子供の頃から
不思議に思うのが、
お正月の時期である。
どうして
年の初めが
冬のさなかにあるのか
不思議でならないのだ。
冬の
それも初め頃という
中途半端な時期が
1月1日であるおかげで
10月や11月ごろに
某地方で初雪が観測されました
などと報道されても
ぬぁに言ってんのさ
雪は今年初めの
1月・2月に降ってたじゃん
今年初めてじゃないでしょ
と言いたくなるし、
今年の冬は暖かく
初雪は例年より遅く
1月にずれ込みそうです
などと
言われたら
1月に初雪って
その方が正しくないかい?
とひねくれたくなるのである。
太陽を公転する軌道上に
ココがスタート地点です
という目印があり
それが丁度お正月の時期にあたります
というのなら納得もしようが
宇宙空間にそんなものがあるとは聞かない。
昨年の暮れに紹介した
クリスマスの原型となったといわれる
ミトラ(ミトラス)教のお祭りは、
一年で一番昼が短い冬至の日に太陽が死に
その後蘇るというような神話(?)から
きているそうだが
それならば
冬至を大晦日に、
その翌日を元旦とすれば
よさそうなものである。
だが、
そうはなっていない。
冬至に死んだ太陽が蘇るには
十日ほどの日数がかかるのか?
だから
この時期は
ただ単に"Merry Christmas"でなく
"Merry Christmas and a Happy New Year"
のワンセットなのかもしれないが──
たとえそうであったとしても
どうにも肌感覚があわない。
四季のある国で生まれ
育ったせいなのかもしれぬ。
子供の頃から
春夏秋冬というくらいだから
正月は冬ではなく春のほうが
しっくりくるのではないかしらんと思うのである。
だから
正月は梅の花がほころぶ
旧正月のほうが最適ではないか、
昔の日本人のほうが
肌感覚が正しいとさえ思うのだ。
だが、
旧正月という奴は
毎年毎年あちこちに移動して
落ち着きがないのがいけない。
年の初めというのは
その年の起点である。
何事も起点が
ズレるのは好ましくないし
なにより春の兆しとはいえ
まだまだ肌寒くていけない。
もう少し暖かい
桜の花の咲く頃がいいのではと思っていたら
なんでも
古代ローマでは
現在の3月にあたる月が
年の初めだったそうである。
その名残りは
英語の月の呼称にも残っているそうで
英語で
10月を意味するOctoberのOctは
Octave(オクターブ:8音)や
八本足のOctopus(タコ)のように8を意味し
12月のDecemberのDecも
deciliter(デシリットル)
decimal(十進数)のように10を意味するらしい。
他にも
9月のSeptemberはseven
11月のNovemberがNineを
意味する言葉からきているようだ。
つまり
これらの月を
古代ローマ時代のように
3月を年の始めとして換算すると
Septemberが7番目で
Octoberは8番目の月となり、
Novemberが9番目そして
Decemberは10番目の月となるわけである。
以上、
参考文献は
うんちく本ではなく
初版が昭和50年の旺文社「英和中辞典」
なお、
英語の月の呼称は
2カ月ずれた数字ばかりが語源
というわけではないようで
7月がJulyなのは
英語読みのシーザーことカエサル
"Julius Caesar"が7月生まれだから
というように別の由来もあるようだ。
他に6月のJuneも
人の名前のようだが
興味がある人は調べてね
貴殿が持っている
英語の辞書にも載ってるかもよ──
である。
閑話休題
なんでも
古代ローマ時代は、
1年は十カ月だったという話も
聞いたことがあるが
それはさておき
古代ローマ人は
暦を作る時に
3月を年の初めとして
1年365日を十二の月に
振り分けたそうである。
どういう神経で──
いや、
どういう理屈で
1年365日をそれぞれの月に
振り分けたのかは知らないが
結局うまいこと
均等に割り当てることができず
最後の月の日数だけが
半端な日数になってしまったという。
そして
半端ついでに
4年に1度やってくる
厄介なうるう年の閏日も
この最後の月に押し付けたらしい。
で、
そのあわれな
最後の月が現在の2月。
2月だけが
28日しかないのも
うるう年の閏日を
2月につけるようになったのも
そんな理由からだと聞いた
──が、本当かどうかは定かではない。
ただ、
古代ローマのように
現在の3月が
年の初めの方が
肌に馴染みやすそうではある。
日本の
学校やお役所の年度とも
そうたいしたズレもないし。