シニアなシステム屋の身辺事情

そろそろ現役引退してもいいようなトシなのに生涯現役をめざすシステム屋の身の回りの出来事・・

IT技術者が減ってゆく?

2006-03-04 18:09:00 | Weblog
先般、大学の恩師と酒席をともにしたとき、情報系の入学志望者が減少
傾向にあると伺った。局地的な現象かと他大学の就職担当をされてい
る教員に問うと、似た返事が返ってくる。最近、大学の学科名に「情報
工学科」とか「システム工学科」という古くからある名称に替えて
「メディア××学科」や「○○クリエータ学科」など、横文字名に変わっ
ているのは、これへの対策のひとつなのだという。私などは、見ただけ
で何を勉強しようとするところなのか、にわかに判らないのだが。

情報系の学生が減ることは、そのまま情報系の人材が産業界から減って
ゆくことに繋がりやすい。「情報化社会」などということばはとっくに
死語になっているけど、資源を持たない日本で情報処理業はこれからも
成長する必要がある分野だと思っているのに、この現状はどうだろうか。

情報処理業、といっても実際の分野は広い。私の勤務する会社のよう
にシステム開発を主業にしているところや、インターネットを使った
サービスを実現させている会社、インターネットそのものを実現させて
いる会社もあればシステムを維持管理する会社もある。ハードウェア
を開発・販売している会社も忘れてはならないし、それらを扱う商社
のような会社も情報処理業といえるだろう。

さまざまな業務形態があり、それぞれが特長を出して業界を形成してい
る。しかしよく見ると時代の流れというのがあるようで、そのときどき
によって注目を集める仕事があることは確かだ。たとえばネットバブル
隆盛の頃はインターネット系が実態以上に期待されたし、ここ最近は
インターネットを使ったビジネスを実現している会社が学生に人気が
あるという。どうも、私の居るシステム開発は最近人気が低いようだ。

たしかにシステム開発というと営業が捉えてきた商談レベルから客先に
詰めて具体的なシステムに仕立ててゆき、受注後は他の会社のひとたち
と一緒にシステムやプログラムを作ってゆく。そして導入後はしばらく
フォローが続くのだが、どの段階でも仕事のスタイルは

コツコツ

なのだ。残業、休日出勤、徹夜、不意の呼び出し、そんなことは日常
茶飯事、そこに喜びを見いだせるくらいじゃないとシステム屋は勤ま
らんよ、などと若い学生諸君に言えばきっと彼らは業界を敬遠するだ
ろう。

しかし考えてもらいたい。世の中にカッコいい仕事なんて、ないのだ。
確かに楽ちんに見える仕事はあるかも知れない。でもね、目に見えに
くいけど「システム」というモノをお客さんやプロジェクトメンバー
と創ってゆく(作ってゆく、じゃない)工程は、苦労が多いほど自分の
人生に何らかの良き影響を与えるのだ。苦労して作ったあとの達成感
が素晴らしいとうひとがいるが、私の場合、出来上がったときの

  あ、できたんだ

と思うその瞬間にホッとチカラが抜ける脱力感を味わいたくてやって
いるようなもの。情報産業には、そんな機会がいっぱいある。これか
ら社会に出ようとする学生諸君がこのような体験を知らずして人生歩
むなんて、勿体ないなぁと思った。

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