難しそうだけど、なんか、すごそう!
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20060424/101619/
マツダが考えたのは、ハイブリッドのような大げさな機構を使わずに、サラッとアイドリングストップを達成しようというもの。セルモーターすら使わず、エンジン自身の力でエンジンをかける。
4気筒エンジンを例に説明する。止まった時に圧縮行程にあった気筒に、燃料をちょっとだけ噴射して火をつける。圧縮行程とは言っても、しばらく止めれば空気は抜けて、大気圧まで落ちている。圧縮しないのだから大した力は出ないのだが、それでもちょっとは回る。これが1発目の燃焼だ。
1発目の燃焼によって、エンジンはいつもと逆方向に回る。写真でいうと赤く見える気筒が下がる。ピストンはクランク軸経由で全部つながっているから、止まった時に膨張行程にあったピストンを押し上げることになる。
押し上げた力で、ここにあった空気を圧縮する。写真でいうと黄色の気筒だ。圧力はささやかなものだが、そこに火を付ければ1発目より大きな力が出る。2発目の回転方向は普段と同じ。これがセルモータの代わりになる。3発目以降は普通のアイドル回転をする。
鐘をつく時、押すのでなくまず引っ張る。あれと同じように、まず逆回転させ、次にエイヤッとかけるわけだ。
段取りを細かく書いていくと、長い時間に感じるかも知れないが、これは0.3秒の間に起こる。セルモーターの半分以下の時間である。ブレーキを踏んだ足をペダルから放し、アクセルを踏んだ時に、もうエンジンはかかっている。つまり普通のアイドリングと全く同じ感覚で使える。