シニアなシステム屋の身辺事情

そろそろ現役引退してもいいようなトシなのに生涯現役をめざすシステム屋の身の回りの出来事・・

もう,いかんなー

2006-12-04 16:42:37 | Weblog
ああーっと気がついたら、前の書き込みから二カ月も経過してるじゃ
ないですか! 「日記ふうのWebページ」なのに、これじゃblogになって
ないぞ! > 自分

で、最近のシステム開発のことで・・・

先日、納品に行こうとしたシステムを、念のため動かしてみたら・・・
動作不安定な現象が発覚。まぁ原因はソフト開発者の目からしてみる
と「ちょっとしたバグ」だったのだが、ホントに「ちょっとしたバグ」
でいいのかどうか。

モノを作るときは、外してはならないポイントみたいなところがあっ
て、たとえば料理で煮物をするときは予め水を温めておくとか、日曜
大工では材料に合わせてクギの長さを決めておくとか、そんな「暗黙
の了解」みたいなことがある。ソフトだって同じ。今回のソフトは、
およそこの種の処理 (具体的には外部機器との通信) をするときには
当然のように気をつけておく点があった。この「当然のように気をつ
けておくこと」を開発した担当者は知らなかった。そしてテストでは
動いていたのだから、それで良しとなって納品しようとした。たまた
ま、私が試した環境がテストした環境より劣っていたので発覚した。

修正は一日で済んだ。お客様への納品は間に合った。だから結果とし
て「ちょっとしたバグ」と表現された。会社の多くのメンバーも、
同じ認識だろう。

でも、ホントにそれでいいのかどうか。この種の処理を知る者が評価
したなら、そんなバグを出すこと自体がシステム屋として恥ずべき
ことと見るだろう。こんなバグ、未然に防止できて当然だと思うだ
ろう。

問題は、知らなかった技術者の能力や経験不足ではない。テストで
発見できなかったテスト方法の問題でもない。私は、このような
開発のセオリーを伝授できていない現状にあると思う。これは何も
ウチの会社だけではなく、多くのソフト開発の現場できく。膨大な
情報と新技術の前に、誰にも開発手法やロジック構築の王道を教わ
ることなく、ともかく動かしてしまうことが正しいかのごとく指示
されている、いまの若いソフト技術者は極めて困難な状況にあると
いえないか。

製造業では熟練技術者の退職に伴う技術伝承が早くから課題となり、
実践されているところがある。しかし我がソフト業界は、もっと
早くから熟練技術者が去りつつある。今回のバグ発覚、これは氷山
の一角と見るのは老婆心が強すぎるのだろうか。