コロモッグルの生態

書きたいんです「王様の耳はロバのみみ~!」っとな!

矛盾

2011-03-28 22:38:11 | Weblog

レイチェルカーソンの記した「沈黙の春」・・・

「春になると小鳥たちの鳴き声が聞こえ、野原には花が一面に咲いている…はずだった。今では小鳥の歌声も聞くことができない。美しい花を見ることもできない。春にもかかわらず、春はただ沈黙を続けるだけである。」

こちらは、農薬の問題だったけど、なぜか、この一文が、頭に浮かんでくる・・今年の春。

今、起きている人間のしでかした過ちとは無関係なのかも知れないけれど、今年の春は上空に居座った寒気のおかげで、いつまでもすっきりとした春が来ない・・
それでも、どうにか徐々に、草花は芽吹き、蕾も膨らんでは来た・・
ところが、こんどは、それを愛でる気持ちもなかなか湧きあがらない・・
春萌えの温かな気持ちに、なかなかなれない・・
空模様と同様に、心のどこかに寒々とした風が吹いている・・ざわざわと・・・

発端は、1000年に一度とも言われる自然災害だった・・・
長くても100年足らずの経験しかできない人間にとって、想像を絶する、今回の自然の猛威は、あまりにも強大で、あがらうすべもないことを思い知らされているような気がする。
そしてまた、人智の作りだした強大なエネルギーも、牙をむき、その猛威にも翻弄されている。

人間って小さくて無力なのか? 偉大な力を持っているのか?
最強の盾と、最強の矛を持っているのが人間だ・・・その矛盾を無視して来たのかも知れない。
最強のはずの盾を打ち破る矛の存在を知ったとき・・またそれ以上最強の盾を作らなければならない・・
矛盾を持っている生き物は人間だけかも知れない・・
でも、最強の盾と矛を作りだしたからこそ矛盾が生まれた・・・
矛盾を生みだした人間だからこそ、また新たに作れるはずだと思う・・

今はただ、人間の力を信じるしかない・・
もうこれ以上・・・誰をも沈黙させないために・・・


2011-03-19 23:59:42 | Weblog
昨年の3月11日まで娘が住んでいたアパートや集落は、流されてしまい。
娘の先輩が、ご遺体でみつかりました。
3月11日以降、数日間、心配しつづけていた結果です。
言葉が見つからず「でも、みつかっただけでも良かったね・・」
・・・と言った後で・・人の死って、そんな軽いものでは無かったはず、3月10日までは・・・
と、気付きました。

人の心というのは、なんと軟らかいものなのでしょうか?
どんなに凄惨な状況をも、心の形を変えて受け入れてしまうような気がします。

自然災害であるからこそ、地球上に生きている動物として、それを受け入れられるのでしょうか?
今、この大変な局面を乗り切るため、皆、心の器を大きくしています。
人間の素晴らしさを目の当たりにしてる気がします。

想定外の出来事をも、受け入れることができる人間のしなやかな強さ・・
人は、それに救われるのでしょうね・・
でも、また状況が変われば、心もその器の形を変える・・・・
命、ひとつひとつの重さをあらためて知るのは、これからの様な気もします。

天災の中に、見え隠れする人災・・・・
それも、また・・・心の器に収まりきれなくなるかも知れません。

心は変われても・・起こった事実は変わらない。
起こった事実を受け入れるためには、心を変えるしかない・・
さまざまなことを受け入れるために、心の器をさまざまに変えながら、乗り越えていくしかないのですよね。

あまりにも衝撃的な現実の前に・・こんなことしか思い浮かびませんでした。

被災され亡くなられた、お一人、お一人の命のご冥福を祈ります。
愛する者にとって、かけがえのない命だったと思います。

そして、被災された皆さまの環境が少しでも、改善されるようにと願います。


賢者の贈り物

2011-03-09 18:10:45 | Weblog
自慢の髪を売って、クリスマスのプレゼントに夫の金時計の鎖を買う妻
大切な金時計を売って、妻のための櫛を買う夫
オー・ヘンリーのこの話は、どなたでもご存知かと思います。

昨日、「僕と彼女の1778の物語」という映画を見ました。
癌になってしまった奥さんに、毎日小説を書くということを、1778日間つづけた作家夫妻のお話です。

泣く気満々で行ったのですが・・御伽噺のような作りの映画で、リアリティが無く・・・グッと来るところはあったものの、涙流すまではいたらなかったのですが・・

ああ・・これこれ・・と思う場面がいくつか・・
もしかしたら、この映画の主題は・・「賢者の贈り物」なのかな~?って思いました。

妻の余命が短いと知って、その免疫力を上げようと、毎日、笑える小説を書くと決めた夫・・
その夫の決心から、自分が治らないと悟る妻・・・

妻の治療費のために意にそぐわない仕事を受けようとする夫・・
そんな小説は書いて欲しくないと怒る妻・・・

最後の旅行のために、寿命と縮めるほどの強い治療を受ける妻・・・
旅行の後にそれを知って怒る夫・・

家族が病気になったとき・・家族は病人を思い、病人は家族を思う・・
それが時としてすれ違うこともあるんですよね・・

人を思う時・・・・・
人は無理をしたくなるものなんですよ。
たとえ自分が病気でも・・
それを辞めろといわれると、辛いときもあるんですよね・・

「金の鎖と鼈甲の櫛」愚かに見える贈り物
なんで「賢者の・・」なのかな~?と思ったら。
「物語の結末で、この一見愚かな行き違いは、しかし、最も賢明な行為であったと結ばれている。」
・・・・ってことらしいです。

う~ん・・でも、もったいないよね~
時計も、髪の毛も・・・

こうなる前に・・話し合おうぜ!笑
お互いが、大切なものを失わずに、相手のことを思いやれるように・・・