CFP (ケースフィードプログラム)の事例から紹介しましょう
T0 :今日はどういった相談で来られました?(OQ)
C1 :はい。実は、ちょっと、3年くらい暖めている記事がありまして。で、もうあと出すだけってところまで来てたんですけど…、「ちょっと直したほうがいいな」ということで、そのあと、大分もめたので、そのままになっちゃって、
で、どうしようかな、どうしようかなって思っているうちに3年4年経ってしまって…。
もう、いいかなっていう気持ちもあるんですけど、でも、せっかく今まで書いたので、もう一度出そうかなって気持ちもあって…。まぁ、全然ほったらかしで…。今読んでも、自分でもちんぷんかんぷんで…どこをどう直していいか分かんなくなっちゃったんですよね。
T1 :そうすると、まぁ、あの〜、一生懸命書いた記事があって、「直して出したらいいよ」って言われたことがあって、せっかく書いた、一生懸命書いた記事なので出したい気持ちがある一方で、時間が経過しすぎているから、どうやって手直ししたらいいのかなという気持ちもあるということですよね…。(CR)
C2 :うん。うん。
T2 :(アイコンタクトでうなづきながら)そうすると、どこか手直しがきちんとできたら、雑誌に掲載したいな、という気持ちもあるということ。(CR)
C3 :そう…ですねぇ…ずっとあたためてきましたからねぇ。
T3 :一生懸命書かれてきたんですよね。(CR)
C4 :その時は。
T4 :うん。うん。
C5 :うん。追い詰められないと、書けないんですよ。その時も、今の出版社を退職するまでには書こうと思って、それで書いたんですけど…。見てくれる人がいて、「ちょっと、これじゃ分かんないよ」って言われて、論調とか構成とか…じゃあ、どこ直せばいいの?って。それで、そのあと書くのをやめちゃったので、それっきりになってしまっちゃったんですよ。
T5 :なるほど。そしたら、まぁ、あの…、その今掲載したいというか、出したいというか、投稿したいというか、そういったお気持ちを、まぁ、ご自身にとって、全然大切じゃないし、どうでもいいやっていうのを0として、やっぱり、是非雑誌に掲載したいなっていうのを10とした時に、どれくらい雑誌に掲載することって重要ですか?(CQ)
C6 :重要でですか?
T6 :ええ、数字で表すと。
C7 :重要度は、まぁ6から7くらいですかねぇ。
T7 :あぁ、なるほど。0じゃないし、4とか5ではなくて、6とか7もあるその理由っていうと、例えば?(OQ) 重要度の尺度化
C8 :うーんそうですね。まぁ、同じようなこと、まぁ国際的なものまで調べていないのでそこはわからないですけど、同じようなことを書いている人は多分、まだいないと思うし。面白い結果も出たし、せっかくの形として残しておきたいなって。
T8 :それがまだ未発表であって、同じような似たようなことを書いている人が、知るかぎりではいないと…、結果も、まぁ伴っているし、これは雑誌に掲載すると、けっこう注目されるんじゃないかなと…。(CR)
C9 :注目は別に…期待してないんですよね。ただ、まぁ、やっぱり、結果が出たってことは残しておきたい。
T9 :あぁ、せっかくやって結果もでてるから、それはきちっと自分の成果として、やったものは残しておきたい…(SR)
C10 :うん。
T10 :残すことで、ご自身がこれまでやってきた証みたいになりそう…(CR)
C11 :うん…そうですね。
T11 :残すことが、自分にとって大切…(CR)
C12 :(うなづく)
T12 :そうすると、それをこう、出そうということを決意したとして、そうですねぇ、完成させて出す時に、出せるという自信は…(CQ) 自信度の尺度化
C13 :自信がねぇ…、それが2とか3くらいなんですよ。
T13 :なるほど、じゃあ、その2や3っていう部分は、どんな…どういうふうな自信ですか?(OQ) ???
C14 :うーんとですね。うーん。まず、あの所属していた出版社の編集長が今年の3月で定年退職なんですね、それに間に合えばと、ずっと思ってたんです。でもあと1ヶ月もない、時間がなさすぎる、その間に直して、またちょっと新しい記事を探して、見てもらって…っていうのに間に合わないだろうって…
T14 :うん。うん。そうすると、こう、見てもらって、何かこうきちっと評価してくれる人がいれば、少しは自信になりそう…(CR)
C15 :そうですね。別な上司が…まぁ、「直したほうが良いよ」って言ってくれた上司が、直したらすぐみてくれるよって言ってくれてたんですよ、随分前に。それを、他のことで忙しいからと理由をつけて、なぁなぁにしてきて、申し訳ないんですけど、ずっとやってないんですよねって感じで…
T15 :なんかこう、そういうふうに直したほうが良いよ、いつでも見てあげるよっていう上司に対して、時間が開きすぎちゃって、せっかくの好意に対して、申し訳ないなって…(SR)
C16 :申し訳ないなっていうのもあるし…あぁ、出来なかったっていうのもあるし…
T16 :なるほど。もし、その上司が今でもみてあげるよってことがあったとしたら、是非見てもらいたいとも思う…(CR)
C17 :見てもらいたいと思うんだけど、それが私にはできない。
T17 :ほう、ほう…
C18 :見てもらうまえに、まだ直してないから…見せられない。
T18 :その見てもらう上司というのは、今度定年退職される編集長とは違うんですよね。(CQ)
C19 :(うなづく)
T19 :そうすると、まぁ、時間的な部分では、編集長の定年に間に合わなくても、見てくれるということが分かれば、少し時間的な部分は解消されそう。(CR)
C20 :まぁ、聞いてみないとわかんないですよね。
T20 :(うなづく)
C21 :沈黙
T21 :少し、お話を整理させていただきたいんですけども…。3,4年前に書いた記事があって、それは非常に世間でもやられていない内容で、結果も伴っていた。それを自分の仕事として残しておきたいという気持ちがあって、それを行うためには見直しが必要と、そしてそれを見てくれる上司もいる。その上司がもし、今でも、自分が書き直しをして、そして見てくれるということを言ってくれたら、それを出してもいいかなとは思っている。そんな感じ…。それに対して、何か付け加えるとしたら。(SR)
C22 :一番の障害は、でも…編集長、だと思うんですね。
T22 :編集長…(SR)
C23 :うん。編集長と書いてたんですよね…
T23 :編集長が定年された後に出すと、全く意味が無くなってしまう…(CR)
C24 :意味がないっていうか、意味が無いっていうよりも…、ちょっと辞める時にいろいろあったんで…
T24 :うんうん。
C25 :それで…果たして受け取ってくれるのかなって、それが一番、理由かなって。
T25 :編集長が見てくれるかどうかが、一番の心配なところ、せっかく作ったのにっていう。(CR)
C26 :そうそう。
T26 :せっかく作っても、っていうところがあるんですね。(CR)
C27 :(しっかりとうなづく)
T27 :なるほど、良い記事であっても、見てくれないような事があったということ。(CR)
C28 :そうなんですよ!私には無いんですけども、他の人に対して…その人も編集長とトラブルがあって、辞めちゃった後に、記事にしたのを出したら、「もう、時間切れですね」って言われて、却下されたということを聞いたので…私もそんなふうにされたら、どうしよう…って。
T28 :せっかく一生懸命手直しまでして出したものが、「そんな昔の物を出されても」 ってなると、なんだか、悲しい気持ちになってしまう…。(CR)
C29 :そうですね(深くうなづき、涙を浮かべる)…………。すみません。
T29 :そうすると、まぁ、あの…、せっかくやったものを、成果として残したものを、認めてくれる人が、きちんと出してくれるということが、分かれば、頑張って書けそうということ。(CR)
C30 :そうですね。
T30 :編集長は定年退職されるという事なんですが、定年後も評価を下すのは、出すか出さないかを決めるのは編集長が決められてしまう。(CQ)
C31 :まぁ、所属していたところでやった仕事なので、編集長の名前も入れずに出すというのは…ちょっとねぇ、どうかなって思うし。
T31 :編集長の許可が必要。(CR)
C32 :そうでしょうね。
T32 :それがひっかかっている以上は、もう、諦めるしか無いってこと。(CR)???
C33 :これまでは、そう思ってました。
T33 :今までは、そう思ってた。(SR)
C34 :(うなずく)
T34 :今は、何かできることはないかなってことを、探してらっしゃる。(CR)
C35 :そう、ですね…。あんまり変わってきてないけど…でも、ダメ元で?来週が最後の、今の出版社での仕事なので、その時に、挨拶をかねて、「まだ大丈夫ですか?」って聞いてみる?
T35 :うん、うん。
C36 :まぁ…大丈夫って言われたら、ちょっと直してみようかな…。
T36 :先に確認をとってから、「いいよ」って言われたら、少しやる気になる…(CR)
C37 :そうですね。
T37 :そうすると、まぁ、せっかくやったものが出せるかどうか心配だし、受理してもらえないとなると悲しいので、逆に、順番を入れ替えて、まずは確認をとってからだと、頑張れそうということ。(S)
C38 :うーん。そうですね。
T38 :来週行った時に。(SQ)
C39 :来週って言っても、あと2日だから…あぁ、どうしよう、どうしよう。まぁ、ちょっと、それまでの会話でスムーズにいけば、トライできるかもしれない。
次回は、ステップ1.カウンセリングを行った人自身から、
うまくいっているところ、気に入っていることろを、具体的に書き出してみるステップです。