コロモッグルの生態

書きたいんです「王様の耳はロバのみみ~!」っとな!

さえない小船

2017-10-22 15:56:54 | Weblog
 夜中にふと目が覚めてしまうことがある。

 1971年から1972年の約一年をかけて 
手漕ぎボートで北米からオーストラリアまで渡ったカップル、ジョン・フェアファックスとシルヴィア・クックの話を
久しぶりにまた読んだら、なんとも深い表現にであった。
以前 読んだときは気が付かなかったか、忘れてた・・・

 シルヴィアは海の経験はなく、泳ぐこともできない、船酔いに苦しみ、出港してすぐに無線機は壊れ、
次々と嵐に見まわれ、荒れ狂う波に何日もさらされ、大きな波を受けてボートは横転し、艇長であるフェアファックスが落水する、
彼はどうにか艇に自力で這い上がってボートを立て直す。
その直後のシルヴィアの日誌だそうです。

 泣きながらデッキに坐って、ふと見上げると、100ヤードほどの所に一隻の船がいた。
かなり小型の、さえない緑と白の中間色に塗られた船で、デッキでは乗組員が手を振って何か必要なものはないかと合図を送っていた。
全く平凡な小船だが、荒れる海上で恐ろしいほど大揺れに揺れているの見、それでも元気いっぱいの船上の乗組員たちを見、そしてこんな状態の中をわれわれのところまで様子を見に わざわざコースを外れて来てくれたことを知ると、ひどく元気づけられるのだった。(中略)
十分前どんなに恐怖の中にいたかも忘れてしまうほどだった。
そして立ち上がると手を振り返して私たちは全くOK、必要なものは何もないと合図した!
その船には決して分かってもらえなかっただろうが、私たちの全横断旅行中、最も重要な意味を持った船であり、
また一番良い思い出を残してくれたのである。(クリス・ボニントン著 海洋冒険物語より)

誰かにとってこんな船のようになれたら、それで良いと思った。 

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2 コメント

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なんとも偶然 (sugar)
2017-10-22 23:17:53
もう更新してくれないんじゃないかと、
うなだれておりました。笑

モッグルさんと糸井重里さんは
私にとってそんな船ですよ。
今日も泥船に乗るsugarでありました。
めっそうもない・・・ (モッグル)
2017-11-02 15:02:46
私もまた・・・いつも不安に揺れる小さなボートでございますよ。
誰か~っ!と助けを求めても・・・・
まあ、あまり周りに船がいないことがほとんどですよね
そんな小船同志でも、遠くに姿を見つけたら嬉しいものですよね!
ありがとうございます。

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