ブルースター

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彼女の価値 -彩雲国物語 夢小説-

2013-11-28 19:38:47 | 二次創作
突発的に書いてみた・・・



「…悠舜が……考える最善を。任せる」
「お待ちください。陛下。」
「羽羽??」
「何事ですか、羽羽様」
黙っていた羽羽がいきなり口を開き、朝議に集まる面々がいっせいに羽羽の方に目を向ける。
「劉輝様。標家から使者が来ております。」
「何っ!!」
「入ってください。」
いつもからは考えられぬほど、緊張した声で羽羽が告げた。しかも、敬語だ。すべての者が何事かと、静まり返る。

「朝議中に申し訳ありません。」
そこに居たのは、失踪したはずの「紅秀麗」と瓜二つの少女だった。違うのは、瞳。彼女の瞳は絶望の色をしていた。輝きを失った色。

小娘であり、紅秀麗と瓜二つであることに安心したのか、驚愕したのか、ざわめきが広がる。
「私の名前は標瑠璃と申します。瑠花様の命令でここに来ました。」
ずっと音信不通、陰に隠れた名家。その標家からの使者。

「単刀直入に申し上げます。私達標家は、皆様がある一定の条件を飲んでくだされば、今起こっている不可解な現象そして、蝗害の復興に全力で補佐いたしましょう。」

またもや大きなざわめきが広がる。
「条件とは」
悠舜が尋ねる。
「ある方を渡してほしい。」
「ある方とは」
彼女は不適にほほ笑んだ。
「紅秀麗」

終わった??汗

愛していたの -彩雲国物語 夢小説-

2013-11-28 19:36:51 | 二次創作
もしも、紅秀麗に初恋の人がいたら・・・??
(死ネタなのでお気を付けください!!)


父様と静蘭に隠れて、泣いていた、あの時。
私は、不思議な少年に出会った。銀髪をなびかせて、どこを見ているかわからないような薄い色の瞳。なのに、はっきりと強い意志を感じた。
彼は、音もなく私に近づき、私の傍にたたずんでいた。
「ひっく、ひっく」
「何で、泣いているの?」
彼は静かにそういった。見た目は私と同じくらいに見えるのに、私より10も上のような大人のように静かな声。
「な、泣いてなんかいないよ。」
それがなぜか悔しくて、必死に言い返す。
「ふぅ~ん」
自分から聞いた癖に興味がなさそうに返事をした彼。でも、それが嬉しかった。きっと、聞かれても私は答えられない。
沈黙がながれる。でも、それは、あの時では考えられないほど、優しい時間。時がとまってしまったようで。
毎日、彼はこうやって私のところへきて、一言、二言しゃべって、去っていく。

「名前は?」
「紅秀麗」
「僕の名前は○○。」

「ふぅ~ん、秀麗か」

「二胡をひくの?」

「弾いてみせてよ。」

「桜がすきなの??」

「はぁ??嫌い??」

「へぇ~雷雨が怖いんだ。」

毎日話すことは少しなはずなのに、私と彼はたくさんのことを共有した。たくさんの時間を。少しずつ、彼は私に笑いかけてくれるようになった。聞かれてほしくないことを聞かずに私に優しい時間をくれる彼は私にとって救いだった。
私が、彼に、ハンカチをプレゼントした日、
「じゃあね。今度来るときは、僕も何か君にあげるよ。」
そういって、彼は、消えた。その後、彼は二度と私の元へこなかった。

朝―。
私はうっすらと瞳をあけた。いつの間にかあふれていた、涙が頬を伝う。日差しがまぶしい。早く起きないと遅刻する。今日は、朝から、長官に呼ばれているのに。
「瑠璃のことか。懐かしいな。璃桜くんに会ったからかな。」
よくよく考えれば、記憶の彼はリオウくんにそっくり。横になったまま、私は彼のことを思って寂しげに呟く。
誰にも言ってない私と彼の秘密。劉輝の告白をずっと断り続けているのは、官吏として劉輝を支えたいから。
でも、私はもしかしたら・・・

「そ、ん、な、わ、け、な、い!!!」
ぶんぶんと首を振って、がばっと、勢いをつけて起き上がる。朝の冷たい空気を思い切り吸ってにやりと笑った。
「さぁ、今日こそあの憎たらしい清雅をコテンパンに叩きのめしてやるわっ!!」
いつもと同じ生活が始まる。それこそ、私の望んだ未来。

劉輝と旺季の会談

旺季が劉輝に負けを認め、“莫邪”を受け入れた。
―その時。
劉輝の遠く離れた背後、ざっくりと頬から首にかけて傷のある男が立っていた。私の体は当然のように、劉輝のもとへ駆け寄り、その背を庇うように、踵を返して立ちはだかる。次の衝撃を予想し私は目を閉じた。その瞬間、私を暖かなものが包んだ。
「瑠璃」
彼の体を矢が貫く。その血の匂いと彼の体から力が抜けていく脱力感に悪夢のような思い出がよみがえる。
「ど、うして」
なんで、彼がここにいるの。体全身が凍るようにしびれて、頭が真っ白になる。私が彼の重みに耐えられるはずもなく、地面に膝をつく。
私の腕の中には、彼がいた。あの時、ほんの少しだけ見せた、子供の無邪気な笑み。
「間に合ってよかった。」
周りの人がざわめく。珠翠と瑠桜くんが青ざめている。やはり、瑠璃は標家の・・・・
誰も知らない私と彼の秘密。誰も知らない出会い。絶望の底で出会った、暖かな出会い。
「どうして」
周りを気にせず私はあえぐようにつぶやく。
「君に会うために」
この深刻な状況なはずなのに、おとぎ話の王子様のセリフのような言葉をはく彼。
記憶が重なる。私が殺した。
彼の白い手が私に伸びる。その手は、私が殺した「若様」とそっくりで、背筋が凍る。
「愛しているよ」
その言葉も・・・
白かったはずの衣装が自らの夢のため灰色に染まり、自らの愚かさのため真っ赤な赤に染まる。
私を庇ってこの人は死んでいく。どうすればよかったの?どうすれば
「ふざけないで」
顔が青ざめるのが自分でもわかる。
「忘れないで、僕は君をずっと愛している。あの時間があったから、僕は生きようと思えた。」
「愛しているよ。君の全てを。」
今、気づいた。矢の傷だけじゃない。彼の体はもうぼろぼろだった。命の短い者どうし、なんとなく感じてしまう。
命の脈拍。
「最後に君に会えてよかった。」
「君のせいじゃないけれど、「瑠璃」をあげる。もう、僕にはそれしか残っていないから。」
「君のせいじゃないけれど、きみに「朔洵」をあげるよ。」
記憶が重なる。
震える指で彼は私のあげた「ハンカチ」で私の涙をぬぐった。
そして、彼はくすりと笑い、彼の腕はコトリと地面に落ちた。涙が溢れる。人殺し。どうして、私は誰かを殺すことしかできないの。
溢れた涙は、二度と開かない彼の端正な顔の上にポロポロ落ちる。氷のように冷たい涙。
カシャン
今まで、保ってきた、私の心がバラバラになるような気がした。まだ、暖かい彼の体を抱きしめる。途切れた脈拍。もう、二度と感じない命の鼓動。心が悲鳴をあげた。声が出ない。
どうして。こんな結果になってしまったのだろう。11年ぶりの再会。私は彼に言いたいことがあった。言わなきゃいけないこと。
かすれた声で叫ぶ。
「瑠璃。―――――っ!!!!」
雷雨がなって、雨が降り出す。

これは、隠されたもう一つの終わり。

著者不明。