しかもこのオヤジにわかるように調子こいて、墓穴を掘るのである。
一昨日、鉄板も生ビールもお掃除して帰り支度をしているところへ、上機嫌で現れた酔っ払いは、カウンターに座るやなんか飲ませろと、そして付き合えと駄々っ子のようにねだるのだった。
何がそんなに嬉しいのかと水を出しながら聞くと、師匠に子供が誕生したことが嬉しいから飲みたいのだと主張する。
そりゃこのオヤジだって嬉しいに違いないが、それにかこつけて飲み過ぎるってのはどうよ😡
そんなこと言わないで一緒に飲みましょうよと、ヘラヘラオネェみたいに品を作るので、先ずその水を一杯飲み干せと言うと、ブツブツ言いながらこぼしながら水を煽り、さあ酒を出せという顔をして顎をしゃくった。
その顎の先には、先日仙台から持ち帰った泡盛「南光」の古酒44度があった。
なんという愚か者、すでにベロベロな状態なのに「南光」を一口でも舐めたら、一瞬で沈没するに決まっとろうが👊👊
フン、身の程知らずめが、そこまで言い張るならロックでグイっと飲みやがれ‼️
飲みやがった挙句がこれだ😧

オレのハルカとチューしてやると、ポスターにブチュ~😧
それで満足したのか座りこみ、口数が少なくなったと思った瞬間船を漕ぎ出した。
かつて数々の蟒蛇の酔っ払い共がこうしてカウンターに突っ伏して撃沈したのを見てきたので、しばらくそのまま放っておいて帰り支度をすすめた。
だがいつまでも酔っ払いをそのまま寝かしてやるほど、このオヤジは寛容ではない。
取りあえず最初は優しく揺り、続いて肩を叩き、わき腹をくすぐり、耳の穴をコチョコチョしだが、こんな酔っ払いの常としてガンとして目を開けない。
それではと、取りい出したるは角氷ひとつ。
沖縄かぶれのアーユルヴェーダ野郎にも、ついこの間富士宮へ避難した岩みたいな顔をした野郎にもご馳走してやった気つけアイテムのひとつだ。
背中からちべたいのを入れてやると、もぞッとして嫌がるが頑固に顔を上げない。
で、もうひとつサービスしてやると、ヒクヒクして「やめてぇ~」とオネェ声。
すかさず襟首をつかんで起き上がらせ「帰るぞ ! 」と言うも、「どうぞ・・・」とかなんとかいってまたへたり込んでしまう。
「ほんとにカギを閉めて帰っちまうぞ !! 」と言っても、「はい・・・、おやすみなさい・・・」
どうしようもないバカだ。
じっさい過去に、テコでも動かなかった蟒蛇の酔っぱらいを放置して、本当にカギもシャッターも閉めて帰ってしまったことがあったが、この男の場合はまだそれほど重症ではないから、子供を諭すように言い聞かせ起こして店を出た。
フラフラしているので、おくって(連行して)行こうかというのを振り切り、「大丈夫ですよ。ぜんぜん酔ってないから・・・」などと言うが、酔っぱらいの酔っていない発言ほどいい加減なものはない。
しかしもうガキじゃないのだから自己責任で行くがよい、どうせこんなやり取りだって記憶にないに違いない。
そしてその晩は別れた。
次の夜。

どこでどうしてぶつけたら、こんなに見事な麻呂になれるのだろう
やはりぜんぜん記憶がないのだという。
バカだ、やはりバカだ、りっぱな大バカ野郎の、遅すぎた蟒蛇野郎だ。
ほんとにワテクシは、酔っぱらい共のお世話係りではないのですよ。
たのむからこのワテクシを気持ちよく酔っぱらわせてクロサイ。
そしてお世話してクロサイよ。
ほんまたのむで、しかし