うみねこ 生命は自発的である

生命は自発的に行動し、その結果帰還してきたフィードバック情報を処理している。情報はこの方法によってしか収集できない。

自分で動かなければ知り得ないことがある

2005-08-30 09:14:39 | Weblog
 足の骨折で入院したとする。医師の診断によると骨は十分に結合し、筋肉も機能回復し、神経系は損傷を受けていないので、足は動かせるはずだという。しかし、医師にいくらそのように言われても、実際に動かせるかどうかは自ら動かしてみないことには分からない。

 我々はつい、情報入力を受け、それを処理して出力すると考える傾向がある(SORパラダイム)。しかし、上の例はどうもそうではないらしい、ということを示唆している。

羽または飛行に至る進化

2005-08-30 08:58:23 | Weblog
 モミジの種子の羽の進化と、昆虫が飛行するに至った進化と、鳥類が飛行するに至った進化とは同じメカニズムによるものだろうか。

 進化の総合説(突然変異+自然選択)に沿って考えると、身体(正確には比重)が軽い方が風に飛ばされやすく従って分布を拡大しやすいので、もともと比重が軽く風に飛ばされやすい(体表面が比較的乾燥していて、粘着しないという性質も備えていたかも知れない)生物はますます軽くなっていった。ここで突然変異により羽の萌芽が出現すると、それによって飛ばされる距離が飛躍的に伸びるので、この変異が集団に広まり、その進化は進行した。
 この考え方はいかにも受動的で、進化を駆動する力は突然変異という内因的なものであっても、その形質の選択はまったく環境に支配されているように見える。これは昆虫やモミジの種子の羽の進化の説明には都合がよいが、同じ説明が鳥類にも適用できるだろうか。
 鳥類ではその形質は種内個体により積極的に選択されていったのではないだろうか。このような進化は人為選択と同じく急速に進行しうるので、中間形態を示す化石が見あたらないことの説明にも都合がよい。
 ところで種内の個体が自らの形質を積極的に選択するためにはなにが必要だろうか。

パーキンソン病の治療薬

2005-08-30 08:49:28 | Weblog
 仕事の一環で、最近までパーキンソン病の治療薬に関する資料を読んでいた。
 ご存じのようにパーキンソン病は高齢者に多い、脳内のドーパミンが枯渇することによって発病する疾患で、その主な症状は運動障害だ。
 従来、パーキンソン病の治療薬はこの運動障害という症状を抑制することに重点が置かれ、1960年代に脳内のドーパミンを補充するレボドパが開発され、現在は脳内ドーパミン受容体を刺激する各種薬剤が治療の主流となっている。
 しかし、ここに来て「ドーパミン神経保護作用」をもつ薬剤が登場してきた。その根拠は主に神経画像研究に由来しているらしい。
 ところが従来の治療薬は症状としての運動障害を抑制するために、臨床試験でそれを投与してしまうと、仮にある薬剤に神経保護作用があったとしても、その作用が隠蔽されて捕捉できない。したがって、神経保護作用を検討するためには今までになかった臨床試験方法が開発される必要がある、というわけだ。
 この状況をより一般的に説明すると、下流で効果を発揮する薬剤を先に投与してしまったのでは、上流で効果を発揮する薬剤の効果を捉えることができない、ということ。この論理は他の分野にも適用できそうなので注目しておきたい。

日本語版ブログを開設しました。

2005-08-30 08:12:57 | Weblog

 先日まで「うみねこ掲示板」を開設していましたがログは公開したままいったん閉鎖し、8月18日に英語版ブログ(Life As Spontaneously Operating System)を開設し、今日はさらに日本語版ブログを開設することにしました。

 どうも、いきなり英語で書くというのは根性が要ります。そこで、いったん日本語で公開し、重要と思った文章だけ英語版で公開することにしました。
 また気が変わるかも知れませんが、当分この方式でやっていこうと思います。