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シャンプーの歴史③

2010-10-20 | シャンプー
アミノ酸系界面活性剤が使われるようになったのは、ラウレス硫酸Naとラウリルベタインの組合せのずっと後になります。

当初、アミノ酸系界面活性剤の配合は、「ラウレス硫酸Naとラウリルベタイン」の黄金コンビに対して数%配合される程度でした。配合目的は「痒みの改善」です。

ラウレス硫酸Naとラウリルベタインでも乾燥して痒みを訴える顧客相に対して抜群の人気が出たのです。後に化学的に見た点では、アミノ酸系界面活性剤が、アニオンとしてのラウレス硫酸Naの刺激を抑えるものだったと思われます。

その後に、更に違った目的でアミノ酸系界面活性剤は配合されることになります。当時、シャンプーやボディーシャンプーは、「振り出し式」でした(今は、殆どがポンプ式ですよね)。

ラウレス硫酸Naとラウリルベタインの黄金コンビは、すごく増粘する(とろみが出る)のですが、逆にとろみが出過ぎて、振り出し式では中身が出にくくて仕方ありませんでした。そこに、アミノ酸系界面活性剤を数%配合すると、ストンッととろみが減って、中身が出やすくなったのです。そう増粘剤の逆の仕事をする目的で配合されたのです。

その後やっと、アミノ酸系界面活性剤は、選択洗浄性という洗浄機能が着目されるようになります。選択洗浄性とは、肌バリア成分であるコレステロールなどを肌に残したままゴミや垢を洗い流す仕事のことです。ですから、髪に付いたワックスとかオイルなんかは石けんや通常のアニオン界面活性剤同様に洗い流してくれます。


ネットでは、「アミノ酸系界面活性剤は洗浄力が弱い」といいますが、決してそんなことはありません。ただ、不必要に持っていかないのです。

ラウレス硫酸Naとラウリルベタインの組合せのシャンプーや石けんのボディーシャンプーのようなすっきり感を感じるのは、肌バリア成分までもっていって乾燥しているからです。その乾燥を「すっきり」と勘違いしているのです。通常の健康肌なら、この乾燥を自分の機能で復元できますが、アトピーを初め弱い肌質の方は、修復まで時間が掛ってしまい、その間に更に乾燥して、痒みを感じます。

最後に、こういった開発の最後に、ノニオン界面活性剤が配合される処方が生まれます。その理由は、デシルグルコシドやラウリルグルコシドなどのノニオン界面活性剤は、水溶液中でアニオン界面活性剤が直接肌に触れることを防ぎます。ノニオン界面活性剤がアニオン界面活性剤を包み込むような形になって、アニオン界面活性剤の力をソフトにする他、肌へ残ることを抑制するのです。

このように時代と共に、処方技術もどんどん向上しています。

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わかりやすい説明でしたでしょう。。(^^


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