイ、あっぱれ田村麻呂。あっぱれ高橋さん!あっぱれ劇団☆新感線!
いい作品に出会うと、今死んでも悔いはないかも・・。と思ってしまいます^^。
それにしても私の好きな作品はたいがい「吉川英治文学賞」を受賞されております。すごい!!
圭子さんは、「風の陣」「炎立つ」は読みましたぁ?
これらもスッゴク面白かったんだけど・・・。
時代的には、「風の陣」がアテルイの前、「炎立つ」がアテルイの後。
で、「風の陣」は、まだ続いているので、次の単行本が出るのを楽しみしている所です。
コメントしてくれると思ってました^^。
いや、もうほんと「火怨」は面白いし、感動だし。スケールが大きかったです。この時代の話ってけっこう面白くて興味あります。炎立つは、大河ドラマ観てたけど、あまり記憶に残ってない。
「風の陣」面白そうですね。「炎立つ」も「風の陣」も絶対読みたいので、本屋さんに行きます!!
大作だけど、ホント面白いからガンバってね!
ほとんど、よみました。
一番初めは、新聞に連載されていた、そうやもん(漢字が思い出せません) だったかな
はまりました。
でも、いろいろ読んでいくと、なんか、ワンパターンが見えてきて
いまは、全然よんでないなあ。
.
でも、横尾忠則さんとの対談を読むと
「結果の映像(ビジョン、イメージ)が見える人は、それを実現できる」というような事を、2人が言っていたので、すごいひとたちだなあ.....
という感じです.
高橋さんのワンパターンですか。まだハマったばかりで見えませんです(笑)
まだ時代小説しか読んでないです。今は蝦夷の話にハマりまくっています。高橋さんはいろんな分野で書いていらっしゃってスゴイと思います。
「結果の映像(ビジョン、イメージ)が見える人は、それを実現できる」とは、先を想像して、それにむかって頑張りきるということと同じことなんでしょうか?自分が成功する姿を描いて頑張るという話はよく聴きますが。
なんとなく高橋さんの本読んでると、映像(ビジョン、イメージ)が見える人って、昔の陰陽師のような感じがしてしまいます^^。
結果をイメージできる事は、実現したと同じこと。いや、必ず実現できるってことですかね!
孫正義も同じようなことを言ってます.
ありがとうございます!
>アテルイ以前にアテルイの悲劇的なことが出雲で起っていた。
そんな感じのようなことは書かれていました。
もっと日本文明を勉強する気になったら捜してみたいです。
今は、アテルイのひとつ前の「風の陣」にハマっているので。少しずつさかのぼってみたい気はします。
そうすると、がぜんあの有名な山陰の青銅器時代がおわり日本海沿岸に四隅突出墳丘墓が作られ鉄器の製造が行われたあたりに感心が行きます。当時は、西谷と安来-妻木晩田の2大勢力が形成され、そのどちらかがヤマト王権となったと考えられるのですがどちらなんだろうと思ったりもします。
神話的な観点からも安来には古事記にも記されたイザナミ神の神陵地がありますし、西谷の近くにはかの有名な出雲大社もあり魅力をそそります。
コメント、どうもありがとうございます。
薮田絃一郎著「ヤマト王権の誕生」、とても興味深いです。
読んでみたいと思います。
出雲の土地は、掘れば遺跡、古墳にあたっちゃいますから^^。
ほんとに、謎な神秘な土地に住んでるんだなあと思います^^。
国引きというくらいなので、国を興したのは、間違いないのでしょうけれど、もっと、くわしいこと、知りたいですよね^^。