お好み夜話-Ver2

まさかの混浴学会

長野県更埴市のお寺で法要を済ませ、親戚一同車に分乗して向かったのは、本日の宿「七味温泉」。
信州高山温泉郷の最深部、奇しくも去年絶不調に陥った万座温泉へは、山をひとつ超えれば行ける立地だ。

その時点まで奇跡的にも、おときの席で献杯とビールを一口飲んだだけで、酒好きの親戚連中の追求をかわして、すべてを夜に持ち越していた。

標高が千メートルを超えると、さすがに空気がひんやりする。
「山田温泉」や「五色温泉」を通り過ぎ、「七味温泉・ホテル渓山亭」に到着したのは午後3時過ぎ。
すでに飲み部屋で盛り上がっている叔父やいとこをやり過ごし、持参したウェアに着替えてシューズを持ってフロントへ降りた。

周辺の情報を聞くと、ここより上の方では熊が出没したというので、行き道にチェックした「滝の湯」まで走ることにした。

走り出してすぐに息が切れた。
標高1200メートルを超えた上り坂は甘くない
平地の1キロが数倍になる負荷がかかり、腿の裏側のハムストリングスが悲鳴をあげる。
だがひんやりした空気のおかげで、汗がすぐにどこかへ消えるのが気持ちいい。
湯の色が五色に変化するという「五色温泉」は、すでに外来入浴の時間が終了していたので、選択肢はその先の「滝の湯」しかなかったのだが、車で通ってきた道だからとタカをくくっていたことを少し後悔する距離だった。
車の往来もまばらな山道を、タオルを握りしめて走っている己の姿がおかしかった

アップダウンとカーブをいくつか過ぎ、「滝の湯」に到着し、「松川渓谷」の河原へ下りていく途中の受付で入浴料500円を払った。

その時までまったく気がつかなかったが、なんとここは混浴だった
思いもよらず「日本混浴学会」の開催だ

とはいえ、ヘンなスケベ心などなく、ひたすら温泉に浸かりたいという欲求で野天風呂に入ったら、すでに妙齢の女性が3組も浸かっていて、思わず股間をタオルで隠した。

川のせせらぎ、風に揺れる木々の葉ずれ、鳥の囀り、混浴温泉
気持ちいい~

けど待てよ、おっさん アンタ帰りも走ってくんでっせ

そ、そうだったぁ~~~

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