右近の日々是好日。

障害者グループホームで働いています。

「着想 その2」

2024-09-25 20:48:03 | 私の社会時評
 現在の日本社会では、表現することによる充実感を味わうことが難しくなっているという状況があります。表現する際の着想に向き合うことが難しくなっていることにより、表現しても、苛立ちや不安ばかり強まる、という心情を持つ、ということがあるのではないでしょうか。


 自分の着想を表現しようとしても、表現できない、というのは、他の人からの評価や、自分の思いを明らかにできない焦り、ということから働く心の動きが作用していることがあります。自分の現在の着想と、自分の過去の着想を重ねてみる、ということにより、自分の行動や工夫の共通性と相違が見えてくることがあります。


 F氏の『小説のデーモンたち』(スイッチ・パブリッシング、2013年)では、自分の着想が、自分が表現する際の妨害として働く状況に対抗して、自分の着想と向き合い、自分の表現を模索することの大切さが論じられています。


 自分の疲労や、意欲の低下により、相手の表現を理解したり、受け止めようとしたりすることができなくなった場合は、どうすれば良いか。休んで、意欲が回復することを待っても良い。ですが、自分の現在や過去の着想を関わらせ、組み上げ、表現することにより、相手からの反応や主張や、声を良く見る、ということも、大事、ではないか。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする