午前中の診療が終わって、少しのんびりしていたら、以前にも登場しました、お酒の一滴も飲めない父が大好きだった、栄にある 松花堂八幡 さんと言う和菓子のお店の、お姉さんが、
「お父様と、お母様に」
と栗の生菓子を持ってきてくださいました。
以前、父の法事の時のお菓子をお願いして、その時のおつりが間違っていたのでとおっしゃって、わざわざ届けにきてくださったのです。
小さな小さな和菓子屋さんで、知る人ぞ知るという感じ松花堂さん。
父は、そこに飾られた楚々とした野に咲いているようなお花や、そこのお姉さんが入れてくださるお抹茶、それから、本当に本当に心を込めて一つ一つ作られているお菓子が大好きで、よくお店に伺っては、おいしいお茶を頂き、何箱も食べきれないほどのお菓子を御土産に持って帰ってきたものでした。
そんな、父がいなくなった今でも、大きなお花を届けてくださったり、以前、春のお菓子の特集で『家庭画報』にのった時も、ウララの名前をおかりしてお菓子を作りましたと、‘‘うらら’’という名をつけたお干菓子をわざわざ、雑誌に載せてくださって、私がおじゃました時にお味見してくださいと、小箱に入れて持たせてくださったり…。
この心使いを父は小さな頃から私に学ばせたくて何度も連れて行ってくれたようですが……。
今日は、急いで帰って、父と母と一緒にさっそく、秋の贅沢をさせていただきました。