うみねこ 生命は自発的である

生命は自発的に行動し、その結果帰還してきたフィードバック情報を処理している。情報はこの方法によってしか収集できない。

Second Lifeに行ってみた

2007-07-04 09:45:15 | Weblog
遅ればせながら,この日曜にSecond Life(以下SL)に登録してさっそく行ってみた。

まずオリエンテーション島で飛行やテレポートを含む,基本的な操作法を学ぶ。
最初にSONYなどのブースに行ってみたが,誰もいなかった。まさにアドベンチャーゲームのMYSTで無人島を探検している気分。飛行ができるので空に浮かんだ建物も多い。ある時,入ってみた建物は入口は確かにあったのだが出口がない。これは罠か?出してくれぇ,と壁や窓に衝突しまくったあげく,テレポートで脱出できることに気がついた。
とにかく人に会ってみようというわけで選んだJapan Resortは正解。人とお話しすることでいろんな操作法や楽しみ方を教えてもらえるという感じ。

ソフトが固まることが多いが,グラフィックを調節することでその頻度が多少は減るようだ。たとえば,あまり遠方まで高精度で見えるように設定していると,視野を回転させた時に移動する事物が多いために処理が間に合わなくなって固まるという感じ。グラフィックのカスタマイズメニューが充実しているので低スペックのPCでも十分遊べるようにできているようだ。

SLでお話ししてみると,退屈という人が意外に多いのに気づく。確かに金儲けやモノの売買,土地や家を持ってひとり暮らししてみたいなどの明確な目的がないと退屈という気はする。以前,No One Lives Foreverというゲームで敵と味方に分かれてのマルチプレイをしたことがある。こういう従来のゲームでは目的がはっきりしており,皆それに合意した上で参加しているわけだ。しかし,そのゲームのホストを務めた女の子でゲーム本来の目的である敵と味方の戦闘はそっちのけで味方とチャットを楽しむ子がいた。こういうのは敵にしてみたら格好の標的になるのですぐに攻撃を受けて爆死してしまった。そうしたらくだんの女の子は怒り出してゲームのホストを投げ出したとさ。しかし,こういう子はSLには向いているかも知れない(笑)

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Second Life全体のシステムは既存のPC向け3Dゲームの集大成という感じがします。僕はシムシティやシムピープルは知らないが,たぶんそういう要素もふんだんに盛り込まれているだろう。僕が少し感動したのは自由に飛行できること(一人称フライトシムよりはるかに簡単に移動できる),シームレスなマップの広さ(PCのシステムメモリまたはVRAMの大きさを利用),ゲームの外側からではなく内側にいるプレイヤー自らがゲーム内に存在する事物を制作できることですね。PC向け3Dゲームの経験がない人はもっと多くのことでいろいろと感動できるかも知れない。

しかし,こういう感動をもたらすのは最初の1か月ほどだけだろう。それ以降どうするか。いろんな事物を制作,クリエイトできるといっても,実際にそれをする人は限られているだろう。結局,現実世界First Lifeと同様に,与える者と与えられる者に分かれていく。

あるいはヴァーチャル空間というのは所詮,広告媒体に過ぎないのかも知れない。

最初は明るい黄色が見えた

2007-05-20 14:37:21 | Weblog
先の「黄色のように明るい青?」で書いたことを考えていて,我々には黄色のように明るく眩しく光る青という色が想像できないことから,進化の過程で生物が明るい光に出会い,それを避けることが生存率を高めることに寄与したということがあったとしたら,その生物が最初に見えるようになった明るい色は必然的に黄色に近い色だったのではないか,ということを思いついた(笑)
同様に,最初に見えるようになった暗い色は必然的に青(または深い藍色)に近い色だったのではないか。
それが進化の過程で生物が徐々に多くの色素合成能力を獲得していく過程で,生物は現在の我々が見るような多様な色彩視能力(色覚)を獲得していったのではないか。

理屈抜きで,我々は明るい色を必然的に黄色に近い色として見るのだ? 歴史的にこういうアホなことを発想した人をご存じの方は教えてほしい。

ひとつの傍証として,人があまり入り込んでいない北米の原野では黄色の花を咲かせる植物が圧倒的に多いということが挙げられる。このことは昆虫は黄色という色を見ることが得意,または黄色しか見えない昆虫が多いことを示唆しているように思える。

進化において,生物は単細胞生物から多細胞生物に進化したとされるが,それは決して多細胞生物が単細胞生物を駆逐するやり方で進行したのではなく,単細胞生物も保存しながら進行したということが重要だ。現に個体数ではヒトより細菌の方がはるかに多いことは明らか。
したがって,色覚を獲得した初期の生物(すなわちここで考えた黄色しか見えない生物)も現在多数生存しているとしてもおかしくない。


21日6:00追記
言うまでもなく光が色をもつのではなく,視覚系の神経ネットワークがある波長の光を見た時に特定の色として見るようにできているに過ぎないのだが,そうであるにもかかわらず,特定の波長の光を特定の色として見る必然性がそこにあるのではないか,ということを言いたい。

黄色のように明るい青?

2007-05-20 14:35:44 | Weblog
色のクオリアを考える思考実験ではしばしば「赤」と「緑」の反転が用いられる。なお,以下に挙げる色の名前はすべて彩度100%の純色を指すものとする。

色の要素が明度,彩度,色相の三要素しかないとすると,純色の赤と緑は明度も似通っているので純粋に色相が反転した色(補色)ということになるが,我々がヒーターの芯が葉っぱの緑のように輝くのを見て熱いと感じ,木々が生やす新鮮な葉が灼熱に染まった真っ赤なヒーターのように光を反射するのを見て涼しいと感じるかどうかはともかく,想像することは容易い。

では同じ補色でも黄色と青とではどうか。この場合,純色の黄色と青自体が異なる明度を持っている。では,黄色と青が反転した世界を想像することは可能だろうか。私には黄色のように明るい青や,青のように深い黄色というものを想像することができない。

黄色と青の例から考えると,どうも,明度と色相はそれぞれが色の三要素であるとしても連動しているようだ。明るい色と言った場合,それは必然的に黄色付近の色に決まり,深い色と言った場合,それは必然的に青付近の色に決まっているように思えるのだが…。

「抗うつ薬」という名称

2007-03-29 06:45:31 | Weblog
先日も,ある抗うつ薬の臨床試験報告書や添付文書を翻訳したのだが,その薬剤はSNRI(セロトニンとノルアドレナリン両者の再取込みを阻害する,つまりこれらの伝達物質による神経伝達を増強する)ということで,その作用メカニズムがものものしく記載されているが,読んでいくと副作用のセクションに「抑うつ気分,自殺念慮」というのが記載されていた。

この薬剤は抗うつ薬だろう。その薬が副作用として抑うつ気分や自殺念慮を引き起こしてどうするんだ(笑) よくうつ病は重度の時は何もする気が起きないが軽快してくると自殺するだけの気力が湧くので自殺に至るのだと書かれている本があるが,こんなもの,私に言わせると屁理屈である(まぁ自殺念慮と実際に自殺することとは別なので注意が必要ではあるが)。

結局,この種の中枢神経作用薬というものは確かに脳内の生化学環境を変化させる。しかしだからといって,うつ病などの疾患を治療するものではないということだ。「抗うつ薬」,「抗不安薬」等々は医師が薬剤を処方する上で便宜的につけられた名称に過ぎない。

患者が自ら望んで薬漬けになるなど,ばかばかしいことだと私は思う。

真に同じモノは作れない

2007-01-02 10:03:44 | Weblog
物体はいくら「構造的には同じ」モノを 製作しても,同じ時空間を共有できない
以上,「真に同じモノ」にはなり得ない。よって我々は各自が異なる唯一無二の
存在になり,収集できる情報も各自ユニークなものにならざるを得ないだろう。

動くとは選択すること

2006-05-12 12:53:50 | Weblog
 昆虫が飛行しているとする。行く手にコンクリートの壁が迫ってきた。そのままでは昆虫は壁に衝突する。ここでその昆虫にはその壁を避ける、またはその壁にとまるという選択肢が必然的に生じる。そして、その昆虫はこの二つの選択肢のうち一方を必ず選択することになる。しかし、いずれを選択するにしろ、それはどちらかが必ず選択されるという性質の行動ではないので反射であるはずはない。

 一般に、動くとは、ある動作をする、しないを含め、選択することなのだ。ちなみに無生物には選択の余地はない。

構造に情報が埋め込まれている?

2006-05-12 12:52:10 | Weblog
 学生時代、例によってショウジョウバエを用いた遺伝学実習を受けたことがある。しかし、私は実習のテーマそっちのけで牛乳ビンの中を飛び回っているハエの交尾を一所懸命観察していた。♂は空中で飛行中の♀の背中につかまるといとも容易に交尾をやってのける。ハエはそのための精巧な神経系を備えているのだろうか? いや、おそらくそうではないだろう。ショウジョウバエという種の身体構造が、♀の背中につかまると腹を内側に曲げるだけで挿入できるようにできているのだ。そのための神経系自体はごく単純なものでよい。

 鳥類の翼もそうだ。翼の持つ構造のおかげで鳥類の神経系は単に胸筋の伸縮を命令するだけで揚力を得て推進することができる。またそのおかげで方向転換その他の機能を容易に追加できる。

身体の外形や筋骨格系の構造の合理化とそれに伴う制御系(神経系)の単純化、それによって生まれた制御系機能の余裕の他の役割への割りつけ、これがヒトを含む動物の進化において一貫して進行したことに思える。

キレる子ども?

2006-05-12 12:50:46 | Weblog
 先日のNHK「クローズアップ現代」では「キレる子ども」の問題に対して脳科学も乗り出してきたという話をやっていた。選ばれた委員は錚々たるメンバーであることは間違いないし、あの番組で流されたことは現在広く受け入れられている考え方でもあるのだろう。しかし、私は満足できない。

私は「キレる」とは「他者の発する理不尽な言動に対する正当な怒り」ではないか、と思うことが多い。

今の脳科学も「我々は刺激に反応する」というパラダイムに立つので、正当であるはずの怒りまでも抑制するための方法(どのような刺激を与えるか)を模索しているように見える。しかし、問題はむしろ、理不尽で倫理的にも劣る言動を「自発的に」発する他者にあるのではなかろうか。

匿名は悪事を働くためのもの

2006-04-21 14:41:10 | Weblog

 今さら言うことでもないが、blogを開いているとこのことをしばしば感じる。

 匿名は自分を守るためというのは口実であって、実は公開している他人を中傷したり詐欺を働くために利用されているのだ。

 近未来における情報戦を描いたサイバーパンク・ホラーゲーム"Deus Ex: Invisible War"において性悪説に立つIlluminati兵士の言葉、「(匿名システムを使いこなす上においても)人類はまだ精神の高みに到達していないのだ」が思い出される。

 そう言えば、このゲームは映画化されるという話だったがどうなったのかな…。


エネルギーと情報は独立

2006-04-11 22:09:05 | Weblog

 エネルギーと情報は独立である。これらを混同している人を、人工知能研究者ですらしばしば見かける。

 簡単な例が、
1.TV受像器の画面が真っ黒の時
2.放送を受信またはホワイトノイズを表示している時
3.真っ白な画面を表示している時
は、1→3に行くほどエネルギーレベルは大きいが、情報量は2が最も大きい。

 しかし、我々の神経細胞はこのことをちゃんと理解している。エネルギーは細胞膜から取り入れているが、情報交換にはシナプスという、それ専用の器官を備えているのだ。