Aloooooha♪ やや寒いながらも、春の足音が聞こえる菜の花がちらほら咲くころ
2月26日(木曜日)から27日(金曜日)まで
福岡県の久留米市に工房を構えますASTURIAS Guitar工房へ行って参りました。
今回の出張では当店オーダーのカスタムウクレレの状況とまた、いつも出張時に工房の写真と解説を掲載していましたが、今回は工房で働く方をクローズアップし、こちらの質問にお答え頂きました記事を、掲載をさせていただきます。(写真下段は、アストリアスギター工房の製品販売元 ロッコーマン株式会社の西峯さん 今回工房をご案内していただきました。有難うございました。)
主な質問事項は以下のとおりです。
1) 普段の業務
2) 特に注意をしている所やこだわり
3) お休みの日の過ごし方
木元さん(写真中央) 橋本さん(写真向かって左)
木元さん
1)2) アストリアス工房の作業全般の運用管理など、日々変化する業務の流れを把握し、各セクション又はメーカー等の折衝、交渉を行いスムーズな納品を目指しています。
3) 家事で殆ど終わってしまいますが、撮り溜めたたBSドラマを一気に鑑賞したり、また、家族で旅行に出かけたりしている。
旅行プランは徹底的に目的地をリサーチし計画を立てます。
橋本さん
1)2) 工房で使用する材や、各楽器の管理等、数に関する管理を行なっています。この管理を基に作業全体の催促等を行い遅れが出ないスムーズな納品ができるように木元さんと連携して管理を行なっています。
3) ウインドウショッピング 色々買うより、必要なものを買う。自身で厳選された気に入ったものがあれば購入します。
田代さん
1) 板材、指板、ネック等の各パーツの制作、指板へのフレット打ちです。(写真はフレットを打つハンマー)
2) 作業内は音程を決める大事な部分、一言で、フレット打ちと文字に書くと簡単そうに思えるが、少しの力加減でフレットかへこんだり、両端が浮いたりするのでフレットを打つハンマーの力加減は経験を積んだ技術でないとできないので真っ直ぐなフレット打ちを特に注意をして行なっている。
TASHIRO UKULELE制作者としての田代さん
1) TASHIRO UKULELEの制作を企画、設計から行っています。
2) 近代的で斬新だけど、シンプルな、ウクレレらしいウクレレを目指しています。
曲面に鋭角を持ってくるのがTASHIRO UKULELEの特徴、ヘッドや、ブリッジ形状等を見ていただけると丸みと鋭角の調和が良くわかるかと思います。
また、毎回、出来上がりの仕様を少しずつですが変更しています。
日々、自身で改善するべき点を改善し制作しています。
例えば、コアやマホガニーのような木材は均等な板の厚さで、スプルース材Topの場合は横裏の厚みより厚みをやや持たせています。この厚みもコンマ何mmで変更を行っています。
音色も、ウクレレらしい、ソプラノやコンサートのような音色を全てのウクレレサイズで反映できるように目指しています。
3) 自分自身、ウクレレを演奏するのもとても好きなので、ウクレレのコミュニティに参加してウクレレを楽しんでいます。オリジナル曲も作ったりもしています。
西原さん
1) 材料の検品、乾燥、楽器制作時の材料の選定、指板、ネックの制作です。
2) ネック材は木材の特徴上、斜めに曲がっているものが多いので、経年変化のリスクが少ないと予想される木目のまっすぐなもの、弦に対してまっすぐになるような材の選定、制作
特に今回、Ohanaカスタムの材選びでは表板をジャーマンスプルースにする時は横裏はしっかりした色の濃い材を選ぶようにいたしました。
3) 結構、図書館に通っています。最近流行っているものは、自分自身は踊らないのですが、近代舞踊関連の本を読むのが好きです。
また、アンティークウォッチや腕時計全般が好きです。(実際に昔の時計のメーカーを上げると直ぐ様、色々と詳細が出てきて生き字引の様でした。)
廣渡さん
1) 塗装を担当しています。普段はギター担当、約10年担当している。ウクレレ、マンドリンは仁位さんが担当しています。
2) 自分に与えられた作業を綺麗に早く仕上げるように、今ある道具を使用し創意工夫で自分にとって良い様に作業内容を変えて行きたいと常に思って作業をしています。
3) 新婚なのでもっぱら家族サービスです。
村田さん
1) 成胴を担当しています。成胴勤続30年 当初は組立場にてその後、機械場を経て現在に至ります。
(村田さんの身の回りを固める道具や機械達も、30年~50年のベテランばかりです。)
2) 表裏板が湿度に反応して動くのでその管理に注意を置いていること、板の管理は乾燥室にて管理を行い作業の必要に応じて、出し入れを行なっています。
また、ライニングやブレーシングを着ける際の接着の密度、無駄なく綺麗に着けられるかを注意しています。
出来上がるウクレレや楽器は、同じ様に見えていますが、やはり材料が木材で手作業ですので、全て、厳密にいうと1本1本別の形になります。
カッタウェイの曲げの具合が若干違うとそれだけで、ぱっと見、同じに見える楽器も違うものとなります。
そこをできるだけ、同じに形になる様に見極めて作っていくことを常日頃から心掛けています。
3) 川へ行ってフナ釣り(ヘラブナ)釣りを楽しんでいます。
どちらかと言うとこちらが本業のようなもの(笑)
お気に入りの竿はグラスファイバーやカーボン等のロッドではなく、個人職人さんの制作した、竹製の竿。
手に伝わる感覚が他の素材のものとはやはり違います。
原さん
1) 成胴部門より上がってくる各部分を組立、接着を行ない、そのまま塗装ができる状態まで仕上げています。
2) 楽器の生命線であるネックの接ぎには、特に注意を払っています。
取り付ける角度により、楽器として生まれてくるのか、ただの木の塊として生まれてくるか非常にシビアな部分です。
またボディ周りのバインディングやボトムエンド等に使用するバインディング材も節などが出ていないか等接着前に注意をしている。
どうしても節の部分は硬い部分なので、曲げの段階で割れてしまうことが多い、そうなると生産性も下がるので常に部材の目利きにも気を付けています。
また塗装後の色合いの予測も立てバランスの良い色が出るものを部材の中から選んでいます。
3) 歴史もの、ノンフィクションでありながら、フィクションにも沿った歴史観のあるストーリーの本が好き。もちろん歴史全般に好きです。
歴史の話、特に好きな人物を語ると終わりがない位、話すことができます(笑)
藤川さん
1) バフ掛け ナット制作、フレット擦り合わせを行っています。
2) バフ掛けは、もちろん、綺麗に仕上がっているか、塗装が禿げていないか。 傷や余計なものが付着していないか注意しています。
また、特にギターやマンドリンに比べると、ウクレレは小さいので塗装も薄くなります。バフを掛ける機械の回転がとても早いので、塗装を落とさない様に注意しています。
3) カメラ(一眼レフカメラ)と旅行が好きなので、海外に年末年始に出掛けて写真を撮影しています。
今まで行った場所で印象に残っているのは、タイのアユタヤ等の遺跡の地をバスに揺られて何時間もかけて行ったことですね。とても素晴らしかったです。
辻さん 上段 中段)現在の辻さん、下段)工房に入った当初の辻さん
1) アストリアスに入って41年、当初、担当が塗装場だったが直ぐに現在の最終調整部門になり、現在に至ります。
2) ネックの反り、弦高、ナット是はやはり完璧に仕上げなければならないことだと思っている。
ネックも限りなくまっすぐな様に見えて僅かに順反りしているようにセットしています。
是は、ギターに限らず、マンドリン、ウクレレ全てにおいて言えることだと思っています。
またウクレレではナットの溝切りにも特に注意を払っています。
ナットの溝の深さによってセットできる弦の選択肢が極端に減らないように心掛けている。自
分的には今、既製品で張っているアストリアスのフロロカーボン弦が自社のウクレレにはベストだと思っています。
3) 普段オフはゴルフを楽しんでいます。もう30年続いています。
自宅から約1時間くらいの近場で数箇所あるお気に入りのコースでラウンドをし、スコアは1ラウンド90ストロークくらい。
また、当店のオーダーいたしましたウクレレも着々と完成へ向かっております。
入荷がとても楽しみでございます。
皆様、詳細のご案内、どうか今暫くお待ちくださいませ。
最後に、どの話をお伺いいたしましたどの担当の方も、共通してお答えいただきましたことは、担当の制作内容を均一に仕上げるためにどうすればいいかと、常に考えておられるということ。
責任を持って制作にあたっておられることがとてもよくわかります。
どうか弾く機会ございましたら、手に取って弾いてみてくださいませ。
取材にご協力いただきましたアストリアスギター工房、また販売元のロッコーマン株式会社の皆様、ほんとうに有難うございます。
Ukulele Shop Ohana
とっちい(石田 俊夫)