「吉田拓郎コンサート2019 Live 73 years」と言う名の中高年の集いに行ってきた。
先日の「南こうせつ」の日比谷野音に次いで今年2度目の中高年の集いで、「こうせつファン」とも「YAZAWAファン」とも様子が違う5千人以上のご同輩が、身分証を提示しながらの入場に大行列を作った。
ロビーでは多くの中高年がワインやビールを飲んで開演を待っているが、トイレ大丈夫なんだろうかと他人事ながら思う。
ちなみにミネラルウォーターのペットボトルが1本300円!(◎_◎;) 帝国ホテル料金だっ。
席は2階の10列67番で、ステージ上の人物が親指くらいの大きに見える。
「YAZAWA」の東京ドームの時と同じように階段を手すりにつかまって「よっこらしょ」と上がってくる人や、杖をついて介助されながら席につく人があちこちで見られる。
この人たちの中には44年前、親に「不良!!」呼ばわりされながらつま恋で朝まで「たくろー !! こうせつー!! 」と叫んだ人もいるに違いない。
すごい倍率で自分の名前入りのチケットを手にして、「今日で最後かも・・・」の思いで開演を待っているのはこちらも同様だ。
ボソッと照れるような感じでスポットライトの輪の中に浮き出た「拓郎」が、いきなりイントロなしで「今日までそして明日から」を唄い出す。
そして唐突に終わる、エッ⁉
それからガンガンバンド演奏が始まり、かつてのアルバムの中の予想だにしなかった曲が続く。
ひとしきりあってMC。
それによると盛り上がる定番曲の「落陽」「春だったね」やヒット曲は封印したんだそうな。
こちらが聴きたいという曲と「拓郎」がいま歌いたい曲は違っていて、こちらに馴染みのない曲を歌うのが気持ちいいんだそうな。
天の邪鬼の自分だけれど、これからも歌に関わり作ってゆくと宣言し、近々同じ年頃のお爺ちゃんと二人だけであって何やら密談するらしい。
かつては酒を飲む席に積極的に出向いて武勇伝の数々を作った「拓郎」も、今では酒席は断り甘いものに誘われるんだそうな。
誘ってきたお爺ちゃんにお気に入りのスイーツのリクエストをして、楽しみにしているんだそうな。
今回のコンサートは北は宇都宮、南は名古屋と前回より範囲は広がったものの、新幹線に乗りたくなくて日帰り圏内でコンサートをしたいという。
でもそのお爺ちゃんからそろそろ全国ツアーを勧められそうな気配があるそうな、それがまんざらでもなさそうな口ぶりだ。
そのお爺ちゃんは「小田和正」なんだって、仲良いなぁ。
という経緯を語りながらも、まったくアレンジの違う「流星」や「恋の歌」なども交えながら歌う。
周りから聞こえてくる中高年のつぶやき「ぜんぜん知らない歌ばかり・・・」。
「YAZAWA」のコンサートでタオル投げの定番曲がなかなか歌われなかった時の反応に似て、盛り上がって青春時代に帰りたい人たちには物足りない展開だが、「全部だきしめて」の変な振りやなんでもスタンディングするノリは好きじゃないし、世間の反応や期待をいい意味で裏切るのは「拓郎」流だと思い返す。
フォーク全盛の時に自分はフォークソングを歌っているんじゃないといい、フォークギターをエレキに持ち替えた時「もう終わったな」と言って離れていく人もいたし、CMソングを作れば「コマーシャリズムに身を売った」と非難する人もいたし、アイドル歌手に曲を提供したらミーハーと言われ、それがヒットすると手のひら返しのマスコミ、そりゃまあいろいろあったよなぁ。
ヒット曲ひとつで食っている演歌歌手ではないし、常に現役で膨大な楽曲を作り続けているのだから、自分の中での掘り起こしみたいにマイナーな曲に光を当てるのもアリなのだろう。
とはいえ・・・、こちらとしても「Long time no see」なのだからせめて「唇をかみしめて」くらいは聴きたかった。
アンコールで「今はまだ人生を語らず」を歌ったけれど、もう70過ぎてるんだから今こそ人生を語ってくれよー !!
不完全燃焼で東京フォーラムを出て、盛り上がらないままビールを一杯飲んで帰路に着いたが、次回に期待だ。
元気なお爺ちゃん「小田和正」に焚きつけられて、「拓郎」が再びツアーに出ることを願う。
コメント一覧
mogmas
おちゃらか爺
最新の画像もっと見る
最近の「迷想雑記」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事