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雨姫さま

2006-07-20 | 漫画・小説・本
以前昔読んだ童話や世界文学全集の話題が出たときに、
印象に残っていた話。
あらためて読むと、当時の挿絵が脳裏に浮かぶ。

岩山の途中に寝そべっている女性。
今ならホームレスって感じ。

ボロボロの女性が井戸の蓋を開けると、
水煙の中で美しく変身するあたりがファンタジーですねぇ。

んで、美しい雨姫さまと自分のボーイフレンドを会わせちゃうと、
ヤバイって思うあたりが現代にもありがち。


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雨姫さま/シュトルム作

ネタバレ内容:


昔、ある村で干ばつが続いていた。
牧草農家の主人だけは牧草地を買い取って裕福。
そこへシュティーネという女性が、
干ばつで借りたお金が返せないと言いに来た。

主人は、「お金を返せないなら、娘のマーレンにちょっかいを出している、
(シュテーネの息子)アンドレースをどうにかしろ」と無理を言う。

シュティーネは、
「長い間日照りが続いているのは、雨姫さまが眠っているせいだ」と言う。
昔シュテーネのひいおばあさんが呪文を唱えて起こしたことがあったらしい。

農家の主人は、雨姫さまを見つけて雨を降らせることができたら、
娘のマーレンをアンドレースの嫁にしてやると約束する。

シュティーネが「日照りが続いているのは火男が悪さをしているせいだ」という話をしたとき、
息子のアンドレースが帰ってきた。
「真っ赤な上着に赤いとんがり帽子の小男がぶつぶつ言いながら悪さをしていた」
その小男が繰り返していた言葉こそ、雨姫さまを起こす呪文。
火男だった。

アンドレースが再び火男に雨姫さまの居場所を聞き出そうとした。
火男は口を滑らせ雨姫さまの眠っている場所への行き方を教えてしまう。

翌朝、マーレンとアンドレースは照りつける日差しの中、
ひいおばあさんが残してくれた蜂蜜酒を持って、
雨姫さまのもとへ出かけていった。


森の奥。
老木の柳の空洞の中を火男に言われたとおり進んでいくと、
見たことも聞いたこともない場所にやってきた。
そこは、燃えるような空気が目の前でちらちらと眩く揺れているような、
灼熱の暑さに満ちていた。

二人はやがて歩けなくなり、蜂蜜酒を開けた。
小瓶のふたを開けたとたん、何千何万という花が咲き誇ったようないい香りがし、
一口飲んだだけで完全に生気を取り戻して二人は生き生きと元気になった。

しばらく歩いていくと目的地に到着したようなので、
アンドレースはその場に残り、
マーレンはひとり恐怖に震えながらも先を進んでいった。

灰色のヴェールにつつまれた女性が横たわっていた。
頬がたるみ目はくぼみ唇は色褪せ金髪には枯葉が絡み合っている。
マーレーンは女性の耳元で呪文を唱えた。
雨姫さまはついに目を覚まし、マーレンは日照りで困っていると話した。

雨姫さまは雨を降らせるためには井戸の蓋を開けなければならないという。

勇気を振り絞り井戸までたどり着いたマーレンが蓋を開けると、
すがすがしい霧が底から湧いてきて、湿った水滴がそこら中に立ち込め、
雲のように上へと立ち込めてきた。
雨が降った。

雨姫さまは美しい姿に変身。
遠い昔は常に女の人が訪ねて来てくれていたけど、
めっきりと来なくなったので、退屈と暑さで眠り込んでしまっていた。
その間に火男が勢いを増していった。

雨姫さまは「以前若い娘が訪ねて来たので、
蜂蜜をあげたのが最後の贈り物だった」と話した。
マーレンはそれが自分のひいひいおばあさんで、
蜂蜜酒のおかげでここまでくることができたと伝えた。

雨姫さまはマーレンをアンドレースのところまで送ってくれたが、
美しい雨姫さまをアンドレースに引き合わせることに不安を感じたマーレンは、
途中で雨姫さまに別れを告げた。

二人が村に戻ると村人たちからは笑顔で迎えられた。
そしてマーレンの父親も二人を認め、結婚式を挙げることができた。
そのとき雨姫さまが祝福してくれたかのように、
花嫁の花冠の上に雨の滴がいくつか落ちてきた。

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